『路地裏の出会い』~俺の人間としてのファースト・・・~
名前募集中。
~健一~
「ん、んん」
俺が目を覚ますと、知らない天井・・・・・・すいません。白い天井が見えた。体には包帯が巻かれ節々が痛む。そして何より気になるのが、俺の右手をつかむ暖かい手。
間違いない、俺が気を失う前に助けた子だ。
「君は」
「あ、お、起きたのですか?!」
あれ?なんかさっき会ったときと印象違う気がする。
「さっきは、助けていただき、あ、ありがとうございました」
何だろう?何が違うんだろう?・・・・・・
「えっと・・・その・・・・」
なんかモジモジと、変な仕草をはじめた。
わかった。こいつの違い、こいつ、さっきと比べてなんかやわらかいって言うか、とげが無いんだ。顔赤いし。
「お礼がしたいのですが・・・・」
御礼をしてくれるらしい、でも別にいらないのにな・・・。
「いや別に・・・なんか、結果的に助けられたみたいですし」
おそらくこの子が、魔法かなんかで運んでくれたのだろう。ここはお礼をしておくべきだ。でも厄介だなあ、1度病院に来てしまったからには、怪我を目立たない程度に治すこともできない、怪我の具合がおかしいと、いろいろ調べられかねないからな。
「目を瞑ってもらっていいですか?」
「いいよ」
なんか反射的に閉じてしまった。でもなんだろう?お礼で目を瞑れって・・・・それはいいとしても、こちらに向かうものすごい足音が聞こえる。
ドドドドドドッ
俺はいろいろ気になって・・・・・・・目を開けてしまった。
その瞬間開かれるドア。そして、唇にあたる柔らかい感触。目の前の少女の顔。
「す、すいません!部屋間違えました!」
入ってきたのは美琴だった。でも、なぜか俺だと気づかなかったみたい・・・・・眼鏡がないからか。
そんなことはどうでもいい!なにこの状況、さっき一瞬だけあたった感触って・・・・・。
「それでは失礼します!!!」
「あ、あの」
名前聞こうとしたら行っちゃった・・・・・。
俺は眼鏡を魔法で出しかけた。丁度そのとき再びドアが開く、美琴が戻ってきたらしい。
「ここで間違えないはずなんですけど」
「よう」
俺は片手を上げる、なんだか鳴海の目が怖い。いやな予感がするのは、俺だけだろうか?いや違う、今の鳴海は死神の目だ。
「あらあら、健ちゃん元気そうね」
笑ってるのに、何でこんなに怖いのだろうか?なにこれ、前にもこんなことなかったっけ。
「銃声に驚いて中に入ったら、あんた血だらけ、周りも血だらけ、挙句の果てにあなたは、逃げる。どんだけ心配したと思ってるの」
鳴海も心配するらしい、ぜんぜん平気だけどね、俺死なないもん。
「心配した罰にまず一発」
鳴海がにじり寄ってくる。
怖い、助かる気がしない。俺がんばったのに!なんか理不尽だよ!!
「鳴海、だめだよ。浅野君はまだ怪我してるんだよ」
・・・・・美琴が女神に見える、きっと目の錯覚なんかじゃない、彼女は正真正銘の女神だ。
「直ってからにしてね♪」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・前言撤回、彼女は悪魔です。
それから、魔法治療や俺の回復力で、半年といわれたのを1ヶ月で治した。
そのあと鳴海にぼこぼこにされたのは、言うまでも無いだろう。
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