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さようなら、わたくしの騎士様  作者: 桜井正宗


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結婚式をぶち壊す者……?

 宝石や貴金属は飛ぶように売れ、騎士だけでなく一般のお客様も多く来店してくれた。

 バルザックが仕入れてくれたルビーやサファイア。アメジストやエメラルドなど王道なものから珍しい宝石も様々。


 特に淡いグリーンのフォスフォフィライトは目玉商品。

 希少な宝石だけど、今日のオープン記念の為に特価。


「盛況だね、クリス」

「ええ。大忙しです」


 接客が不慣れだけど、最初に新生ガウェイン騎士団の騎士たちが来てくれたので、顔見知りで助かった。


 おかげで今は一般客相手でも普通に対応できていた。


 時々、フェイルノートに交代してもらって休憩。そんな忙しい時間を過ごしていた。



 お昼過ぎになってもお客様が絶えることはなかった。



「そろそろ俺に任せてくれ」

「いいのですか?」


「クリスには十分働いてもらった。しばらくは任せてくれ」


「ありがとうございます。では、また後程」

「ああ、好きなタイミングで来てくれ」



 フェイルノートに感謝して、わたくしは一旦外へ。

 とにかく外の空気が吸いたかった。



 近くの噴水広場にあるベンチに腰掛け、お店を眺める。


 まだ列が途絶えていない。

 まさか初日でこれほど多くの方々に来てもらえるなんて嬉しい。そう感じていると彼女が現れた。


「……クリス。よくも客を奪ってくれたわね……!」

「突然ですね。オープン当日なので仕方ないでしょう。フェイルノート様のお店でもありますから、話題性は抜群です」


「それは――そうだけれど」



 納得がいかないとライラは苛立っていた。



「ところで……ライラさん。あなたは本当に宝石店を経営しているんですか?」

「……もちろん。すぐそこですわよ。見に来られてもいいですわ」


 背を向けるライラ。ついてくればいいと示してくる。


 このまま休憩していても良かった。


 でも、ライバル店を視察しておくことは重要なこと。

 念のため向かってみることに。


 面白くなければ直ぐに帰ればいい。



 少し歩くと、ライラは立ち止まった。

 本当に近くの場所だった。


 百歩も歩いていないと思う。

 そこには二階建ての立派なお店が。



 名前は【アストロロギア】と書かれていた。



「アストロロギア……?」

「ようこそ、わたしのお店へ」



 中へ入ると薄暗くて、お客さんもいなかった。


 でも、確かに宝石はあった――というか、飾られていた。


 明らかに販売しているような雰囲気ではなかった。



「なんだか魔術だとか占いだとか、そんな感じなんですね」


「正解」


「え」


「わたしのお店は占星術(せんせいじゅつ)による占いなのですわ。宝石はパワーストーンとして販売していますの」


「そ、そういうことだったのですね。では、宝石店というのはウソ……」


「似たようなものですわ」

「どこが……!」



 というか、ライラは占い師だったのね。



「実は、クリス。あなたのことを勝手に占ってみたのよ」

「……ど、どうして」


「フェイルノート様と宝石店を経営すると小耳に挟んでね。二人の将来を占った。すると、大変なことが解かったの」


「大変なこと?」



「ズバリ、言いますわ! クリス、あなたは……地獄に落ち……」


「!?」



「――というのは冗談で。結婚式に気をつけなさい」


「……え」


「あなたとフェイルノート様の結婚をぶち壊そうとする輩がいるようです。占いでそう出ました」



 わたくしとフェイルノートの結婚をぶち壊す輩……?


 いったい、誰なの!

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