戻らない日々
今回は少し主人公の過去について書きました。
一生懸命書いたのでどうぞお楽しみください。
「『 』、あまり無理しないで。」
白い部屋の中、その部屋にあるベットの上に彼女はいた。さっきまで静かにリンゴの皮を剥く俺を見ていた彼女が微笑みながら、ふと聞いてきたのだ。
俺は、彼女の微笑みがとても好きだ。微笑んだ瞬間の彼女の顔は、子供のような無邪気な顔でもあり、またそのなかにも、大人の女性をイメージさせる秘められた美があった。おそらく俺は、彼女のそんな笑顔に惚れたのだと思う、いや思うじゃないな、完全に惚れたんだ。今では、彼女の動きひとつひとつが、たまらなくいとおしい。
しかし、今の彼女の微笑みは、底しれぬ不安に駆られたような、とても弱々しい笑顔だった。
「急にどうしたんだレイラ。」
そんなレイラに、俺は軽く微笑み返してやると、冗談をいうようにそう聞いた。
するとレイラは、さっきまでの微笑みでわなく、俺の身を案じるかのようにいった。
「なんか、『 』が、どこか遠くに行ってしまう気がして。」
「馬鹿だなあ、そんなわけないだろう。」
「でも!。」
そのあと何度もレイラは、引き下がらず、「でも・・・。」と続けた。
だんだん面倒になってきた俺は、右の拳を小指だけ立ててレイラに突き出した。
そして、できるだけ優しく
「ほれ。」
レイラは、??という顔をした。そこで俺は、恥ずかしさをグッと抑え言葉を続けた。
「俺はレイラとずっと一緒にいる、そしてお前の体も元に戻して、きっと、きっと、お前を幸せにする・・・・・・だから・・ゆびきりだ。」
俺の顔は、これ以上内くらい真っ赤だったと思う。対してレイラは、しばらく呆然としていたが、突然
「ふふっ。」
と、笑い出したのだ。
「な、な、何で笑う。」
これ以上ないくらい赤くなっていた俺の顔はさらに赤くなり、もう蒸気が出るのではないかと思った。
「だって、ふふ、悪魔がゆびきりって、いまどき人間でもやらないわ。」
「そんなに・・・いやか・・・。」
俺は、捨てられた子猫のような気分だった。でも彼女は
「でも、あなた一人にすると心配だから、やってあげてもいいわ。」
「偉そうだな。」
「あら、そんなこと言うと、やってあげないわよ。」
「いえ、ぜひともお願いしますレイラ様。」
そして俺たちは、ゆびきりをした。
俺はズルイ・・・・・・
・・・守れないとわかっていたのに・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・もう後戻りはできないと・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・わかっていたハズなのに・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だって俺は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・俺の手は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 赤い・・・あかい・・・・紅い・・・・紅い紅い紅い紅い紅い紅い紅い紅い紅い紅い紅い紅い紅い紅い紅い紅い紅いああああああああああああああかかかかかかかかかかいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・紅い血で汚れているから・・・・・・・・・・・・・
今回は、少しシリアスになってしまいました。
本編にある『 』は、これからの物語で出て来る主人公の・・・・・・・・・・・
というのは、これからのお楽しみです。