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とって食べたりしませんから


ひと悶着あったものの、あれから普通にお風呂に入り終わり、清々しい気持ちで学校へ向かった。お兄様が私に向ける感情に少し変わりがあったが、深く入り込んでしまったら抜けだけなくなってしまいそうな感じだし、何も気づかないフリをしよう。何も知らない。彼は私の大切な家族だ。


はぁ…下向いてたら頭痛くなってきた。まぁ、当然下向いてたら頭は痛くなるのは誰でも同じだけど。

そういえばあと少しで夏休みだな。夏休みって言っても今までは毎日が休みだったから何すればいいんだろうか。


それに外に長くいると体調悪くなるからプールとか絶対無理だし、海とか論外だ。私は何をして夏休みを楽しめばいいんだろう。せっかく私は高校生なんだから、青春みたいなことしてみたい…と言う素敵発言は出来ないけど、家に閉じ籠っていては暇で仕方がないではないか。


家族旅行とか行ってみたいな。生きている間で家族旅行なんて一回も行ったことなんてない。私の体を考慮してとのことだった。本当、私は周りに迷惑を掛けてばかりだ。


でも、これからも迷惑をかけてしまうだろう。できる限りは一人で頑張りたいけど、人には向き不向きと言うものがある。それに、一人は寂しいと言うことを身をもって知った。

それに、私は今までなにもしてこなかったし、家族には笑っていてほしいのだ。それくらいの人間らしさはある。


だから、お父様、お母様、これからもよろしくお願いします。


…話を戻そう。家族旅行に行けたらいいな。友達とお買い物とか…子供っぽいか。止めとこう。そもそもそんなこと頼める友達がいない。と言うか友達一人しかいない。


ひたすら考えに耽っていたら、いつの間にか時間が結構ヤバかった。急ごう!と思ったら目の前に学校があったけど。

ボーとしながらも私はきちんと行動していたらしい。すごいな私。…自画自賛はやめよう。


エレベーターを使いクラスに着くと、いつもの光景が広がっていた。ここはお金持ちの人ばかりが通う学校だから比較的大人しい人ばかりだけど。

いや、例外がいた。


「亜莎紀さん!!私とじゃんけんで勝負しましょう!」


学園の女神と称えられていた花影さんが、どや顔で勝負を吹っ掛けてくる。声を張って。周りの人は最近可笑しくなった彼女を見て、若干戸惑っているらしいが。


こんな低レベルな戦いをしようと思うのが謎で仕方がなかった。そもそも何で私が彼女とじゃんけんしなければいけないんだろうか。する意味がない。つまらない。


「する必要性が感じられないので遠慮しておきます」


「何でじゃんけんしてくれないんですの?」


悲しそうな顔で聞いてくる。そして分かったことが一つ。花影さんは重度の馬鹿らしい。でもこれは知らなくてもいい一面だったな。それに花影さんが私に構ってくることから前とそんなに変わったことがない気がする。


「正直言ってめんどくさいから」


私はそれだけ言うと、その場を立ち去った。


「あ、碧斗。おはよう」


沢山人がいる中花影さんとため口で話してしまった。まぁ、今さらか。開き直って碧斗に普通に挨拶をする。


「おはよう」


何だか眠そうだな。夜更かしでもしたのだろうか。 


そして下を向いて固まっている黒髪女子を見つけた。下を向くのはおすすめしない。経験者が語るから結構説得力はあると思う。


「文月さん、おはようございます」


「…………………………オハヨウゴザイマス」


中々の小ささだな。目がすごいあちらこちらへと移動している。挙動不審になってしまっているな。笑顔を作ったはずなんだけど。…あ、そう言えば私笑顔作るとすごい悪役みたいになるんだった。なんかすみませんでした。


「お前…文月をとって食べるつもりか?」


「はい、私が悪かったです。笑顔の練習が足りたませんでした。すみません」 


死んだ魚のような目で謝る。目が死んでいるのはいつものことか。


「食べないで下さいーーー!」


半泣きになりながら頭を隠す文月さん。貴女の中で私がどんなイメージなのか分からないけど、恐れられていることだけは分かった。


「もうやめて……」


悲しくなってくるから。



……………………………………


「……であるからして」


キーンコーンカーンコーン


授業の終わりのチャイムが鳴った。今からお昼休みだし、文月さんに会いに行こう。


私は文月さんの席へ向かった。


「文月さん、昨日言ってた話し合い、私としましょう?」


「…………」


無言でうなずいて震えられると…。もう何も言わないでおく。


「碧斗も一緒に来てほしいんだけど」


「あぁ、お前怖がられてるしな」


私は碧斗を睨んで足をかかとで踏み潰した。そ知らぬ顔をしているから多分痛くなかったんだろう。

ランニングしようかなとか思ってたけどめんどくさそうだからやめる。


取り敢えず飲んだらすぐ強くなるジュースとかが欲しい。……そんなことを頭の隅で考えている。

現実逃避はよそう。


私達は、場所を移動した。




お読みいただきありがとうございました。

次は早苗ちゃん視点にするつもりです。私結構更新頑張ってます。この調子で続けていきたいと思います。

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