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第14話 魔女ニャイナ

この世界の魔女でも普通に生きていくことも厳しいということなのか?


「お‥‥お な か が減った‥‥」

そんな行き倒れている少女に俺は声をかけた。

「大丈夫か?」


「うぅ‥‥ 大丈夫じゃニャイって~…… うッ」

谷から響く音の正体 それは

ぎゅるる~! とこの子の大きなお腹の音が谷でやまびこしていたのだ。



それにしてもこの状況‥‥‥


人と関わることはやめようと決めたばかりだが、やはり放ってはおけない

「ちょっと待ってくれ えーと……」

俺の持っていた荷物の中をあさり、おにぎりを取り出す。

「ほら、このくらいしかないけど…!」


挿絵(By みてみん)

「ニャニ!!?」

少女は灯が消える寸前だったのような顔を浮かべながらおにぎりを見つめた。

何とか閉じかけていた目を大きく開けて、ようやくおにぎりを理解した。


じゅるじゅるとよだれがたれ落ちながら勢いよくかぶりついた。


「よっぽど腹が減ってたんだな」


むしゃむしゃとあっという間に全てのおにぎりを平らげた少女は手を前に出した。

「なに?」


「おかわり!!」


「いや… もうないんだ。君、俺の分まで食べちゃったから」


「え?! ……」

その子は目にも止まらぬ速さで土下座した。


「申し訳ございませんでした!!」


「え、ちょ… いいって もうないし、済んだことだし… なんかそこまで謝られたら」


「いやいや、貴重な食べ物を全部食べてしまって申し訳ニャイです」


土下座はおさまらなかった。

うーん。どうしよ…


「何かお礼をしたいのですが」


「いや、いいよ。気持ちだけ受け取っとく。…もうこれ以上は俺には関わらないでくれ」


この子を置いて先へ進もうとしたが


「ちょ、待ってくださいよ。私の気がすまないんです」


「いいよ。俺のことはいいから とにかく―――離れてくれ。このまま一緒にいたら君、死ぬことになるよ」


離れてもらうために脅し文句で言ったつもりだったのだけど


「君じゃない! リリーナ・ニャイ・グレイハットです」


「―――ちょっと待ってくれ 話聞いてた?」


「あ、長いからニャイナって呼んでください」


ダメだ 話を聞いてくれそうにない。


「わかった ニャイナ、もう一度!! 言うけど俺には関わらないでくれ」


「ぬぅう!! 恩を返すまで無理だよ~ グレイハット家の名が恥じる」


「そうか。どうしてもダメなら仕方ない。俺は先へ行くから」 

俺は険しい崖の方までわざと歩いて行った。ここなら着いて来れないだろうし


「え!! 待ってくださいよ!! ちょ」


「じゃぁ元気で――――」

険しい崖を心錬成で剣の足場を作り、下へ下へと崖を降りていく。



「ふぅ」

こんなに急ぐのは久々だ。

子供の頃、颯太と鬼ごっこした時以来な感じがするな。


「―――! あれならもう少し早くいけそうだ!」


崖下へ到着する前に近くの木へと飛び移った。


忍者が移動するように木から木へと飛んで、より一層ニャイナを引き離した。


少し大人気なかったかな? 

でも、こうでもしないとあの子着いてきそうだしな。

「とりあえず方角を確認しないと」

一息ついたその時だった。


「……どうしたんです? はやく行こうじゃないですか」


「え?」

すぐ後ろを振り返るとニャイナがいた。

「どうやって?」


ん? ととぼけた顔しながら

「はやくはやく」

とせかされる。


結構本気で置いていくつもりだったのに一瞬で追いつかれたことに俺は動揺していた。

こんな子に追いつかれるなんて、……やっぱ世界は広いな。

実感した。


けどそんなこと言ってはられない

はやくこの子をどうにかしないと危険(成神)に巻き込んでしまう。


それからも走っては飛び、隠れたが

何をしてもすぐ追いつかれる。

夜になり観念した。


ダメならすることは一つ。

はやく恩を返してもらって離れてもらうことにした。


「とりあえず、恩を返したらすぐ元居た故郷に帰ってくれよ?」


「はい! わかってますって。ニッ」


ホントに分かってるのか? なんか笑顔からしてすぐ忘れそう。


「あ、お名前はなんてお呼びしたらいいですか?」


「俺の名は討間 得ト  エルトでいいよ」


名を聞いたニャイナは手を上に挙げて彼女なりの了解ポーズを表現した。

「わーーかりました!! エルトさん宜しくお願い致します!」


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