二人でお城へ
「なんだって……? アリステア皇帝陛下が……」
「そうなんです、フェイルノート様」
事情を説明すると、彼は非常に驚いていた。
「これは駆け落ちしかないですよね……?」
「そうだな、こればかりはどうしようもないかもしれない」
他に方法はないし、さすがに帝国を敵に回すわけにもいかない。
「では、今夜にでも?」
「いや、まだ確定したわけではない。一度だけ陛下に聞いてみる」
「危険では……」
「大丈夫。俺の言葉なら聞き入れてくれるはずだ」
そうね。きちんと伝えれば陛下も理解してくれるかもしれない。
今夜に陛下と謁見できると分かり、わたくしとフェイルノートの二人でお城へ向かうことになった。
緊張するけれど、会って自分たちのことを話せば分かってくれるはず。
夜まで邸宅で待つことに。
ずっとソワソワしながら生活をして、時間になった。
バルザックの馬車でお城を目指す。
フェイルノートも一緒だ。
「いよいよですね」
「ああ、説得してみせるさ」
「わたくしも出来る限り陛下に話してみるつもりです」
「がんばろう。きっと解かってくれるはずだ」
「はいっ」
上手くいくといいけれど。




