表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さようなら、わたくしの騎士様  作者: 桜井正宗


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

75/85

宝石店オープン

 夜になってもお店の準備を進めていた。

 あと少しで商品も並べ終えるところ。

 これでもう明日に備えられる。


 そんな頃合いに扉をノックする音が響いた。


 来客?

 いえ、まだオープンはしていない。バルザックかお父様かしら……?


 気になって向かうと、そこには見知らぬ女性が立っていた。黒いドレスに身を包み、檜扇(ひおうぎ)を口元に当てている。



「辺境伯令嬢クリスね」

「え、ええ。そうですけれど、なにか御用でしょうか?」


「わたしは、この中央に宝石店を構えるライラと申しますの。つまり、貴女とはライバル関係になるわけですね」



 近くに宝石店があったんだ。知らなかった。

 そっか、お客さんの取り合いになりそうね。



「そうでしたか。よろしくお願いします」

「ええ。きっと、このお店には人は入らないでしょうけれど。精々がんばってくださいな」


 嫌味っぽく言うライラという女性は、背を向けて去っていく。


 な、なんなの……!


 言われなくたってがんばるし、いいお店にするし!



 妙な気分に陥っていると、背後からフェイルノートが。



「どうしたんだい?」

「付近にあるらしい宝石店の方がご挨拶に来たんです」


「宝石店? おかしいな、この辺りにはなかったはずだけど」

「え……」



 どういうことかしら。

 でも、きっとどこかでお店をやっているはず。負けてはいられない。



 ◆



 翌日。

 ついにお店のオープン日!


 早朝から新生ガウェイン騎士団の人たちが列をなしていた。その人数、三十……いえ、五十は超えた。


 よかった、ガルフォードに相談しておいて!



「さっそく騎士たちが来てくれたね、クリス」

「ええ。みなさん恋人や家族にプレゼントするそうです! 主に恋人に、だそうですが」


「そうか。毎回開催されるお見合いは効果あるようだね」



 以前、旧ガウェイン騎士団でもあった。わたくしも参加したっけね。

 その行事は新生となっても受け継がれている模様。

 おかげで贈り物をしたい騎士たちが来てくれる。

 いいタイミングだった。


 それに、一般のお客様も続々と来ている。


 オープンセールという宣伝を打ったおかげでしょう。



 そんな列の向こうにライラの姿も。



「…………」



 なんか悔しがっているような。

 まずは、わたくしの勝ちね!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ