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さようなら、わたくしの騎士様  作者: 桜井正宗


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23/85

偽者の騎士団長

 記憶を取り戻したところで邸宅(いえ)へ。

 戻ると早々に異変があった。


 え……なんだか騒がしい。


 庭に到着するとバルザックが慌ただしく駆け寄ってきて、息を切らしながら汗を拭っていた。



「た、大変です。お嬢様……ルドラ様」



 肩で息をするほどにバルザックはパニック状態だった。



「なにがあったの?」

「お二方が不在の間に起きたことです。大勢の騎士が押し寄せて……『今のフェイルノートは偽者だ!』と、そのように騒ぎ立ててきたのです」



 すると庭には10人、20人と騎士が増えていく。

 ガウェイン騎士団だけではない他の騎士団も乗り込んできていた。どうしてこんなに……!?


 はっとルドラの方を向くと、彼は仮面をつけていた。



「何事だ」



 彼は『フェイルノート』として騎士たちに問う。

 大勢いる騎士の中のひとりが前に出て「あなたは偽者のフェイルノートだ! ならば騎士団を率いるはこの私。そして、クリス様もあなたに相応しくないというわけだ」と、厳しい口調で言い放ってきた。


 な、なんでそうなるの……!



「ほう、ならば“決闘”を望むか」



 人数は更に増え、30人ほどがルドラを取り囲む。いくらなんでも、こんな人数相手では……。

 ていうか、なんでこんなことに。


 気になってバルザックに聞いてみた。



「こうなった原因は?」

「ヴァレリア様です。彼女が騎士たちに情報を吹き込み……このような事態に」



 ヴァレリア!

 そう、わたくしとルドラの仲を引き裂こうというのね。

 でも、そうはさせない。


 わたくしは勘違いを正す為に、騎士たちに真実を放そうとした――けれど。



「いいんだ、クリス」

「でも……!」


「彼らは私が偽者のフェイルノートだという。ならば、ここで“本物”であることを証明しよう」


「え……」

「大丈夫。兄さんの強さは間近で見て感じているからね」



 そうね。ルドラならフェイルノートを演じられる。双子なのだから!

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