騎士、王族と対面した。
久しぶりの更新です。
忘れてたなら、そのまま忘れても……いや、ぜひ見て……て言うほどのものでもないか。
数分の暇潰しにでも、どうぞ~
俺は、城の中にいる。
親父から出された課題というなの特訓をしていると、親父が「お前も大分マシになってきたな。そろそろ御披露目しておこう」と言って、強制的に城に連れられてきた。
いやまあ、城には行きたいと思ってたけど、いきなりだと心の準備が……
しかも、同じ騎士にお披露目するもんだと思ったら、初っ端から王族とか……やばい、汗が。
現在は控え室で待機し、呼ばれたら謁見の間という王族お約束の場所に向かう。
そう、それだけで良いんだ。
正式に騎士になってるわけじゃないんだから、大丈夫。
そして、控え室で縮こまること数十分。
「ライファー・エルディスト様。国王様が御呼びです」
「うぇい!?」
「どうぞ、こちらです」
控え室に入ってきたメイドの声に、奇声で応えた俺を特に気にした様子も無く、淡々と職務を全うするメイド。
ガチガチに震えながら、手と足を同時に前へ出して進む。
今の心境を語るなら、丸腰で竜の巣へ向かう様なものだ。
喉を鳴らし、謁見の間の扉の前へ辿り着く。
メイドが扉の兵に向かって小声で何か呟くと、兵士の声と共に扉がゆっくりと開いていく。
「ライファー・エルディスト様が到着いたしました」
そこには、人、人、人……あ、ヤバイかも。
チびる。
「楽にして良い」
「は、はいな!!」
元一般人に、この探るような視線は、受け止め切れねぇ……
ど、どうしようか?
とりあえず、王様の正面十メートルほどで、きをつけ。
冷や汗が、止まらないぞ……
「緊張することはない。お互い初めてなのだ、自己紹介をしよう。私はクライゼント・フェルゼス・エストルーダだ」
「は、はい!自分はライファー・エルディストと申します!!」
王様にそう言われたが、無理だから!
もうちょい、どっかのパーティーとかで慣らしてくれればいいものを!!
あのクソ親父!!
横目に見た父親は、ヘラヘラ楽しそうに笑っていた。
こ、殺す!!
「御主は、何のために騎士となり、どの様な騎士を目指す?」
「え?あ、じ、自分は―――」
「……ほぅ」
周りの貴族達がざわめき、騎士達が感心した顔をしている。
え?何でざわざわしてんの?
俺、なんか言った?
やばい、記憶が飛んでる!?
「エルディスト卿、良い息子を持ったな」
「勿体なき御言葉」
「ライファー・エルディスト、予定通り貴君に騎士の称号を与えよう」
王様が、剣を直接くれるらしい。
行けと?
勘弁してくれ。
ガチガチになりつつも、なんとか王様の目の前で膝を着く。
「御主なら娘も……いや、今はいいな。これを授けよう」
「は、はい!」
剣を受け取り、そそくさと元の位置に戻る。
王は苦笑しつつ、解散を告げて謁見の間から去っていった。
徐々に人がいなくなる謁見の間で、ライファーのそばへ行くサイファー。
「何も教えてないにしては上出来だったぞ、息子よ」
「……いつか殺す」
「ハハ、楽しみに待っているよ」
謁見の間から去る二人。
そんな二人というより、ライファーを見つめる者がいた。
「ふむふむ。なかなか面白そうな奴じゃな。実力があるなら護衛にでもしようかのぅ。ククク、楽しみじゃな~」
◇◇◇◇◇
謁見から三日後。
何時もの様に訓練訓練訓練……するはずだったんだが。
「えっと……こ、ここはどこでしょう?」
「むぐ?」
「姫様、はしたないですよ」
俺は今、混乱している。
気絶させられたと思ったら、たぶん姫とそのメイドが目の前で果物を食べていた。
俺の頭は逝かれたのだろうか。
それは最初からか!ハハハってやかましいわ!
……俺、冷静だよ?
「失礼したのぅ。妾はエミューダ・ティルズ・エストルーダじゃ。この国の第三姫じゃ」
「私はシルフェリア・ライトニングと申します。姫様の専属メイドをしております」
「え?あ?その、ライファー・エルディストです」
戸惑いつつも、何とか返事をして現状を把握しようとする。
今いる場所は、予想だと姫の部屋。
つまり、密室!!
……姫とメイド、美少女と美人だな~
ま、まさか!?エロゲ展開か!!
「ありえんな」
「ありえませんね」
おっと!俺の脳内丸裸か!?
どうする!?
すでに脳内はピンク一色だ!!
逃げなきゃ、死ぬぞ!!いろんな意味で!!
「少し落ち着くんじゃ。そうじゃな……シルフェリア」
「ふぅ、しょうがありませんね」
「え?なに?なんで近寄ってくんの?え?え?」
「ふふ、大丈夫ですよ。痛くしませんからね?」
「い、い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
~数分後~
俺は早くない俺はノーマル俺は小さくない俺は俺は俺は……大丈夫だ、問題ない。
「むぅ……毎回思うが、シルフェリアは何を踏んでいるんじゃ?」
「うふふ、姫様にはまだ早いですね~」
大丈夫、濡れてなんかいない。
これは、汗だ!!汗なんだよ!!
一か所だけだけど、汗じゃなきゃいけないんだよ!!
「まあよい。さて、お主に用があるんじゃ。妾の騎士になる気はないかのぅ?」
「ファッツ?ダメだ、英語使えね。なんだって?もう一回言ってくれるか」
「だから、妾の護衛にならぬかと言っておるんじゃ。今の訛りはなんじゃ?」
「なんか変わってね?」
「気にするでない。どっちも同じじゃ。それで、今の訛りはなんじゃ?」
「さいですか」
「……貴様」
姫の専属騎士……望んでたっちゃ、望んでたわな。
姫美少女だし、将来はスタイル抜群の美人になること確実の見た目だ。
メイド様は、うん、触れないでいいや。
美人ということだけ認識してくれ。
……でもさ、ゲームならわかるけど、リアルでやると極刑だよな?
騎士が姫に手を出すとか、問答無用で死刑だよな?
え?何それ?怖い。
しかも、なんか怒ってない?
俺なんかした?
「大丈夫ですよ。姫様相手にそういう感情がわかないように、特訓させてもらいますから」
「……こ、ことわ―――」
「ちなみに、お主の父親のエルディスト卿は、快く承諾してくれたぞ?」
姫がニヤニヤしながらそういった。
オヤジィィィィィ!!!
メイド様は何考えてるかわかんない感じに、ニコニコしてるし……
もうおうちかえる!!
……この部屋を出ようとした瞬間、何かを破壊される気がする。
こ、興奮なんかしてないんだからね!!
「ふっふっふ~妾は一度手に入れたものは、最後まで大切にするぞ?」
「良かったですね」
「……はい」
これは、苦労人フラグが立ってないか?
だれか、このフラグ折ってくれ。
こうして、俺ことライファー・エルディストは、騎士になって数日で第三姫の騎士になった。
あと、メイド様に教育されました。
「姫は守るもの……おれはにくたて。ハッ!?俺は何を……」
「シルフェリア、何したんじゃ?」
「フフ、教育ですよ」
何故か十二時投稿にしたくなった。
これに意味はない。
次は平民の話ですね。
いつ投稿するのかな~