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辿り、便り

「お母さんの生れた国はね。この海をずーっとずーっと先に行ったところにあるのよ。

 海はね、とても広くって、どこにでも繋がっているの。だから、瓶に手紙を入れて流せば、いつか辿りつくのよ」


 ――これは遠い遠い昔の記憶。

 幼いころに母と手を繋いで海岸を歩いていた時に言っていた事だった。


 それは、最近ではあまり思い出す事もなかった記憶。

 だけど、今朝は鮮明な夢に見た。

 だから、手紙を書いて流してみた。


 戦争で行方のわからなくなった母の所にきっと辿りつけるはず……


「お母さん、行ってきます。こんな時代だから、今日から私も軍属です。

 ……でも、軍部ならもしかしたらお母さんの事も見つける事ができるかもだね」


 小柄な女性は海に向かって敬礼する。


「諜報部じゃないから、それは微妙なんだけどね……」


 少しだけばつが悪そうに笑うと、踵を返して海岸から去っていくのだった。

 

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