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真央先輩 選択「友愛と親愛の日常ルート」

短いので二話更新。こちらが一話目……正規ルートです。

○ 真央先輩 選択「友愛と親愛の日常ルート」


 ――私のことを名前で呼んではくれないだろうか?


「え?」


 なんだか、急に美空先輩との距離が詰まっている気がする。

 それと同時に、手に取るように美空先輩の考えていること――緊張していることも解ってしまう。

 ……僕は、なぜこんなにも悩んでいるのだろう。

 ただ、いままで名字だったところを名前で呼ぶってだけなのに。

 僕はいま、どうしてこんなにも、……でも、今にして思えば、美空先輩と関わりだしてから、僕は僕でいられているのかもしれない。

 きっと、日常(・・)がなければ、僕は復讐に駆られた鬼に成り果てていたのかもしれない。


「だから、私のことを名前で呼んではくれないだろうか? こう、名字だと距離を感じてな……」

「い、いえ……でも、なんでそんな急に?」

「あぁ……まあ、そうだな。なんとなく、そうすべきだと思ったんだ」


 美空先輩も要領を得ていないようで、よくわかっていないように見える。

 でも、それは僕もだ。

 どうして、こんなにも悩むことがあるのだろうか。……僕はなにを躊躇っているのだろう。


「――まあ、無理にとは……」

「っ、そんなことはないですっ。で、でも――な、なんだか……恥ずかしくて……っ」


 ああ、そうだ。

 僕は恥ずかしかったのだ。名前で呼び合う関係――一度は憧れた、そんな関係。友だちという、二度と信じないと思っていた関係になってしまってもいいのだろうか? ああ、この人とならそんな関係でいたいと思ってしまう。


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