プロローグ
本作品をご覧いただきありがとうございます。
※注意喚起※
本作は序盤から重いテーマを含んでおります(家族の問題、トラウマ、暴力描写、救えないかもしれない結末など)。
重い内容が苦手な方、見たくない方は1話からお読みになるか、ご自身の判断で離脱していただいて構いません。気分が害したら無理をせず、お引き取りください。
なお本作品は作者の趣味程度で書いており、本格的には書いてない事を理解した上でお読みになってください。世界観や設定わからない場合は資料をご覧いただけると幸いです。
明けない夜は無い、こんな言葉があるならばすぐにでもそうなりたい。
とある高校生、名は柳海人。
十年間不登校を極めた男だ。
理由、十年ほど前に元カノ春町燦と別れた。
俺のわがままにずっと文句言わないで、付き添って傍に居てくれた。
なのに、だ。 俺は最低なことを言っては真面目な返事ばっかで共にいる楽しさをしなかった。
付き合ったのは、一年の春。 一目惚れしてその日から告白して付き合った。
一度は別れたたけど、二度目に付き合ったけど別れてまた三度目も付き合った。期間は一回目が半年、二回目が3ヶ月、三回目も同じで、別れた後から半年過ぎた……高校二年生の秋の日。校舎の屋上で再会した。
その度に、彼女は俺を知りたい気持ちが先走り焦る。俺は本音も言えずに、自分の事しか考えてなかった。故に待ち合わせ時間も、トークも時間をずらしたり、俺の自己中が彼女の気持ちを振り回してた。
時にはきついことも言う事も言われる事もあった、けど彼女を俺は本心から憎めなかった。
強がっててそれが逆に心配、楽しい事しか考えなかったのも……彼女が持病で入院と退院を繰り返していたからだ。
彼女自身は、自分に生きる価値がないしこんな人生は嫌だって言ってたのをいつも励ましてた。
俺の家庭も彼女の家庭も複雑で、何かと自分達の話で争うのを聞いてる。辛さ以外無い、だって、価値がない自分の話をして喧嘩話にされたら生きる意味が無いから。
お互い傷を知ってるのに、向き合えない気持ち。
彼女は生まれた場所は海外、転校を繰り返して高校の時に日本に戻った。
その頃までは友達すら出来なかったと話していた。
帰国女子で、韓国や中国語をメッセージにさりげなく気持ちを書いてる部分は可愛かった。
そんな日々、いつもつまらなそうに退屈そうに彼女を俺は気にかけて声をかけてから知り合った。
楽しい事は沢山した、冗談も軽く言えるほどに。
月日がすぎたある日、俺はあだ名を付けた"ありあ"と言う名を。 校則ではあだ名禁止だけど、二人だけの秘密だった。
彼女は嬉しそうに大事に自慢話にしていた、ネーミングセンスありすぎって。
これが自分が生きていて最も大事な時間だった。
それなのにーーーーー。
「海人、君だけの時間は私にはないよ」
「え?」
彼女は呆れた感じである、とある屋上に呼び出された。いつも一緒に夕日を見てる場所だ。
「言わなくてもわかるはず、私は君をずっと考えてた。けど君はわがままで自分勝手な所、それが君の悪い場所……いつまでもこうしてるのがおかしい」
ド正論だった、言われるまで気づかなかったのは事実。けど、そう切り出した理由は「……三度目別れたからか」って事を言った俺は少しばかり寂しいかった。
「そだよ、私を大事にしてるけど君はどうなのよ? 自分のことは二の次なんてそんなの不公平だよ」
鋭い、こんな彼女だから俺が気付けない部分を怒った時にストレートに言ってくる。
ただただ「……ごめん」ってしか言い返せなかった。
「だから、ね。私は別な人と付き合った」
「嘘だろ……?」
彼女の横顔が何故か、複雑そうに悲しそうな声だった。俺は手を伸ばした、それを弾いた彼女は
「嘘じゃない、君とやり直す時間はあったけど……君は変わらないし私は君と過した時間は楽しかった。だから、こうするしかなかった」って声を堪えていた。俺は激しく動揺した、自業自得だったとは言え……誰かに傾く彼女的にありえなかった。
「君は私なんかより、ずっといい人がいるよ。性格も悪いし、君とソリも合わない。だから、私の事を忘れて」
「ま、待てよ!? いきなり過ぎるし、それにそいつが好きなのか!?」
「そうでもないよ! 君と比べたら君が私の中で一番なんだよ!! でも、でも……こうしなきゃ、君が私から離れないから!!」
「燦!!」
「……私、もうこの世界から消えたい。この彼氏と別れたら死ぬつもり……君は私の分まで生きて」
涙ながら言う彼女は、その場から走り去った。
止めようとした腕は震えて、脚が重く岩を置いた感じだった。
俺はただ……ただ、君をもっと知りたかっただけなんだ。なぁ、俺を……一人にしないでくれ。
数ヶ月後、彼女は自殺した。
幸せなんかじゃなくて、自分を殺してまで俺を考えていた。その春先前で俺が……三年生になる直前の悲劇だった。
俺は全身に力が抜け落ちた、絶望感に浸る。
言葉を失い全てを失ったように、部屋に閉じ篭って泣く日々が続いた。後悔しかない、付き合ったり別れたりを繰り返したあの日々を全て俺が悪くて取り返しがつかないことした。
ちゃんと君を信用してればよかった、俺の過去も話せなかった自分が憎くて仕方がない。
自殺を考えるようになった、自分の存在意義は何処にあるのかと。
十年間時が止まったかのように、部屋から俺は出れないまま。両親は元彼女の死を知り俺に向ける言葉がないまま学校を留年と言う形で維持していた。
しかしこの日は、両親が不在でありやたら一階からガラスを割る音が鳴り響いた。
「誰も居ないな?」
「金目を探せ!」
明らかな強盗、俺はコミュ障だからスマホを手に取り震えながら警察に通報した。
スピーカーに切り替えて、ドアをゆっくり開ける……まだこちらまでは来てない。
警察が何か言ってるが、俺は気にもとめない。
久々に出た廊下は綺麗だ、下の物音が生々しく聞こえる。俺は生唾を飲む、過去の自分は誰かを守るってことをできなかった。
生きる存在すら価値すらないんだ。
彼女を見殺しにした罪、ここで果たすしかない。
死ぬ気で俺は階段の方へ行く、恐怖と隣り合わせで見知らぬ覆面が一人見張りしてる。
俺は意を決してタックル階段から転がした、よしあとは捕まえれば……?!
「……このガキ!!」
冷や汗が流れた俺は死を悟る、もう一人部屋にいた。背中から思いっきりナイフを刺され、貫通した赤い刃を見る。
「人がいるなんて聞いてねぇ、こいつニートか? はは、社会的にいらないゴミ殺されてよかったなぁ」
ゆっくりと引き抜かれた背中が痛い、息が吸えない。苦しいさで俺は階段から転がり落ちる、意識が遠のいた所で警察のサイレンが鳴り響く。
「あ、兄貴!?」
「慌てるんじゃねぇ!! 逃げるぞ!!」
「は、はい!!」
頭に浮かぶのは元カノへの後悔と謝罪。
燦……ごめんな。俺お前が居なきゃ無理だ。
視界がぼやけてきたようやく、苦痛の日々から終われるんだな。
"良いでしょう"
どっからともなく元カノに似た声が響いた。




