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遂に次の町に向かうのはいいけどカッコつかない

勇者としての宿命....

この世界を愛するが故の誇り....

母からの無限の愛情.....

今!冒険が加速する!!!


「わああー、もう朝か、」


爽やかな目覚め。窓から差し込む陽の光でゆっくり意識が覚醒する。


「ほら、あんたいつまで寝てんのさ。朝ごはん冷めるわよ」


「ああ、ごめん」


時計はすでに9時半を指していた。


「まったく朝起きたら朝ごはんがあるのが当たり前だとは思わないことね。お母様が作ってくださっているのだから」


「そりゃそうだ。今日は何したらいい?畑仕事?それとも商売道具の手入れ?」


「今のうちにご飯食べて力つけといてよユウちゃん。なんせ私たちこの町じゃあ今日から指名手配なんだからさー」


ここでようやく本当に目が覚める。長年の癖で当たり前のように1日が始まろうとしていたがそんなはずがない。俺はあの頃のどこにでいる町人ではなく、もっと特別な何かだったような気がする。あれ?なんだっけ?まだ寝ぼけてるな。いや、それ以前に一個おかしな点がある。


「それにしてもいい子だね。ジーニャちゃんはさ。どうしようもなく鈍臭い息子がこんな綺麗で素敵で優秀な女の子連れてくるなんてね。それでなんだっけ?勇者っていうのに就職決まったらしいじゃんか」


そのキーワードで今までの記憶が蘇った。手の甲の紋章。王様からの任命。酒場での散財。そして、スライムとの激戦...そうだたしかあの後俺は家に戻ることにしたんだ。まだ息子が勇者であることすら知らない我が母にそれを報告しようと。そしたら家に帰った途端いつも通りすぎて忘れていたんだった。


「仕送りなんてしないからね、こんな綺麗なお嫁さん貰ったんならもちろんその勇者ってのは儲かるんでしょうね!」


「母さん、まず勇者はジョブっていうか、、別に誰かから給料貰うわけじゃないよ」


「じゃあなんなのよ!ニートなの?ヒモなの?カスなの!?こんなお嫁さん貰っといてそんなの許さないからね!」


「許さないからね!」


先ほどからずっと気になってはいたがいよいよ突っ込む時がきた。


「おい!ジーニャ!なんでいるんだよ!あと、お嫁さんじゃねえーだろ!否定しろよ!」


「ジーニャさんあなたとってもいい子。だからね、こんなろくでなしに嫁ぐなんて今からでも考え直したほうが良いわ!」


「いえ、お母様。私はこの方と共に過ごすことを決められた宿命でございます」


「否定しろ!ややこしい。それに母さん!勇者はヒモじゃない!この世界の魔王を倒すために俺が選ばれちゃったの!王様からの勅命なの!」


「ああ、あれ取り消されたわよ」


「そう!取り消されたのだからヒモなの!!.....は?」


「さっき言ったじゃん指名手配だって私たち王様に怒られてるのよ」


話をまとめるとどうやら先日のスライムとの一戦を街の住人に見られていたらしい。元々、自分があげたお金を勇者が酒に使いまくったという話は聞いていたが勇者とは時にそういうものかと堪えていた王様。しかし、スライムに苦戦していたという話を聞き堪忍袋の尾が切れた。王様はすぐさま御触れを出し勇者とその仲間の魔法使いを自分の前に出すように命令したそうだ。


「それが昨日の夜の話。そしてそれを私がこうして伝えに来たってわけ」


爽やかな朝が嘘だったかのように気分が悪くなってきた。


「ちなみにお金は2人合わせて10000ユウちゃんが7000で私が3000」


「ねえ、7000ちょっとこのロープを体に巻きつけてくれない?」


「てめえはそれでも母親か!まずいそろそろ町中が起き出すこ頃だ」


「とゆうより放送を使っていいのが朝の10時。おそらくそのタイミングで放送するでしょうね。その10時以降私たちに居場所なんてないわよ」


荷物はすべてある。王様からこの町から今後出る時に使うがいいと貰った馬車もこの家まで持ってきている。時間はあまりない。後は、俺自身がこの生まれ育った町から旅立つ覚悟をするだけだ。


「あんた、ほら持っていきな!」


そう言って渡されたのはお金が入った袋と昔、木を切るからとおつかいで斧を買いに行ったがこっちの方がカッコいいと俺が買った初心者用の剣だった。使うわけないと倉庫の奥にしまってあったのを今、急いで持ってきてくれたらしい。


「いいかい!母さんからのアドバイスだ!なんでもド派手に決めなきゃだめだよ!何するにしたってド派手にだよ!」


家から出ると同時に放送が始まった。

 

「勇者一行に告ぐ!王様はそなたらの行動に大変お怒りだ!今すぐ王様の元にくるがいい!拒否するようならそなたらの首に賞金をかけた!他のものが力ずくで引き摺り出すだろう!繰り返す。そなたらの首には10000の賞金がかかっている!」


俺とジーニャは急いで馬車に乗り込みそのまま町の出口へとダッシュする。


「いたぞ!10000だ!!」


続々と家から出てきて最後には大きな1つの集団との競争になっていた。


「てめぇこのやろう!お前酒場で一緒に飲んだやつじゃねえか!ふざけんな!勇者でいくら得しようってだよ!二毛作か!!」


目の前。町の門が直前だったが回り込まれた。今追いかけている集団と同じ数の人々が大きな壁を形成していた。


「くそ!スピード下げたら間違いなく捕まっちまう。どうしたら...」


悩んでいるとジーニャがおもむろに立ち上がり両手を前に突き出した。


「あんたの母さんのアドバイス通りド派手にいくよ!そもそもこいつら私らの金で酒飲んでんだからなにしたって罪悪感なんか一切ないわ!」


「はあああああああ!!!はあ!!」


風の呪文だった。2つの手からまるで竜巻のような物を一本ずつ操り馬車の通行の邪魔になる人々を思いっきり吹き飛ばした。


(これ、勇者っていうか人としてもうアウトか?)


「てれてれってってってー!!」


「いや、流石にレベルあがっちゃダメだろ」


こうして彼らはモンパの町を飛び出した。勇者の任命を撤回し、指名手配したということは彼らは既に勇者パーティーと呼んで相応しいのかは分からないがそこに彼ら自身が気づくことはしばらくなかった。

彼らの冒険は続くのか?

彼らは世界を救えるのか!?


冒険の書


場所 モンパ平原 仲間 ジーニャ 残高 50


残高50?


「いや、あの感じでたったの50!?」








これあれですね、勇者パーティじゃ無くなったので完全にタイトル詐欺ですね、まあでも勇者ってきっと心の持ちようなのでいや、心が1番勇者じゃないのか。どうしましょうかね。まあいっか。きっとここから覚醒します。キガデイン使うんでしょきっと。

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