騎士、理想を掲げました。
ちょっと短めかも。
俺の名前は、ライファー・エルディスト!
転生者だ!
剣と魔法のファンタジー世界に、俺参上!
夢が叶っちゃったよ!
俺の次代キタコレ!!
神とかには会ってないけど、俺が主人公だ!
アニメとかの世界じゃないのが残念だが、美人美少女がいるから気にならないな!
やっぱり、主人公としてハーレム作らなきゃだろ?
騎士の家系として生まれたから、将来は絶対騎士だろ。
となると、王族のそれも姫の近衛騎士にならないとな!
フラグ回収しまくって、ハーレム王に俺はなる!!
◇◇◇◇◇
そう思っていた時期が、俺にもありました。
「いつまで休んでいる!疲れたからといって、敵は待ってはくれないぞ!」
俺を鍛えているのは父親のサイファー・エルディスト。
とにかく厳しい。
子供に教えるやり方じゃないだろ!?
俺は、転生特典かなんか知らないが、身体能力は圧倒的に高かったんだよ。
でも、前世で剣道とかやってなかったから、剣の使い方とか知らないし!
「さぁ立て!次だ!」
この外道が!
もっと休ませろよ!
◇◇◇◇◇
死ぬ。
俺は今、ベッドの上で死んでいる。
絶対、明日筋肉痛だ。
扉からノックの音が聞こえ、親父が入ってくる。
まだ何かさせる気か!?
「大丈夫か?悪いな。だけど、全てはお前の為だ」
俺の為?
どうせアレだろ?
死なない為とか、大切な人を守る為だろ?
在り来り過ぎんだろ。
「家柄上、お前は必ず騎士になるだろう。そして、主となる者を見つけて、仕える事になる。だがな、命をかけて守ろうとするんじゃない」
「え?なんで?」
普通命かけて守るもんだろ?
何言ってんだ?
「ほとんどの騎士は、お前と同じ考えだろうな。だけど、よく考えろ。何時だって、最悪の事態は起こるんだ。お前が戦っている相手以外にも、敵がいるかもしれない。味方が裏切るかもしれない。魔物が乱入してくるかもしれない。そんな時、どうする?お前は、特訓を始めて三日になるが、考えていたか?私がお前を殺すかもしれない、そんな最悪の事態を。考えていなかっただろ?それどころか、別のことさえ考えていた。それじゃあ、お前が生きる事も出来ないし、守る事も出来ない。騎士とは、常に最悪の事態を想定し、主と自分を生かす方法を考えなくてはいけないんだ。とまあ、難しい話は終わりだ。今日は疲れただろ?明日は特訓は休みだから、しっかりと身体を休めろよ?じゃあ、お休みだ」
そう言って、親父は俺の部屋から出て行く。
「なんだよ、それ……」
主人公とか、ハーレムとか言ってた俺……大馬鹿者じゃねぇか。
「くそ……俺の、馬鹿野郎……畜生……」
その日、俺は本気で悔し涙した。
◇◇◇◇◇
「親父。俺、騎士になるから」
「そうか」
俺はそれだけ告げ、親父は微笑みながら頷いた。
親父はイケメンだから、微笑まれるとイラッとくるな。
本気で騎士を目指す決意をした俺は、親父の地獄の特訓を全力で受けた。
◇◇◇◇◇
5歳になった時、どっかの貴族の領地に何か凄い物が出たらしい。
どのぐらい凄いかは分からないが、王族や他の貴族が騒ぐぐらいのものらしい。
肉体強化系の魔法には適正があったが、他の魔法が使えないんだよ。
武器に纏わせるぐらいならギリギリできるんだけど、それ以上が出来ないんだよな。
そう言えば、姫は凄い美少女だった。
まだ3歳だが、将来は絶対美人だな。
絶対に近衛騎士になってやる!!
しかし、親父も驚くぐらいの者ってなんだろうな?
ちょっと気になるわ。
次回は、平民、歌を歌いました。
見てる人いる?