表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/51

『俺が契約!!』の章~契約~4

『俺が契約!!』の章~契約~ラストです。

来るべき衝撃はやってこない。そのかわり


「食わないって。」


なんかテレビの被害者みたいな声で話しかけられた。あのモザイクみたいな声で。

そして彼は私の頭に手を置き


「怖かったな。」


優しく撫でてくれた、つい赤くなってしまう。


「なんで、食べないの。」


つい気になって聞いてしまった。すると彼はため息を尽き


「そんなに食われたい。」


と聞いてきた。もしかして地雷を踏んだんじゃ。


「ごめんなさい。」


「必要ないの。」


「え?」


彼の言った意味がわからなかった。必要ない?なんで?


「さっき、あいつ食ったの見てたろ。」


「はい・・。」


やっぱり食べてたんだ・・・


「俺はあいつみたいのを食えば自分の寿命は確保できるんだ。」


「寿命?」


私には彼の言っていることがわからない。寿命?確保?

そんな私の様子に気がついたのか、彼はめんどくさそうに説明し始めた。


「何で悪魔が願いをかなえた人間の魂を食うか知ってるか。」


「・・・知らない。」


知るわけない。ていうか、取るんじゃなくて食べてるんだ。


「そうか。じゃあそこから説明するか。」


そして彼は話し始めた。悪魔と契約すると魔力が共有されること、願いをかなえる代わりに代償を取られることも。


「なるほど。」


・・・・・・・・・・


「てっ!それじゃ私も代償取られるってことじゃないですか!。」


そうだ!なんか流れに任せて返事したけど、私このまま代償を取られちゃう。


「安心しろ。俺は何も取れない。」


彼はあきれた様に言う。


「取れない?どうして?。」


そうだ。なぜ彼は取れないのだろうか。


「俺は『悪魔落ち』なんだ。」


『悪魔落ち』何だろうか。言葉から考えると、悪魔から落とされたという意味。


「そのままの意味だ。俺のような悪魔落ちは人と契約できても、魔力の共有や代償の受け取りはできない。」


「なるほど。今度こそわかりました。」


彼の説明でやっと私は自分が生き残れたことを実感した。でも気になることがある


「ねえ、なんであなたは悪魔落ちになったの。」


「・・・・・。」


「言いたくないならいいの、ちょっと気になっただけだから。」


「すいません。マスター。」


どうやら聞いてはいけない事らしい。彼は、本当にすまなそうにしている。

はじめは怖かったが、鎧の間から時々見える彼の目はとても優しそうだ。そのとき私は彼の名前を聞いていなかったことに気づく。


「ねえ。」


「なんだ。」


「あなた、名前は。」


「名前は・・・・ない。」


「ないの。」


「マスターがつけてくれ。」


「私でいいの。」


どうやら彼には名前がないらしい。そして付けてほしいらしい。

とても迷う、どんな名前にしようか。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  



~健一~



不覚だった。まさか名前を聞かれるなんて。ここで浅野健一と答えるほど俺も馬鹿じゃない。そこで名前を付けてもらうことにした。俺ってば天才・・・・・・・・と思ったのだが。どうやら選択を間違えたらしい。


「アッ君ぅん?」


「そう、アッ君。悪魔のあでアッ君。」


「でも、その、あれ。」


「マスターの命令よ。」


ぐっ。すっかりマスターという立場になれたようだ。仕方ない。


「オーケーマスター。」


「よろしい。あと・・・・。」


まだあるんかい!これ以上何をしろと。あんな、あんな変な名前まで付けられて。


「マスターていうのやめない。」


「え?」


「だから。」


「いや、わかった。じゃあなんて呼べばいい。」


「えっと・・・・美琴?」


「『美琴?』じゃねえだろ!!さっさと決めろ!!帰れねえだろ!。」


そうだもう8時をまわっている。そろそろ帰りたい。


「ええ!帰っちゃうの。」


「呼べばくるから。」


「ならいいや。アッ君って呼べばいいの。」


「そう。」


そんなことどうでもいいだろ!今は呼び方!!ってそれもどうでもいいけど


「じゃあ美琴でいい。」


そして俺はやっと帰ることができた。

晩飯食えなかったけど。





サブタイトル募集中。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ