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隠された気持ちは彼女への…

また途中で視点がお兄様に変わります。


目が覚めると気分もスッキリしていて、早く寝て良かったと思う。意識朧気にお兄様の事を感じた気がしたけど、私はどれだけお兄様の事が好きなんだろうか。ブラコンはごめん被りたいんだけど……。いつまでもボーっとしていてはいけないので、すぐに学校へ行く準備をする。


昨日は疲れててシャワーも浴びず寝てしまった。今日はなんとしてでも入ろう。そう思い着替えを持ってお風呂場へと急いだ。


服をパパっと脱ぎ捨てて、ドアを開けた。私の家のお風呂はとても広くて、銭湯でも開くのかって位広い。お兄様が大のお風呂好きで、色々なお風呂がある。その割に造りは洋風なんだけど。まぁ時間もないしシャワーだけでいいかと思ってる訳だけど。


けど、何かの異変に気づくべきだったのかもしれない。シャーと言う水の音、脱衣室に綺麗に折り畳まれていた男物の服。

そして、朝お風呂に入るとは家族の中でお兄様しかいない!


案の定ドアを開けたらシャワーを浴びているお兄様がいた。


この後の事を考えると頭が痛くなる。なんでこんなめんどくさそうな場面にばかり遭遇してしまうんだろう。もう、これはある意味才能があるのかもしれない。


それにしてもお兄様綺麗だな。白い肌に健康的な体。筋肉はついているけど、マッチョ過ぎない。私とは大違いだ。

蒼白い肌に不健康な体。胸は栄養がいかずCでずっと止まっている。


いや、こんな自分の悲しい個人情報をいっている場合ではない。自分から言い出したんだろって?知ってるわ。

ただの現実逃避ですよ。


まだ気づいていないし、ここはさっと立ち去ろう。現在お兄様が私に気づく確率は五パーセント。さっき計算した。


ではお兄様、さようなら。亜莎紀はここにはいませんでした。


ザァァァァ…キュッ


恐怖の予感がする。もうこれは分かる。私終わった。咄嗟にタオルで体を隠そうとしたけど、時はすでに遅し。


「あっ、亜莎紀?!」


はい、バレた。一瞬見られてしまったがタオルで体を隠す。よく考えれば彼は私の家族でありお兄様だ。精神年齢合わせていいなら私の方が年上だし、こんなに慌てる理由も無かった。


「取り敢えず、出てきますね」


早足でお風呂を後にする。


ツルッ


「あっ!」


ヤバい滑ってしまった。今日は良いことがない日なのかもしれない。私は滑っているのにも関わらず冷静にため息をついた。


ポス


痛く…ない?ある感触は硬い人の肌的な感じのやつ。これは多分お兄様だな。いや、絶対にお兄様だ。若干息が荒いけど、そこはもうノーコメントで。助けてもらったんだし。……ね。


「亜莎紀、良かったぁ。心配だからゆっくり歩いてね。それと、僕もうお風呂終わったし、亜莎紀使っていいよ」 


と笑顔で言ってくれるお兄様。何でさっき自分で自分の目を隠してたんだろうか。あぁ、分かった。今私素っ裸だ。

タオルはとれてしまったらしい。やってしまったな。


「ありがとうございます」


感謝をすると共にタオルでパパっと体を隠す。やっぱり兄弟でも裸を見られるのは少し恥ずかしいな。お兄様は見られても気にしてなさそうだけど。


私はお兄様がお風呂から出ていくとすぐにシャワーを浴びた。時間も危なかったし、今日は遅れられないからね。


◇◆◇


ヤバい、触ってしまった。亜莎紀の体を。いきなり亜莎紀が来たから驚いてしまった。目を閉じていても、亜莎紀の匂いがしたからすぐに分かった。


亜莎紀のは…はだか…を見るのは亜莎紀が幼かった頃くらいだから、大きくなって女性的な体つきになってきた亜莎紀のことを見るのは少々刺激が強すぎた。


肌はスベスベで胸も柔ら…ダメだ。こんなことを考えてはいけない。僕の大事な妹なんだから。


でも、今だ顔の熱が収まらない。


もしかしたら、僕は変態なのかもしれない。妹の体を見て興奮してしまうなんて。うわぁー、ダメだ!落ち着け自分!


こんな部分、亜莎紀には見せられないな。軽蔑の目で見られたらどうしよう。そんなときがくれば僕は発狂してしまうだろう。カッコ悪い兄の姿なんて見せたくないのだ。


僕はこんなにも変態な奴だったのか。亜莎紀に軽蔑されないためにも、これからもっと爽やかなで優しい兄を目指さなければいけないな。



そう、心に決めたのであった。 



妹に向ける明らかな好意にも、自分で気づきながらひた隠し、彼女にとって大好きな兄を演じる。後ろめたい気持ちもあるが、そうしないといけないのだから仕方がない。


さっきだって邪な感情に飲み込まれそうになったが、ギリギリで耐えた。彼女は天才だけど、そう言うことは疎くしたいみたいだから、僕のこの思いを知るには辛いだろう。


もしも彼女に嫌われてしまったらと思うと、怖くてたまらなくなる。ただでさえ今まで余り関わってくることがなかったんだから、余計に。彼女の命が尽きるときまで、この気持ちには蓋をして、彼女が望む兄でいよう。

嘘つきでも構わない。


だって、この気持ちは、どんなことがあっても報われないものだから。


それは、彼女への気持ちに気づいたときから分かりきったことなのだ。これだけはどうしようもない。だからせめて、彼女が笑っていられるように、辛い思いをしないように、心が死んでしまわないように、僕は彼女を支えていく。


僕は腐ろうとも彼女の兄だから。世界でたった一人の。


僕に愛を教えてくれた彼女には、幸せな人生を送ってほしい。生きることにハンデがある彼女に比べれば、この胸の苦しみなんてちっぽけでしかない。


さぁ、また亜莎紀に驚かれないためにも、彼女の貞操を守るためにも、僕はちゃっちゃと着替えようではないか。


「あーあ、何で恋しちゃったんだろうな」


近くでザーと水の音がする中で、僕は小さな声で呟いた。


お読み頂きありがとうございます。

なかなか早苗ちゃんとの話し合いにいかず申し訳ありません。どうしてもこの話を入れたくて……。次は普通に学校へ行きますのでご安心ください。二日連続更新なんて何ヵ月ぶりでしょうか。少しでも面白いと感じましたら、ブクマ、評価等よろしくお願いいたします。感想もお待ちしております!

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