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“西海雷竜オーニン”




『これが竜の眷属たる僕の姿さ。そして覚えておいてね、これが……』



オーニンは言った


『君の最後に見る景色だと…』


オーニンがそう言うと姿が掻き消える

…途端、後ろに現れた



「くっ!?」


俺は咄嗟に結界を重ねて貼るも、衝撃を殺しきれずに吹き飛ばされる


俺は壁まで吹き飛ばされ、衝突した


「がはっ!!」


肺から空気が抜ける

俺は結界を貼ってこのダメージだった事に衝撃を露わにした


「お前…何をした?」


『君、しぶといね。【爪雷】を使ってダメージがたったこれだけだなんて、意外だよ』



相手自ら語ってくれた


【爪雷】


雷電魔法の一つ

爪、または指に魔力を集め、電気を発生させる。電気は爪を形どり、その切れ味はアダマンタイトに匹敵する




今回は結界を貼っていたため、この程度で済んだが、結界が無ければ、俺は既にバラバラになっていただろう…



『ほら、立ってよ。闘い(殺し合い)を楽しもうよ』


こいつ(オーニン)異常(戦闘狂)だ…

戦いを楽しんでやがる


「あぁ、彩ってやるよ。()()()()()()


俺はそう言った

こういう奴は、このように返すのが最も良い



『フフッ。 君、やっぱり面白いね。僕も君の血でここが染まるのを見たいよ……』


オーニンは俺の想像通りにそう言った



「それじゃあ、こっちも……」


俺たちとオーニンは同時に言った



『本領発揮といこうか』

「本気を出してやるよ」



その瞬間、俺とオーニンは動き出す


俺が【空力場】と縦横無尽に駆け巡ると、オーニンもそれに合わせて動く


俺の【吹花剣】と奴の【爪雷】が衝突する

俺は雷の爪に剣から【吹花】を流し込み、三本ある爪のうちの一つを破壊した


「そんなので僕を……ぐっ!!」


俺はそのまま剣を突き刺そうとするが、オーニンに間一髪で避けられる


「“勘の良い奴だな”」


俺はそう言った


実は俺は今の突きに仕掛けをしていた

【植造】と【木動】の2つを剣の内部に仕掛けていたのだ



【植造】

自然魔法の一つ

周囲に樹木を生やす魔法

その木は込めた魔力によって硬くなる



仕掛けはこうだ


奴がこの剣を受け止めると、剣の一部が破損し、内部の魔法が漏れ出す

すると、【植造】によって、木が育ち、【木動】によって対象を捕縛するのだ


すぐに抜け出されるだろうが、その隙だけでも大きく戦況が変わる


オーニンはそれを察知して避けたのだ



『君はそういう手品が好みなんだね。でもそれじゃあ僕には勝てないよ?』


オーニンはそう言って再び襲いかかる


俺は【空力場】でオーニンの攻撃を事前に避けた

そして、上からオーニンを急襲した


「【騎士召喚】!!」


俺は少しでも奴の気を逸らす為に、奴の周囲に4体の騎士を生み出した



『小癪な!!』


オーニンはそういうと、周囲に雷を撒き散らした


【散雷】


雷電魔法の一つ

魔力の雷を自身の周囲に撒き散らす

上と下には効果がない



【散雷】によって騎士は全て消えてしまうが、それでも()()()()()()


俺は新しく剣を生み出すと、奴に向けて構えた

そして、【空力場】を足で踏みしめてこう言った


「【吹葉斬】!!」



【吹葉斬】


【武器創造】と【吹花】を合わせた合成魔法

極限まで薄く伸ばした【吹花】の花弁を組み合わせて、それを剣で纏う

そして敵を切り裂く際に剣が砕け散り、中の刃が一瞬だけ現れるのだ



俺はオーニンに向けてその剣を振るった



オーニンに当たった瞬間、その刃は砕け、白く輝く刃が姿を見せた


その刃はオーニンの漆黒の鱗を突き抜けて、()()()()()()()



オーニンは自身の足が一つ落とされた事により、一度俺から距離を取ってきた





『やっぱり君はなかなかやるね。でもこれには耐えられるかな?【群竜割拠(ドラゴ・アーミー)】!!』



オーニンがそう唱えると奴から竜型の魔物が溢れ出す

これが奴の固有スキルか



「「「「グオォァ!!」」」」


生み出された竜型の魔物は一直線に俺を目指す


俺は【空間切断《散》】を使うが、その数は一向に減らず、その間にも次々と竜型が生み出されていく


更に、竜型の一部は【空間切断《散》】を避けて俺に接近してくる



俺は即座に【武器創造】を使用して対応するが、それによって()()()()()()への対応が遅れてしまった



俺は上から接近したオーニンによって地面に叩きつけられた

【治癒鎧】しか貼っていなかったため、俺は大きなダメージを負ってしまった



『君は多対一が不得意。その予想はどうやら合っていたようだね。どうだい僕の【群竜割拠】は?雷電竜王様に授けられた眷属の力、思い知ってくれたかい?』


オーニンは、この力を使う事が嬉しくて堪らないようだ



『【群竜割拠】竜の軍隊を生み出すスキルだ。強い個体程生み出せる数は減ってしまうけれど、このぐらいの個体なら5万体程は出せるんだよ』



【群竜割拠】厄介なスキルだ…

結界は元から殲滅に向いていない守りのスキルだ

しかし今の俺はオリジナルのスキルを使う事が出来る。


(考えるんだ……)


俺は一つの考えに思い至った


俺は目を閉じ、集中し始めた



……そしてこう唱えた…



「【万引重力(グラビティホール)








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