おばあちゃんといっしょ
私の名前はスミレ。みんなはスゥって呼ぶの。
私はおばあちゃんが大好き。おばあちゃんはお椅子に座ると、私をお膝に抱っこしてくれるの。
寝る時だって、いつもおばあちゃんのお隣。私は優しいおばあちゃんが大好きです。
でもある日、おばあちゃんがいなくなっちゃったの。
その日は朝からお家がバタバタしてて、おばあちゃんだけじゃなく、お父さんやお母さん、お兄ちゃんまでいなくなっちゃった。私には何が起きたのか全然わからなかったけど、夜になって、お兄ちゃんだけが帰ってきたの。お兄ちゃんはいつものお仕事より疲れてたけど、私やお兄ちゃん、弟や妹達にご飯を作ってくれて、その日はみんなで一緒にお布団に入ったの。
お兄ちゃんと一緒で嬉しかったけど、なんでおばあちゃんは帰ってこないの?なんで教えてくれないの?何度聞いても、お兄ちゃんは教えてくれなかったの。だけどお兄ちゃんも疲れてたから、私もお兄ちゃんの隣で、いつの間にか眠っちゃったの。
でも朝起きたら、お兄ちゃんはまたお出かけするところだったの。私達のご飯を作ると、すぐにお家を出て行っちゃった。なんであんなに慌ててたんだろう?おばあちゃんは大丈夫なんだよね?おばあちゃん、今日は帰ってきてくれるよね?
だけど今日も、おばあちゃんは帰ってきてくれなかった。お父さんとお母さんが、昨日のお兄ちゃんみたいにすごく疲れて帰ってきたけど、なんでおばあちゃんは帰ってこなかったの?ねえ、お父さん、お母さん、お兄ちゃん。なんでなの?
それからずっと、私はお母さんのお布団に入っているの。お母さんもおばあちゃんといっしょで優しいけど、やっぱり落ち着かない。時々おばあちゃんのお布団の上でお昼寝するけど、ここが一番落ち着くの。でもおばあちゃんがいないから、やっぱり寂しいの……。おばあちゃんのお膝の上に乗りたいよ……。
でも私が寂しさに慣れてきちゃったある日、やっとおばあちゃんが帰ってきてくれたの!おばあちゃんはおじいちゃんの所に行ってて、それでずっとお家にいなかったんだって、私に教えてくれたの。私はすごく久しぶりにおばあちゃんのお膝に乗ったけど、やっぱりおばあちゃんのお膝の上はすごく落ち着くし安心したの。
今も私はおばあちゃんのお膝の上でお昼寝して、夜は一緒のお布団で寝ているの。今日はおばあちゃんがお刺身を買ってきてくれたわ。ありがとう、おばあちゃん。いつまでも私と一緒にいてね。
写真は我が家のにゃんこであります。
実話がなん何割か混ざってますが、おばあちゃん大好きっ子なのは本当にであります。
童話祭に間に合わせられなかったことがかなり悔しいので、今回投稿しました。(参加表明と投稿締切ん勘違いしとりました……(;つД`))
感想いただけると嬉しいであります。