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【コンセプト・設定】
・女吸血鬼はもとは人間。江戸時代の農民の生まれ。
・年齢は2015年―1651年(慶安の変の時代)=364歳
【生物の限界と日記】
人間の脳年齢は大体120年が限界と言われています。
不老不死になってもそれは変わらないでしょう。
吸血鬼になった彼女は大体120年経つと知能が失われていきます。
それは老化し、機能を失った脳が「元の」状態に復元するため。
これは伝説の中で語られる吸血鬼の高い治癒能力に似ています。
不老不死で記憶だけが残り続けるなんてのはご都合主義に過ぎますから。
人間が老化し、頭の働きが鈍っていくように不老不死の彼女の頭も鈍っていくのです。
生物の限界は脳です。
そして、彼女は不老不死になってから3回目の脳の復元が始まる時期に近づいてきていました。
2015年。
吸血鬼は魔法の力を失った魔女のように急に老いてしまうわけではありません。
だんだんと、だんだんと弱っていくのです。
日記は走馬燈へと続く、彼女の辿ってきた道しるべなのでした。




