平民、貴族と話しました。
久しぶりの更新。
短いけど、久しぶりだからいいよね?
むしろだめかな?
それは置いといて、新規さんはよろしくね~
「♪~♪~~♪♪」
何時もの場所で、領主様の前で歌う。
それが、こんなに緊張するなんて。
上手く、いつも通りに歌えてるのかな?
そう思っていたら、私の左右に綺麗な花が咲いた。
最初はびっくりしたけど、その花が私を優しく照らしてくれる。
よくわからないけど、何でか凄い嬉しい。
だから、前世で聴いた歌を歌う。
気分上々という曲だったと思う。
曲のテンポに合わせて、回ったりして踊る。
「♪♪♪~♪~~~♪」
皆が喜んでくれる。
それだけで、とっても楽しくなる。
私は歌う。
声が枯れるまで、ずっと……
私は踊る。
動けなくなるまで、ずっと……
だって、それが夢だったから。
ずっと、望んでいた奇跡だから。
私は歌い、踊り続ける。
◇◇◇◇◇
疲れてしまったので、休憩中。
領主様がいると思ったけど、今ここにいなかったようだ。
残念。
酒場のカウンター席で水を飲んでいると、隣に男の子が座っていることに気が付いた。
初めて見る子だ。
どこから来たのだろう?
「あの……」
「自分に話しかけるとはいい度胸ですな!それ以上近づくと全力で逃走しますぞ!」
「……え?」
この子は、何を言ってるんだろう?
男の子をよく観察する。
綺麗で高価そうな服。
綺麗な金色の髪と翡翠色の瞳。
普通の人とは違う雰囲気の可愛い男の子。
隣にはメイド服を着た若い女性。
あれ?この人、領主様の御子息じゃ……
「良い歌だね!精霊も喜んでたよ!じゃあ、そういうことで!」
「あ、待ってください!」
急に立ち上がってどこかに行こうとしてしまったので、咄嗟に手を掴んでしまいました。
とっても失礼なことをしている気がします。
「NO!許して!!」
「あの、領主様の御子息様、ですか?」
「あ、はい、そうです、すいません、こんなんで」
凄い卑屈な方ですね。
いや、自信が無いのかな?
なんというか、怯えてる感じがします。
「それで~自分の様な卑しい者に何用でっしゃろうか?」
「えっと……貴族、ですよね?」
「えぇはい、そんな感じの者ですわ。ちなみに、純貴族なのは母だけである。あ、訂正。自分と母だけであるのですよ」
「そう、なんですか……」
なんだろう、この方の性格が全然わからない。
でも、一緒にいると凄く落ち着く。
この人は信頼できるって、何となく感じる。
さっき言ってた精霊さんの御蔭なのかな?
「よかったら、一緒に歌いませんか?」
「ほほぅ!自分の歌唱力と勝負したいということだな!?」
「え?違―――」
「いいだろう!!物理的なことでないなら、いくらでもやってやるわ!!」
そう言って、御子息様は舞台の方へ歩いていきます。
ただ、数歩歩いて私の方を振り返り、足をガクガク震わせていました。
「あ、その、先行ってもらえない?」
「あ、はい!」
私は急いで舞台へ上がります。
御子息様は一歩後ろに立って、侍女の方からカスタネットを受け取っていました。
カスタネットを構えて、何かを思い出したような顔で御子息様が言いました。
「そう言えば君の名前は?自分はシーファ・ヴァーリグリス・シーエンド」
「あ!?すいません御子息様!!私はクラン・ライラックと言います!」
「よし!じゃあ、クラン・ライラック君!勝負を始めようじゃないか!!どちらが真の歌ウマ王者か、決着を付けよう!!」
「え、えっと……は、はい!頑張ります!!」
というわけなので……私、歌います!!
「♪~♪~~♪♪~♪♪~~」
次回更新は早めにできるようにしたいかな!
次回は貴族視点だよ!
これからもよろしく~