十五話 エピローグ
あの戦いから二週間後、学園都市にてーーー。
四大貴族の筆頭カールドの死が世間を揺るがす、空席となったが代理としてアネモスの姉ラウナ・エデンが席を埋めた。
これにより学園都市の動揺が収まった、とは行かなかった。
愛の教団が何故……退避用地下通路に現れたのか。
何故、カールドが教団と関わっていたのか。
責任追及がラウナに集中して、世論は由々しき事態として四大貴族ラウナ家を降格させて名誉を維持。
だが、ラウナは「父の失態は事実、私に非があるかと聞かれたらそれをノーとは答えない。我々貴族には闇が潜んでいる、それは限りなく深い物で把握は出来ない。しかしながら、それを辿れば……貴族は崩壊する」っと発言したのだった。
因縁とは深いほど何かある、例えば《A》が去る時の話。
「まて」
「運が良ければまた会うだろうね? 因果の果てにある世界を知りたければ……。我々、統合結社はその時まで匙を回す。敵か味方か、分からないだろうけどね」
統合結社って確かこの全土に派遣してる組織だよな
気になる所は多いが、とりあえず俺は僅かながらの違和感に訊ねる。
「…なぁ、どっかで会ったことあるか?」
「なに? それ新手の口説き文句かしら」
「そんなつもりじゃないけど。違うならいい」
「その時まで、ね。 じゃね」
淡い光を放ち《A》はその姿を消した。
意味深い情報だ、後で調べたら……統合結社はこの世界の機密機関の一つで帝国となんらかの関係があるのは知ってる。
教団と敵対で、何をしたいまでは謎に包まれている。ラウナの発言の意味を探ると、深さがマシそうで今は考えるのはよした方がいいみたいだ。
気を取り直して、休日であるが自室でのんびりとしていた。
「あ、あの……」
「ん?」
「本日はお出かけ予定は?」
「ないなぁ。考える事あってね」
「そ、そうですか」
ドジっ子メイドと二人だけの空間……視線が気になる。ちらちら見すぎて困る。
「な、なぁ」
「はひっ!?」
なんでそんな過剰に反応するんだよ?
なんか猫みたいだな……うん。
「とりあえず、そこに座ったら?」
「え?! ま、まさか、こっからはじまるの!?」
「なにが!?」
「ふへへ、それは……まだ早いですぅ」
なんかモジモジしてる、ちょっと妄想が凄まじい。
吐息が変態だ……俺を見る目がエロいぞ
ここはひとまず、冷静さが一番だ。
「おいおい、まさか頭の中が十八禁になってないか?」
「な、なんでですか!? わ、私は純粋なメイド!! へ、変態じゃないもん!!」
「なんで顔赤いんだよ?」
「き、今日は暑いからです!」
「なんで汗かいてるの?」
「初夏が近いからです!」
くそ、なんて言う言い訳を並べてるんだ。
もう素っ気ない態度するしかないじゃんか。
「へぇー」
「う、う、うぅ……いじわる」
「ドジっ子も隅に置けないねぇ」
「男性免疫ゼロだもん」
「しかしまぁ……ソレ破壊してるけど」
「え? あっ!?」
少なくても、鉄製カップを片手で握りしめて手形を作ってる。
なんとドジっ子は怪力さんでした、なんか逆に怖い。ネームプレートにはルミィって可愛い名前刻まれてるのに。
「おーけー、男逃げるのは無理ない」
「そんな事言わないでぇ!」
「細いその腕、可愛い顔して破壊力がまさかその手にあるとは。 うんうん、通りで俺のメイドなわけだ」
「ポンコツじゃないもん」
「ポンコツとは言ってない、怪力マスター」
そんなあだ名は気に入らないっと言うばかりに右ストレートが俺の顔に直撃、なんと遊戯な時間なんだ……!
「私はメイドちゃんです! 心に傷付けたら制裁の拳が黙らないわ」
なんと嘆かわしい捨て台詞!! さすが、その若さで幾度の変態を黙らせたのだろうか。
とりあえず起き上がる、ルミィの頭を軽く叩いた。
「とりあえず目が覚めた、ありがとうな」
「え? あ、ありがとうございます?」
「力の制御、それがルミィの課題な」
「わ、わかりました! 」
そういってから、寮内の騒音は鳴り止まない。
一体いくつの備品を破壊してるんだ……? 請求書から見たことない数字が給料から引かれるの怖いな。
ともかくして、来週から遠征なんだよな。
エルドの故郷……ルミナス中立拠点まで列車使って行くらしいけど、四大貴族が作って経済回してるから列車は特注らしい。
片道三時間ほど、さほど遠くは無い距離にある。
そういや、学園都市から出るのって今回が初めてか。少し楽しみだな。
因みに交通機関的に列車が基本で、中央王都帝国方面、学園都市方面、ルミナス中立拠点方面、ルナ里方面、海都ルキナス方面、風花村エルエデン方面、滅び村イルミナ。
廃墟都市は学園都市の隣接するレベルの近さで、外の世界を知らない貴族は偽りの空間で過ごしてるっと認識した方がいい。
列車に乗れば廃墟都市全貌が見えるらしいから、俺は少し待ち遠しい。ちなみに駅は学園都市内にある。
そのタイミングで部屋ノック、ルミィが「はい」って出ると中に入ってきたのはアネモネとエルデだ。
「あれ? 今日は休みだぞ、どうした?」
「えーとね。私、アネモネは先生に謝らなきゃならないことがある」
「ん?」
「私達、家族の問題に……先生が立ち向かってくれた。そして、私自身もこれからを考えて生きる意味を先生から教わったんだ。だから、お礼だけ言わせて……ありがとう」
深々とアネモネはおじきをした。別に気にしくてもいいんだけどな、先生として筋を通しただけだから。まぁアネモネの気持ちは分かったし、俺は軽く笑って立ち上がって頭を撫でた。
「まだ新米だからよく分からないことがあるけど、君を救えたことに俺は価値を改めて実感した。だから、迷いながら一緒に生きよう」
アネモネは、震えた声で「はい!」って答えた。
俺はゆっくりとエルデの方を見いて「何か問題でもあったのか?」っと訊ねた。
「僕の出身に向かうけど、帰りたくないんです」
その言葉に、俺は何かを感じ取った。
また何かが起きるのではないかと。
やっと一人目問題児生徒を救えたがまぁいい………。
俺が想像するよりこの世界は過酷で憂鬱かもしれない。だから、俺は決めた元カノとこの世界を救うって抗い続けるしかないーーー。
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