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ヤバい人がやって来た

新連載始めました。「すみません……私、シンデレラじゃなくて毒林檎売りの魔女です。」「争い事が絶えぬ世の中、お嬢様は今日も紅茶をすすっている」よければご覧ください。


文月さんを止めようと走ったは良いものの、それからが駄目だった。私は文月さんを引きずろうと思っていたのに、力が無さすぎて巻き添えになってしまった。


このままでは……落ちる!


かつて私が死のうとした場所で、自殺を止めるために死んでしまうなんてある意味運命を感じる。

私じゃ、碧斗のようにかっこよく止めることなんか出来ないか。でも、何で文月さんは自殺しようとしたんだろう。前の私だったら止めなかっただろうな。


止めて綺麗事が言いたいのか?いや、違う。そんなこと言いたくない。彼はそんなこと言わなかった。…なら、私はどうして止めようとしたんだろうか。


まぁ、そんなこと考えたところで意味もないけど。


こんな私でも生きていて楽しいと思えたし、友達だって出来た。もう、十分なのかもしれない。でも、ここで死にたくない!私は…矛盾だらけだ。まだ助かる方法はあるかもしれない。自殺しようとした理由だって聞けていないし、まだ、未練だってたらたらだ。


私!力を出すんだ!力を!


でも、手遅れだったようだ。私達は、屋上から落ち……てないな。落ちてないどころか私達は地上にいる。つまり、屋上に座り込んでいる。呼吸がしずらくなっているけど、そんなのどうでもいい。


私達は助かった。


振り返えると碧斗が息を切らしながら私の事を睨んでいた。そして察した。碧斗が助けてくれたんだと。いつも彼は私の事を助けてくれる。ヒーローのようだ。


でも、いつから私はこんなにひ弱になってしまったんだろう。少女漫画のヒロインじゃないんだから。

……あ、一応乙女ゲームのヒロインだった。


いや、ヒロインだからってひ弱とは限らない。……悔しい。いつか絶対強くなる。これからランニングでもしてみようか。しよう。私ができる範囲での努力は惜しまない。

でも私はうぬぼれじゃないけどゲームの亜莎紀よりは人に頼っていないと思う。まぁ、それも当たり前か。私はゲームの亜莎紀とは別人だから。


だって、ゲームの亜莎紀はことあるごとにすぐ攻略対象達に頼っていたし。それに比べたら私は全然だ。

むしろ今まで頼ったことなんかなかったから碧斗やお兄様には凄く感謝しなければならない。


必要以上に人に頼ることはしないけど、人に頼らなければいけない時があることも知ったから、皆の優しさを素直に受け入れるのかもしれない。

……でも頼りっぱなしでは格好がつかないのでやっぱりひ弱から脱出しようかと思う。


碧斗が口を開きかけた時、屋上の扉が開いた。

うッ気持ち悪い!そこには見知らぬおじさん。にたっと笑っていて、見ていて嫌になってくる。私は視線を反らした。あの見知らぬおじさんは誰だろうか。


文月さんの知り合いか?でもその線はあまり無さそうだ。だっておじさん見て顔真っ青になってるし。


「逃げたら駄目じゃないか…風月佐奈ちゃん」 


もう一度言う。……気持ち悪い!

なんだこの人。ヤバそうな感じがする。と言う風月佐奈って誰だ?文月さんの名前と似てる。…もしかして文月さんが風月佐奈だろうか。


「あ……ぁ…こっ来ないで!!!」


文月さんが涙目で叫んだ。ガタガタと震えている。


「落ち着け」


碧斗が文月さんを背中に隠した。そして震えている文月さんの手を握った。…珍しい。でも、彼がいなかったら私がしていただろう。なんだろうか。心がもやもやする。


「亜莎紀も危ないからこっち来い」


あれ、もやもやが消えた。気のせいだったのかもしれないな。と言うか、そんなこと考えている場合ではなかった。

このヤバそうな人はどうすればいいんだろうか。取り敢えずお兄様にメールをうっておいた。


「可哀想に…佐奈ちゃん」


ヤバそうな人は私達にジリジリと近づいてくる。


「とっても可愛いのに、周りに怯えて見た目も変えちゃって……。僕さ、探すの凄く大変だったんだよ。…腕の傷は残った?見るたびに、僕のこと考えてくれてる?」


だめだヤバい!こいつヤバい!ヤバすぎる!

腕の傷って言うのは、何か分からないけど、過去にこのヤバい人につけられたのだろうか。どうしてだろう。いや、今はそんなことどうでもいい。今も残っているのだとしたら、それは……。


「やめて!!!貴方のせいで、私は」


「おいで、佐奈ちゃん。僕が苦しみから解放してあげる」


そう言ってヤバい人はナイフを出した。こいつ、文月さんを…殺すつもりだ!


「碧斗…どうしようか」


「あぁ…取り敢えず亜莎紀は大人を連れてこい」


「…わかった」


私はヤバい人の意識が文月さんにいっていることを確認し、なるべく気配を消して屋上から移動した。


いくら碧斗と言えど相手は凶器持ちだ。少しの時間でも命取り。責任重大だ。私が教師のことを苦手だろうと、そんなことに構っている暇なんてない。私は全力で走ることにした。


…足遅っ!…やっぱりランニング、今日からでも始めた方がいいかもしれない。




お読みいただきありがとうございました。

お久しぶりです!長らくお待たせしました。更新頑張ります。感想や質問があれば、遠慮なく教えてください。返事します。

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