二人だけの時間
宝石店の準備をバルザックも手伝ってくれることに。
「お嬢様。私の親友で鉱床を所持している方がおります。その方に頼み、原石を掘って参りましょう。加工も可能かと」
そんな凄い知り合いがいたとは驚いた。
フェイルノートもバルザックに頼んでいた。
「ぜひやってくれないか。報酬は弾む」
「もちろんですとも。フェイルノート様には大変お世話になりましたし、喜んで」
「ありがとう」
「では、明日旅立ちますので」
バルザックは自室へ戻っていく。
「よかったですね、フェイルノート様」
「クリス、君のおかげでもある。執事のバルザックがいなければ、わざわざ採掘業者を探す必要があったからね」
本当にゼロからのスタートだったんだ。
確かに、採掘業者を探すとなると大変かも。
請け負ってくれるところがそう簡単に見つかるかどうかと言えば……難しそう。
「しばらくはバルザックを待ちましょう」
「そうだね。それまでは、お店の方を整えよう」
「わたくしも手伝いますっ」
「そうしてくれると嬉しいよ。早朝、まずはお店を見てみよう」
「ワクワクしてきました。楽しみです」
今晩はゆっくりとする。
美味しい晩御飯を食べたり、ゆっくりとお風呂を楽しんだり。フェイルノートとこれからのことを話したり。
誰にも邪魔されない二人だけの時間を過ごしていく。




