表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さようなら、わたくしの騎士様  作者: 桜井正宗


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

80/85

結婚式は一週間後

 わたくしは、ライラから聞いた占いのことをフェイルノートに明かした。

 もしかしたら、結婚式をぶち壊されるのではないか……懸念を示した。すると、彼は真剣な表情で聞いてくれた。


「――なるほどね。クリス、結婚式は任せてくれ」

「本当ですか!」


「ああ。新生ガウェイン騎士団に守ってもらう。これならどうだ?」

「その手がありましたね!」


「どにみち、みんな祝福しに来てくれるさ」


 そう言われてみればそうだ。

 ガルフォードたちが必ず駆けつけてくれる。


 だから心配する必要はあまりないのかもしれない。

 けれど、それでも少しだけ不安はあった。


「あの、出来れば関係者のみで……」

「そうだね。不審者を入れないよう、招待した者だけを招き入れよう」

「はいっ」


 それなら、狙われる心配もないかもしれない。

 これで結婚式はぶち壊されない。


 きっと大丈夫。



 安心したところで、食器を片付けてお風呂へ。



 この宝石店の三階に広いお風呂が備え付けられていた。

 階段を上がって、寝室とは別の浴室へ。


 扉を開けると広い脱衣所が。

 そこでドレスを脱ぎ、浴室へ入る。広い空間が出迎えてくれる。


 最新式のシャワーが取り付けられ、帝国の街並みが望めるお風呂もある。三人、四人は余裕で入れる円形のバスタブ。

 こんな眺めのいい場所でお風呂に入れるなんて、なんて贅沢なのだろう。


 シャワーで体を清めているとフェイルノートも来てくれた。

 一緒に体を洗い、そして浴槽へ。



「クリス、一緒に夜景を楽しもう」

「そうですね」


 彼に身を預け、わたくしは夜の帝国を楽しむ。それなりに明るく、街並みが見渡せた。こんな時間でも中央部は活気がある。

 美しい風景を楽しみながらお風呂に入れる。最高ね。



「結婚式は一週間後にしようと思う」

「解かりました。では、招待状を送らねばですね」


「そうだな。しばらくお店を経営しながら書かなければ」

「手伝います」


「ありがとう、クリス」



 そうして最高の一日を過ごし、ベッドでも楽しい夜を過ごした。



 * * * * * *



 翌日以降、わたくしは隙を見ては招待状を書いた

 お店は今日も盛況で大変だけれど、毎日が楽しい。


 そんな中で、とある女性のお客様がわたくしに話しかけてきた。若い女性だった。


「知っていますか、クリス様」

「なんでしょう?」


「最近、結婚式が襲われているんですって」


「え……」


「しかも、その犯人が分からないそうです」

「分からない? どうして?」


「新郎が突然、倒れるんです。原因不明の……病なのか、なんなのか」



 もしかして、結婚式をぶち壊す者ってソイツなの……?


 しかも、わたくしだけではなく他にも襲われていたなんて。


 いったい、誰がそんなことを。




「解かりました。このことはガウェイン騎士団にも相談してみます」

「お願いします。これでは、私も結婚できなくて……」


「そうだったのですね」


「……はい」



 この女性も困っているんだ。

 そして、わたくし自身も占いが当たるとすれば……なんとかしないと。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ