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第10話 ルブレカ王国


もう少しでルブレカか‥‥







ルブレカ内ではアザルドが巨人を従えていると長年思われ続けていたが、それがまさか、ただ一人のサイコパスによる者の仕業だったとは… 真実を知るものは多くない。



第三次アザルド・ルブレカ戦争によりルブレカ王国は多くの兵を失い衰退し幾度も戦争に負け、兵も金も大量に消費した

他にも原因はありそうだが、話に聞いたルブレカ王国は昔と違い現状は勢いがなくなっていた。


それでも誇りや伝統と言ったものがそれを許してはいなかった。


城の守りを固めて巨人を目の当たりにしていない兵士達の血の気の多さは健在だ



俺は国を囲む門の前へ到着した。

まさに要塞と化したルブレカ国。


挿絵(By みてみん)



簡単には中へ入らしてもらえないようだ。


「なぜここを通してくれないんですか?」

俺は王国の門の前で兵士達ともめていた。


「他国民を通す義理は俺を含め、ここには誰一人ねぇんだよ。命があるうちにとっとと帰りやがれ!!」


ルブレカ王国の門に到着した俺は、門前払いをくらった。

「はぁ…… 」

どこか別の所から入るしかないな‥‥


別ルートから侵入を試みようと兵達に背を向けた時、門を守る兵から矢が放たれた。

命を遊びの道具としか思ってないような連中からしたら、ただの暇つぶし程度に矢を放っただけなのかもしれない。


そんな軽はずみな行動が成神ナルガの感に触れたようだ。


いや、それ以前に機嫌が悪かったのか、ただ外に出たかっただけなのか‥‥

有無も言わさずに体の主従関係が入れ替わる。


放たれた矢を成神ナルガは掴み取り、分かるようにへし折った。

「下賤な者どもだ。戦意なき者に力を振るうなど、程度がしれよう」


ただの気まぐれで兵達が死んでしまう。

そんなことはさせたくない、なのに体は言うことを聞かない。


成神の言葉を受けた兵達は直ぐに頭に血が上り突っ込んできた。

「!!―――なんだと貴様! 俺達ルブレカの兵を侮辱するか!!!」

挑発に門番の兵士達が次々と怒り、声を荒げた。


門の上で暇を持て余し、見物していた兵も門を開け出て来た。


次々と門から馬に乗った兵達が七人、成神に向かってやって来た。

「きさま どこの者だ? さながら世間知らずのアザルド民だろな」


取り囲む兵達に成神は動じない

「いや」


容姿をマジマジと見ていた兵の1人が何やら気付いた。

「おいコイツ―――」

それに反応した仲間の髭面兵がまじまじ話を始める。

「このおかしな格好。ジェルタのやつらじゃねぇか?」



聞き慣れない言葉が出て来た。

――ジェルタ? ……



「こいつらは怪しげな魔術を使うから気を付けろ」


その言葉を聞いた兵達だが、聞く耳持たないという感じ剣を腰から抜いた。

「あぁ?! 何言ってんだ。こんな鎧も兜も、ましてや剣もない野郎にビビることはねぇよ!」「そうだ! 腰抜けは黙って見てろってんだ。迷信なんか信じやがって!!」


兵の男は剣を振り上げた。

だが成神ナルガに向け振り下ろした時には、腕は横にいた仲間の兵の胸に突き刺さっていた。

「グッぶっ…ぇえ…―――腕?」

「ぎやぁぁあああああ腕がッぁあああ俺の!!」


笑みをこぼしながら成神ナルガは問う。

「その程度で慌てるな。ソルト(ゴミ)。先の話、詳しく聞かせてもらおうか」


兵達はパニック状態だ。成神の声等頭に入るはずもない

「こぉこいつ!! やりやがったな!!! ―――殺せぇぇぇえええ!!!」

バシュ! と命令した男の横にいた二人の首がねじ切れて地面に転がり落ちた。


「え… ちょ ま !!! ななな、に何が!?!」

コーラを振って開けた炭酸のように血が溢れて出る。


「さて、おれは気が短いのでな。はやく答えなければ手足が全てなくなるぞ?」




「ひぃいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃい!!!」


成神ナルガは力技で情報を仕入れた。


「こ、こ、これで見逃してくっぎゃぁあぁああああ!!」

トドメを兵に指した成神ナルガは満足したように俺と入れ替わった。


転がる無惨な兵の死体を見ながら俺は考えた。

一体どうしたいんだ?


今回の成神の行動の結果、無事と言ってもいいのか中へ入ることはできた。


門は兵不足、中は何やら騒がしい。

こちらに兵をさく余裕もないのか、今も門が開きっぱなしだった。

「追っ手もなしか…」


中へ入ると街が違う意味で賑やかだった。

「なんだ? 慌ただしいな」



街の人達が城の方へどんどん集まっていく。

側から見ればパレードのようだが、そんな雰囲気ではないよな‥‥


俺は一旦、街の人から話を聞いてみた。

「すみません。あの… 今から何か始まるんですか?」


「あ? … あんた外の人か? 珍しいな――」


「はい、今さっき着いたばかりで」


「それなら知らねぇか。…今、この国ではあの残酷な王を玉座から引き下ろすために俺達民衆が立ち上がって城に集まってんだ。あんな王に… くッ。息子も先の戦争で死んじまったんだ もううんざりなんだ!! 俺達民衆の限界だ!」


やはり内情は不満が募っていたか‥‥


「あんたもはやくこんな国から出会った方がいいぞ こんな国できれば関わらない方がいい」

彼はそう言って皆が集まる城の方へ走っていった。


要するに、独裁体制の王国はアザルド国に三度も負けたことで経済状況が悪化。

それにより不満が爆発して国民の反発が起きた、と言う訳か

「……」

他の大勢の人達も、よそ者の俺に目もくれず城へと向かっていく。


巻き込まれる前に出るべきなのはわかってはいるが‥‥


ん? あの子は‥‥

「君 大丈夫か その怪我は」

腕に怪我を負った子供が城へと向かおうとしていた。

「大丈夫 ほっといて」


「そんな怪我しといてほっとける訳ないさ」


俺は持っていた物でなんとか応急処置を施した。

「なんで、そんな怪我を負ってまで城へ行こうと?」


「そりゃ 巨人を殺してもらうためさ!」


「巨人?」


「アザルドのやつらの巨人さ 僕の兄はこの前の戦いで殺されたんだ」


「そうだったのか‥ でも、もう巨人はいなくなったはず」


「いや 巨人はまた出てくる その時、絶対に仇を打ってもらうんだ レドニカルに」


「レドニカル?」


「王の右腕さ! レドニカルは凄いんだ! なんたって雷さえも真っ二つにできる王国最強の剣士なんだから」


「凄いんだな レドニカルって人は」


「凄いってもんじゃないさ だから僕はそのレドニカルに頼みに行くんだ 巨人を討伐してもらうように」


「‥‥‥」


「何か言いたそうだね。 あ、そっか、そんなに凄いなら既にレドニカルが巨人を討伐していてもおかしくはないんじゃないかって? レドニカルは王の右腕だから 王は城から出ないから 巨人が、城にでも来ない限り戦えないのさ」


「その人に頼みは聞いてもらえそうなのか?」

大人げないとはいえ、遠回しに諦めてもらうよう言ったのだが


「頼みを聞いてもらえるまで僕は通うつもりさ じゃね! お兄ちゃん これ(怪我の処置)ありがと」


そう言って男の子は城へと向かって行った。


「‥‥ やっぱ気になるな」

行ってみるか


城の正面は民衆と警護兵の衝突が激しいため裏の塔から様子を確かめた。

「あの子は無事だろうか‥‥ 巻き込まれてなければいいんだけど」

所詮は他人事

そんな風に思ってしまう‥‥

アルの件で、人と深く関わりあいになるのが臆病になっている自分がいる。

だから、最後まで責任をとれる覚悟ができない


「いつから俺はこんなに弱く‥‥」



王がいる城の前には、大勢の人達が押し寄せて更に激しい暴動が起きていた。

少ない兵士達もそちらに周り、民衆をなんとか食い止めていた。


この国自体の問題を解決しない限り、あの子は報われない。


いや、

俺には関係ないことだ


もう、人と関わるのはーーーー


その時、ドクン! と心臓が高鳴った。


成神ナルガにより、またしても体の主導権が入れ変わったのだ。



「さて、―――行くか」





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