自己紹介
遅れました。すみません。
・・・・・まるで何かに引きずられるような感覚に襲われた。・・・
「ふあぁぁ。」
周りを見わたし、それが眠りから覚めた感覚だと気づく。どうやら俺は寝てしまったらしい。なんだかとても懐かしくて、暖かくて、とても大切な夢を見ていた気がする。まあ思い出せないが。
そしてもう一度周りを見る。どうやらホームルームが終わり一時間目の授業で自己紹介をしているらしい。今は丁度鳴海の自己紹介が終わったところだ。
「次の人は、えーと・・・ルベート君お願いしますぅ。」
あっ今の声は俺らの担任『飯嶋 コトミ』(いいじま ことみ)だ。でも何度見ても子供にしか見えない。こんなこと言ったら怒られるだろうか?。いや、泣き出すと思う。
そんなことより、今の名前どこかで聞いたな。
「みなのもの!よく聞け!僕はルベート・ラル・シン。あの有名な英雄ルベート・ラル・ハールの子孫にあたる。思う存分称えるがいい!!。」
思い出した。あいつはハールの子孫か。・・・・・・全然似てないな。
ルベート・ラル・ハーンは、200年前に起こったマジックボムをその手で押さえ込み世界を救った大英雄である。
マジックボムとは、いわゆるマジックアイテムの暴走だ。下手をすれば世界を破滅させる力を持ったまさに爆弾。
ルベート・ラル・ハーンは、それに立ち向かい、唯一帰って来た英雄。
でも実際の所は悪魔と契約しマジックボムを消滅させただけ。まあ代償は大きかったが・・・。
何でこんなことを知ってるかって?そりゃあ、ねえ。だって契約したの俺だから!!。
意外と簡単だった。まあ俺の魔力を使えばあんなもの。
それはいいとして、ホントに似てないな。顔は別にしても性格が正反対。ハーンはもっと礼儀正しかったのに・・・。
そんな事を考えてるうちに俺の番が来たようだ。
先生に呼ばれ立ち上がる。できるだけ目立たないように
「俺は、浅野 健一。これからここでお世話になります。たくさん友達を作たいので、ドンドン話しかけたり質問したりしてください。」
完璧だ!。さり気なく嫌な印象を与えない完璧な挨拶。昨日一晩中考えた自己紹介、これで目立たない事間違いなしと思うのだが1つだけ弱点がある。
「あの~質問。」
ちょっと怖い顔の男子生徒が立ち上がった。
「はい。」
これがこの自己紹介の弱点、この自己紹介は質問されるのだ。まあ、どんな質問にも見事に答えようでわないか。ワッハッハ。
俺には、自信があった。どんな質問にも、自然に答える自信が。
でも、そんな俺の考えがあまかった・・・・・
「おまえ、河野 鳴海さんとはどんな関係だ。」
俺の思考は、凍り付いた。
俺には、普通の日々は当分きそうにないらしい・・・・・。
まだ新しい機能がよくわかりません。