俺には、やり残したことがある…
体が宙に投げ出され、景色が反転する。
俺、市ヶ谷龍一は、信号無視のトラックに轢き殺され、あっけなく27年間の人生を幕引いた。
ああ、PCのお宝フォルダ、消してないなあ~・・・
ベットの下のDVD、見つかるとか生き恥・・・いやあ死んでるから死に恥?
つーか、注文したR15ゲーム、やってねえとかああああ!!!
「こんなところで死ねない!俺はまだ人生でやり残したこ・・・と、が?」
勇ましく拳を振り上げたところで、自分が真っ白な何もない空間に立っていることに気がついた。
「あれ?俺トラックに轢かれて・・・あれ~?」
「ふふっ、混乱してるねえ」
「うおあ?!」
突然、背後から聞こえた声に驚いて振り返ると、そこには・・・
「はじめまして、神様だよ~!」
無邪気に笑う、金髪で碧い眼をした、ロリ幼女が立っていた。
いや、ロリ幼女というか、神様って年齢不詳だから、見た目だけで、
これはまさかの合法ロリ幼・・・
「心の声筒抜けだから」
冷やかな目線が俺に向けられる、だが甘い!俺にはご褒美だ!
俺の心の喜び声は本当に聞こえているらしく、合法ろ・・・神様は、深くため息をついた。
「とりあえず、龍一くんだっけ?君死んだのはわかってる?」
「・・・あああ!そういえばあああ!」
「今頃、君の家族は、嘆き悲しみ、床に伏せているだろう」
ああそうか・・・母さん、父さん、妹よ・・・ごめんよ、偉大な兄は不幸にも・・・
「そんな哀しみの中、不意に鳴るチャイム・・・」
そうだな、こんな好青年が死んだんだ、きっと警察、いやそれどころか政府が総力を上げて、
俺を轢き殺した愚かな犯人を・・・
「玄関には宅配便のお兄さんが、そして届く、君が注文した・・・」
あああああ!R15ゲエムウウウウウ!!!!あけないで!開けないで!!!!
「中身に愕然とする親、軽蔑する妹、さらにはPCとベットの下から・・・」
あんなものや、こんなものがああああ!!!!!!
ああ・・・ごめんよ、妹・・・
偉大なる兄のイメージが崩れ、きっとがっかりしてるだろう・・・
高校は、あえて低レベルな学校を選ぶことで、己れに枷をつけ、
大学受験は、俺という優秀な男に相応しい大学が見つからず、浪人という道を選び、
さらには、有名な進学塾にすら、俺に教鞭をふるえる者はいないと悟り、
ついには、自宅警備員という高尚かつ危険極まり無い職業をあえて選んだ
「いや普通にニートだろ」
合法ロリ幼・・・いや、神様の冷やかな目線がたまらないですうううう
涙を流しながら、地面に伏せる俺に、神様がちょこんとしゃがみ込む。
「・・・というのが、これから起こる一連の流れだ」
「へ?」
「今はお前が事故ったところで、時を止めている」
唖然とする俺に、神様は無邪気ににひっと笑って見せた。
「条件次第で、見られたくない物全部、消してやるぞ?」
・・・
言われたコトバの意味がわからず、ぐるぐると思考を巡らす。
いや、決して、神様がしゃがみこんでいることで見えている目の前の
光り輝く純白のパンツに気をとられているわけでは
「げふっ」
ぐりぐりと頭を踏みつけられるご褒美つきいいい!!!
「条件を呑むのか、呑まないのか、どっちだ?」
「すみません!すみません!!ぜひ消してください!何でもしますううう!!」
俺の返事に、神様が、ふっと笑う。
「契約成立だ」
あれ?そいえば条件の内容聞いていなかったなあ・・・
まばゆい光に包まれながら、俺は意識を失った。
そんな感じで始まりました、テンション高いですが、宜しくお願いします。