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さようなら、わたくしの騎士様  作者: 桜井正宗


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婚約の件

 お城の中を進んでいく。

 多くの騎士に見守られる中で、ついに皇帝の間に。


 そこには金の美しい髪を腰まで伸ばす女性の姿があった。

 明らかに他は違う、煌びやかな衣装。

 あれは間違いなくアリステア皇帝陛下。



「失礼します、陛下」

「来たか、フェイルノート。それと辺境伯令嬢クリス」



 振り向く陛下は、透き通った青い目でフェイルノートを見つめた。



「まず、謁見いただき感謝します」

「よい。お前の活躍は余の耳にも入っているからな」



 ここで、わたくしは今回の件を聞いた。



「申し訳ございません、陛下」

「クリスだな。なんだ?」


「フェイルノート様をお慕いなされていると聞き及んでおります。婚約の件、これは本当ですか?」



 そう聞くと陛下は微かに笑い、わたくしの前に立った。



「クリス。お前は過去様々な敵と戦い、最近ではアンジェリクス議長を倒し、ようやく幸せを掴めた」


「そうです。なのに陛下もなぜ」

「この身分だからな。出会いも少ないのだよ」



 だからって横取りするみたいに……ヒドイわ。

 このままではフェイルノートが取られてしまう。でも、彼は一緒に帝国を出て行ってくれると言ったし、今のところは奪われる心配はない。


 けれど、実力行使に出られたら分からない。



「やめていただけないでしょうか。わたくしとフェイルノート様は愛し合っています」

「……」



 陛下は、フェイルノートを見つめた。

 彼は“その通りだ”と瞳で訴えかけていた。


 それを察する陛下は視線を外し、再びわたくしに。



「あの、陛下……」

「そうか。そこまでの仲であったか」


「そうです。もう結婚だってするんです……」

「ならば勝負をしよう」


「勝負ですか?」

「ああ。お前は剣が得意だそうだな」



 ま、まさか決闘を?

 いくらなんでも皇帝相手に決闘は……ちょっと。



「さすがに剣はまずいでしょう」

「いや、そうではないこのカードを使う」


「カード?」



 こ、これは……!

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