保健室でのお話
私はふらふらする体をあの人…いや、花影さんに支えてもらいながらもなんとか保健室に着いた。
「亜莎紀さん、しっかりしてください。もうつきましたよ。」
花影さんが扉を開けると、保健室には森岡先生がいた。
「鈴野さん?今日はどうした?」
いつもなら亜莎紀ちゃんと呼ぶけど、今は花影さんがいるから名字で呼んでいた。
「電車で来て…、酔いました」
森岡先生は凄い呆れ顔になり、花影さんは「あらら…」と可哀想な人を見る目で私を見た。
花影さんはまだしも森岡先生は酷い気がする。
「まぁ…寝とく?鈴野さんそれだけじゃ無いだろ?」
さすが森岡先生。鋭い。私もせっかく保健室に来たなら少し休んでいきたい。休んだら授業に出よう。
「それだけじゃ無いって森岡先生、どう言うことなのでしょうか?」
……森岡先生。言っていいかみたいな視線を向けるのはやめてほしい…。言っていいから。確認とらなくていいから。
「鈴野さんは、初等部からこの学園にいたんだが、体が弱くて通えなくてな。高等部に通うのも本当は駄目だったんだ。けど鈴野さんのお兄さんがなんとか説得してやっと通えるようになったんだ。だからよく俺のところに来るんだよ。無理させたら亜莎紀の短い寿命をもっと縮めるだけだからやめておけよ?」
さりげなく私の名前を呼ぶのをやめましょうよ。何でいきなり鈴野さんから亜莎紀に変わったんですか?
と言うか私の短い寿命ってさりげなく怖いこと言ったよね。私短命なの!?もっと縮むってやめて!
「えっ?でも、亜莎紀の病弱は治ったはずでは…」
「いや、治ってないよ?」
真顔で言うなし
「じゃ、じゃあ、よく学園を休むのは…」
「体調を崩してるからだね」
「あと、君のせいで亜莎紀がいじめられて、そのせいで亜莎紀が病院に入院したのって知ってる?」
「森岡先生っ、それは」
別に言わなくてもいい。彼女よりも上に立ちたいのに、弱味を見せてどうする。
「どう言うことですか?」
あーあ。花影さんが気になっちゃうでしょうが。
「森岡先生、言わなくていいです」
気に食わないみたいな顔しないでくださいよ。…もう、こうなったら……
「私、花影さんと話したいので出てってください」
「扱い雑っ」
「本当に気持ち悪いのでベッド使いますね」
「いや、話さずに寝ろよ」
さっきから先生の突っ込みが入ってコントみたいになってるからやめてほしい。花影さん笑うの堪えてるから。
「……まぁ、いいけどさ…。早くしろよ?俺がコーヒーを入れて飲み終わるまでの時間だぞ」
この人、さりげなく休憩するつもりだ。でも出ていって貰えるのはありがたい。
森岡先生は保健室から出ていった。
「まず、何から話そうかな。…単刀直入に言うけど花影さん。貴女は転生者?」
「…え?」
「私は転生者なの。石城莉鈴って知ってる?」
「それって天才少女で自殺した…」
「私って有名人なのね。それ、私なの」
「あと、私『私が進む花の道』ってゲームを知っているの。シナリオ通りにするつもりはないけど、破滅することはないと思うから安心して。それと、ここが乙女ゲームの世界ではないことを理解してね」
私がそこまで言うと、花影さんが口を開いた。けど保健室の扉が勢いよく開いて、その口は閉じてしまった。保健室の扉の前には、にっこり笑顔のお兄様。
「……ねぇ、石城莉鈴って誰?あとさ…僕寝ててって言ったよね?どうして学園にいるのかなぁ。……全部説明して?」
ヤバい。お兄様怖い。
ごめんなさい。お兄様を甘く見ていました。亜莎紀もどきで騙されるかな?とか思ってました。
なんでよりにもよって石城莉鈴が私とか言うはたから見ると意味不明な発言してるところも聞いているんですか?
…どーしましょう。
お読みいただきありがとうございました。未だに名前が出てこないお兄様。まだ名前考えてません!いい名前ありませんか?




