表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/51

『ナイツ?新しい生活』の章6

~健一(アッ君)~



「こちらに戦う意思はない。刀を下げろ。」


ありきたりな言葉、こんな言葉だけで刀を下ろすとは思えない、だからさらに言葉を続ける。


「俺は悪魔落ちだ。」


「なに?」


悪魔落ち、エクソシストになるなら、必ず知っている言葉だ。

エクソシストは、悪魔を殺すための組織であるが、悪魔落ちを殺すことは、固く禁じられている。それは、悪魔落ちがあまりにも弱い存在だからだ。舞香は一度美琴に目を向け


「・・・・・・。」


おとなしく刀を仕舞う。簡単に俺の言葉を飲み込んだ、普通は疑うと思うかもしれないが、エクソシストの特殊能力に、契約のパスを見ることが可能になる能力がある。この能力で契約者同士のパスが直接見え、俺と美琴のパスを確認したのだ。悪魔落ちは悪魔と違い、パスが薄いため、悪魔落ちを判別するのに便利なのだ。ちなみに人間バージョンの俺と美琴のパスは、美琴が俺を呼ばない限り、パスは遮断されるためばれる心配はない。

舞香が刀を下げたところで、また歩みをを進める。


「どこへ行く。」


「食事だよ。俺はあまり好きじゃないが、こうでもしないとすぐに死んでしまう。」


そしてもともと背中を上に倒れている悪魔に近づく。そして羽を掴み・・・・・一気に引く。


「きゃっ。」


その酷い光景に美琴は目をそむけ、鳴海は短く悲鳴を上げる。その中で舞香だけが、冷静にしている。

俺はいつものように、それをビー玉くらいの大きさにして、食った。


「食事は終わりか。」


悪魔はとっくに消え去っていた。


「ねえ。説明して。」


それを待っていたかのように、鳴海が質問してきた。


「マスター。」


「無視しないで。」


鳴海が半分怒ったように言う。でも今はさきにやることがある。


「マスター。命令を。」


さっきから美琴は怪我をしたナルシストばかりを気にしている。


「え・・・・!そうだ、シン君の怪我を治して。」


前の悪魔と今の悪魔で、俺の寿命はだいたい200年位になっている。そんなことお茶の子さいさいだった。


「オーケーマスター」


俺はすばやくナルシストを美琴の近くに移動させ、治療ピアをかける。傷はみるみる癒え、今は眠っている。ここまで驚きながらも、静かに俺の行動を見守っていた鳴海が、もう我慢の限界とばかりに俺に質問の雨を降らせた。


「まず、なんで美琴が悪魔と契約してるの!」


はじめからすごいテンションで質問してきやがる。俺が答えようとすると、美琴がそんな俺を、自分の手で阻止し、自分が答えると、目で合図をしてきた。マスターの命令は絶対だ、別にどうしても俺が答えなくてはいけないわけではないので、黙ることにした。


「アッ君はね、今の鬼と同じような・・・」


「まて。」


話し出した美琴を止めたのは、舞香だった。


「さっきの生き物は、鬼とは違う。」


「え?」


美琴はやはり気づかなかったようだ。対して鳴海は、おそらくうすうすは気づいていたようだ、思ったよりも落ち着いている。


「さきのようなものは鬼ではなく、悪魔だ。」


「悪魔・・・。」


そう呟きながら美琴は俺を見る。

やめてくれ、その『知ってたでしょ』みたいな視線。


「それだけだ、続けろ。私も聞く義務がある。」


それはそうだ、なにせ下界の悪魔を取り締まるのがエクソシストの仕事だからな。


「わかりました。」


それでは改めましてと美琴が話し始めた。


「アッ君は、あの悪魔に襲われて、瀕死の状態の私をを助けてくれて・・・・・・・」


それから、美琴は自分が知っていることを必死に話した。まだ契約して間もないため、あまり詳しくはわからないところもあったが、鳴海も舞香も根が優しいのだろう、それで許してくれた。

その間俺は暇人、草むしってました。そして、美琴への質問タイムが終わり、今度は俺からの質問タイムがやってきた。

感想・ご意見待ってます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ