『俺が人質!!』~ゲーム~
短いです
「気の強いお嬢さんだね、でも君は引っ込んでてくれないかな」
山田はかなり不機嫌だ、やめろ鳴海、今のお前じゃ叶わない。俺がどんなに心の中で忠告しても聞くはずはない、直接言っても聞かないのだから。
「あんたの言いなりになってたまるもんですか!!質問に答えなさいよ!!人の命・・・なんだと思ってるの!!」
こいつはどこまでバカなのでしょうか?俺がせっかくこいつらの注意を引き付けていたのに、余計なことをしやがった。仕事が増えたよ・・・・。
「おもちゃ」
そんな俺の思考の最中、どうやら山田が鳴海の質問に答えたらしい、でもそれはさらに鳴海をイラつかせる返答だった。
「おもちゃ・・・・」
「そうおもちゃ、使いきりの、いくらでも湧き出るおもちゃだよ。」
「あんた本気で」
「本気も本気、まさに命こそが理想のおもちゃだよ」
山田はまた笑い出した、手を大きく広げ高く笑う、仲間と思わしき男10名も一緒になって笑っている、はっきり言うと気色悪い、どっかのアニメで『あはは』『えへへ』と笑うのよりも気色悪い、もうやめてほしいね。
でも今の状況はちょっとまずいかな、おそらく山田はそろそろ鳴海を目障りだと思ってくるはずだ、このままでは鳴海やほかのみんなの命が危ない・・・・・・?俺は何を考ええてる、別にこいつらが死んでもいいんじゃないか?逆にせいせいするじゃないか。なのに俺は何で助けようなんて考えてるのだろう?
俺は銀行の天井を見る。白い・・・・俺は償いたいのかな?時折考えてしまう、考えまいと思っても思い出してしまう、何で俺はここにいる、そんな資格はないのに俺がいるからみんな不幸になるんじゃないのだろうか?彼女だって、結局は俺の我がままのせいで呪縛から逃れられなくなっているじゃいか。
『パン!!』
それは突然だった。山田が拳銃を撃った、何の前触れもなく、無表情で無機質に淡々と。
俺は驚いた、鳴海が打たれたのかと思った。でも実際は鳴海の首あたりをすり抜けただけ、少し髪が切れたがそれほどでもない。しかし、山田の目は本気だった、次は当てる。そんな決意のある目だった。
「お嬢さん・・・・・もう死んでよ・・・」
「ひっ!!」
鳴海は動けない、腰が抜け一歩も動けない。鳴海はこんなにも弱弱しい少女だっただろうか?いつも活発で、俺のことすぐ殴って、でもみんなにはモテモテで、そんで・・・・そんで・・・・・。
見捨てることできるのか?
助けられる、俺なら助けられる・・・・
彼女を助けられなかったとしても、今目の前にある助けられる命まで、見捨てていいわけじゃない。
もしかしたらただ罪を償いたいだけなのかもしれない、でも、それでもこの目の前の命を救えるのなら・・・・・
「山田さん、待ってください」
「なんだ?小僧」
そうとう頭にきてるなこれは、本当に余計な仕事が増えた、今度飯でも奢ってもらうとするか。
「そんな奴相手にするより俺とゲームをしないかい?」
これはおそらく危険なゲームになる、命ではなく、『浅野健一』、彼の存在をかけたゲームに・・・。
次から始まる『ゲーム』、いったいどんなゲームか期待していてください。
ただの感想でもいいのでお待ちしています。