未央?選択「もうすべてを切り捨てて」
閑話
○閑話 未央?選択「もうすべてを切り捨てて」
――ああ、でも……僕の未来のためにはそんな関係を持ってはいけない。
迷惑をかけられないし、なにより……そんなことをして、僕の復讐心が鈍ってはいけない。だから、僕は美空さんを拒絶するかのように、肩を押しのけて……距離を取る。
傷ついたように、泣きそうな表情をする。――ずしり、と僕の心に傷がつく。でもその傷はより一層、僕の復讐心を増すことになるだろう。
もう後戻りはできないと、そういう意味を込めて――僕は、美空さんを家から追い出して……ネメシア様のところにも行かず……なにもかもを閉ざして、一人孤独に、なろうと努める。
でも、それでいい。
むしろ、甘えすぎだったのだ。孤独になるのだ。
復讐者というものは、古来よりそういうものだろう。
……え? うん、そう。
わたしは、復讐者なのだ。
だから、復讐者らしく――そうやって振る舞い続けよう。僕は、死んだのだ。あの日、虐められて、心はとっくに死んでいたんだ。
だから、わたしとして生きていく。
わたしはわたしとして、復讐者として……ネメシア様すらも利用して、もう後戻りできなくらい生きていくのだ。
「ふ、ふふっ。もう、どうにでもなーれー……うふふ、あはは」
わたしは虚ろな心を抱えて、一人で部屋で笑う。
誰もいない家で、わたしは一人で笑う。……どうしても、笑ってないと精神を保っていられそうになかった。
「あ、……《滅心》使えばいいんだ……あははは、はは……はぁ」
神の奇蹟を使って、精神を安定させようとして……感情が大波のように荒れて、揺らいでいく。
――わたしは、ずっとそうして……学校にいっても、復讐をしても……わたしはずっと一人で感情を完結させていく。
「あ、あはは……あーあ。終わっちゃった」
ついに最後の復讐を終えて、わたしはビルの上でひとり笑っている。
あー、なんだろ。やるべきことをやったというより……こびりついて取れなかった泥が取れたような気分。
「どうしよ……うん、死のうかな」
ちょうどビルの上だし、死ぬのにはちょうどいいかもしれない。
――壮観だなー……
――これが最期に見れるなんて、わたしは運がいいのかな。
「じゃあ、さようなら。もう二度と、生きたくないです☆」
どうせなら、吹っ切れてしまおうと、わたしは一歩踏み出して……この世界というトリカゴから解き放たれるのだった。




