騎士団の復活
あれから一か月が経った。
帝国で毎日平和な日々を送り、フェイルノートと愛し合う日々。
こんなにもトラブルもなく過ごせるのは、いつ振りだろう。
ただ静かに流れる時間。
庭でフェイルノートと共に散歩をする。
それだけなのに幸せ。
「いいお天気ですね」
「そうだね、クリス。最近、なにもなくて快適だ」
「今までがおかしかったのかもしれません」
「人生には苦難がつきものだけどね。ここまで連続することは、もう滅多にないことだろう」
「はい。そうであることを祈っています」
もうこれ以上も、これ以下も望まない。
この平穏な日がただ過ぎ去っていけばいい。
「クリス。この後はガルフォードの騎士団長就任式だ。一緒に行って欲しい」
「それは行かねばなりませんね」
ついにこの日がきた。
ガルフォードがフェイルノートの意志を継ぎ、新生ガウェイン騎士団を結成する。
これは陛下の恩情もあって叶った再復活だった。
本来ならあのまま解散もあったらしいけれど、一か月前の事件は明らかに元議長とモルドレッド騎士団の不祥事。
だから、今回はモルドレッド騎士団と統合することになった。
新しい議長も決まり、今は新体制。
「さあ、馬車で向かおう。バルザックが準備をしてくれている」
「解かりました。では参りましょう」
式典へ向かう。




