貴族、外出する。
久しぶりに更新した。
お気に入りにしてくれてる人、忘れてんじゃないかな?
遅くても、亢進はするんだお。
こういう言い方だと、すぐにオタクって分かるのかな?
分かるよね。
うん、どうでもいいことだった。
他の作品書いてくる。
でもその前に、再テストの勉強しないと……ふぅ。
自分の手をとり、馬車に乗り込もうとする母に一言。
「HA☆NA☆SE!!」
「不思議な言い方しないで、行きましょうね~?」
しかし、力で勝てないので馬車に乗せられた。
しかも、母の膝の上。
がっちりホールドですね、分かります。
分かっちゃダメだろ!!
いぃやぁ!!
外はダメ!
人が、人がいるんだよ!?
屋敷の中なら安全だけど、外は危険なんだよ!?
外はダメ、絶対。
て、馬車動いとる!?
意見を却下だとぉ!?
裁判長!異議有り!!
え?異議を認めない?
シット!!
英語は苦手です。
そんなことはどうでもいいんだよ!!
た~す~け~て~
「もう!暴れないの!メッ!」
「坊ちゃま!落ち着いてください!」
「シーファは元気だな~私は馬車に酔って、吐きそ……うぇぷ」
父が真っ青になりつつも窓から身を投げ出しているのを見て、何故か落ち着いた。
一周回った感じだ。
落ち着いてみると、何やら森が喜んでいる雰囲気がする。
どうやら、暴れている内に整地された道に来ていた。
道を挟んでいる木々が、自分に何かを伝えようとしている様だ。
例えるなら、「ブルー○ス!お前もか!」的な。
違うか。
ボケッと流れる木を見ていると、母に撫でられる。
「ここら辺の木はね、少し前まで枯れてたのよ?予想でしかないけど、家の庭に出来たあの樹の御蔭で、今の緑があるんだと思うわ。つまり、シーファの御蔭ね♪」
嬉しそうな母を見て、木に視線を戻す。
綺麗な緑が、風に揺れて音を立てる。
木はいいね。
目が無いから。
自分は、見られるだけで緊張してまともに話せないもの。
つまり、人に会いたくないでござる!
自分貴族なんだからいいじゃん!
家のベランダから見下ろせばいいじゃん!
ちなみに、自分の場合は窓越しでもギリである。
陰口ならいくらでも叩いていいから、見ないで……
「旦那様」
「む、わかった」
「なるべく早くね」
なんじゃろ?
メイドさんが父に何かを言ったら、父が馬車の外に出て行った。
母は、ヒラヒラと手を振っている。
なんだ!?もう着いてしまったのですか!?
それとも魔物か!?盗賊なのか!?
であえぇ!であえぇぇぇ!!
ぎゃぁあぁぁあぁあぁぁぁあぁぁ!!!!!
「はいはい、落ち着こうね~」
「坊ちゃま、クッキーでもどうですか?」
クッキーうめぇ。
差し出されたクッキーをはむはむと頂く。
この世界のおやつがパイぐらいしかなかったので食べる為に作ったら、メイドさん達に作り方を教えて欲しいと言われて、教えたら自分より美味しいクッキーになった。
このサクサク感が、堪らない!!
……何か忘れてるような?
ま、いっか。
うま~
◇◇◇◇◇
やられたぜ!
クッキーに騙されるなんて、自分のバカ!!
着いてしまった。
とうとう、着いてしまった。
領地の村の一つに!
馬車から出たくないぜよ。
ちなみに、途中の父が下車時に賊が襲って来てたらしい。
どうでもいいな。
戦闘は父に任せるよ。
さて、どうする。
降りるのか、降りないのか。
晒されるのか、晒されないのか。
帰るのか、帰らないのか。
もう、いや。
ここは、諦める……訳が無い!!
最後まで粘るぜ。
頑固な汚れの様に、粘るぜ。
「はいはい、諦めましょうね」
「坊ちゃま、そろそろ面倒です」
「俺の息子は、最高だぁぁぁぁぁ!!!」
誰か、あの父を止めておくれ。
難易度が上がってるよ。
イスにしがみ付いて、絶対に出ないと意思表示。
母は困り顔で、メイドさんは呆れ顔で、父は嬉しそうにしている。
クソ!父許すまじ!
未だに粘っていると、歌が聞こえてきた。
自分にしか聞こえないぐらい、不思議なほど小さな歌声。
自分は、その歌声に導かれるように馬車を降り……るわけないでしょ?
フラグは立てない主義です。
自分に着いて来た風の精霊が、歌声に惹かれる様に森に向かっていく。
ヤバイって。
この村、絶対イベントがあるよ。
降りたら最後だよ。
ホント、もう帰ろうよ。
「今日頑張ったら、明日はのんびりしていいから、ね?」
「……木登り、していい?」
本日初喋り。
今日の試練を乗り越えた報酬は、世界樹に上ること!
危ないから登ったらダメだって、皆が止めるんだもの。
「……わかったわ。ちゃんと誰かと一緒ならいいわ」
やった!
ついに、ついに世界樹登り解禁!!
今日だけ頑張れば、今日だけ!
……フラグ立ってない?
「さぁ、行きましょうか」
「……うぃ」
人間、諦めが肝心だ。
さっきまで諦め悪く粘ってたけど、そこは気にしない方向で。
馬車から出ると、木造の家々が立ち並び、町に成り掛けの村といった印象が強い。
壁で囲めば、町に見えそうだ。
以上。
さぁ、帰ろう。
「もう少し見て周りましょうね~」
「頑張ってください、坊ちゃま」
「家の息子、可愛いねぇ!!」
「……はぁ」
面倒だ。
特に父が。
村人の歓迎を受けつつ、教会や宿屋といった主要施設を巡って、最終的に酒場で宴会である。
父と母は、教会の裏にある花畑を見に行っている。
夫婦の仲は、大切にしよう。
ましてや、自分の親なら特にだ。
酒を飲んで盛り上がっている村人を背に、チビチビとリンゴジュースもどきをメイドさんと飲む。
メイドさんは、酒が飲めないらしい。
お子様め。
自分は、まあ……イケルンジャナイカナ?
「クランちゃん!領主様の息子さんに一曲聴かせてやれ!」
「いいぞ!もっとやれ!」
「飲みすぎた……吐く……」
「ちょ!?こっちくんな!ぎゃぁぁぁ!?」
皆、楽しそうだね。
そして、クランちゃんって誰よ?
ボケッとしていたら、歌声が聴こえて来た。
綺麗な歌声が、優しく耳を撫でる様に響く。
声の主を探すと、そこには自分と同じぐらいの美幼女がいた。
ロリな魂ではない筈の自分が、何故かその美幼女に惹かれる。
精霊達が、美幼女の周りを飛び回る。
転生して、おかしな能力を手に入れた自分だから分かる。
美幼女クランの歌には、魔力と対の力である心力が篭っていた。
心力はかなり昔に有名だった力で、踊りや祈り、歌などによってその力を行使できたそうだ。
自分の見た本には、天候を操ったり、人の傷を癒したり出来たそうだ。
所謂僧呂タイプだ。
長々と説明して、コレである。
言うほど長くも無いか。
そして、この歌声には安らぎの効果があるようだ。
自分の創ったオリジナルの種で、花を添えよう。
植物だけに。
豆電球型の種を、クランちゃんとやらの傍にばら撒く。
最近分かったことだが、自分の創った種は魔力がある物ほど育ちにくく、魔力の無い物ほど育ち易いようだ。
さらに魔力の無い物は、魔力を注ぐことによって成長を促進出来る様だ。
と言うわけで、魔力を垂れ流す種を握り、クランちゃんを見る。
ちょうど盛り上がる所で、自分の置いた種が開花する。
成人女性程度の大きさで、花の部分が色鮮やかに光っている。
クランちゃんを照らす感じから、スポットライトの様だと思った。
村人達は驚いているが、自分が特に驚いていないのを見ると、隣のメイドさんか自分の両親が何かしたのだと勘違いし、更に盛り上がる。
クランちゃんも最初は戸惑っていたが、むしろ気分上々といった状態になっている。
と言うより、歌が気分上々に似て来ている。
えっと、もしかして……
「転生、者?」
その呟きは誰にも聞かれること無く、歌声と歓声に掻き消された。
うむ、シリアスは似合わんな。
転生者?だからどうした。
歌が上手いなら、それでいいじゃない。
いぇ~い。
書いてる時に、ちょっとテンション上がってて。
ボケまくりですわ。
そしてこの貴族、何気に優秀な能力持ちだったのだ。
……前の内容覚えてるかな?
実は世界樹のくだりと、平民視点しか覚えてない。
次、騎士だよね……どないしょ?
まあ、姫だよね。
次の更新は何時になるのかな……その内更新する!
まあ、見てる人がいるならだけど。