プロローグ
目が覚めると、部屋の外から足音が聞こえてきました。きっとおねぇちゃんと鈴さんが急いで支度しているのでしょう。
私はベットから起き上がり、変に涼しく感じたので、私は自らの姿を鏡で見ました。
…まただ。
私は半裸で寝てました。寝相が悪いのは昔からなのですが、あまり気にしてはいません。むしろ、こちらの方が寝つけやすいです。
私は部屋から出て、洗面所に向かいました。その間、おねぇちゃんとすれ違います。
「おねぇちゃん、おはよぉ。」
「あ、琴葉おはよう。私と鈴ちゃんはもう行くから、戸締まりちゃんとしてね。」
私は頷く。けれど、頭はまだ寝ているため、おねぇちゃんが何を言ったのかはわかりません。
「琴葉ちゃん、おはよ。」
そう言って、私の横を颯爽と走って行くのは、今年の春から私たちの家に住むことになった鈴さんです。
「鈴ちゃん!家では走り回らないの!」
おねぇちゃんはそう言うものの、鈴さんはそのまま玄関に向かって行っちゃいました。
「おねぇちゃんも、早く行かないと間に合わないですよ。」
「…こんな時間なの!?」
おねぇちゃんが携帯で時間を確認し、急いで玄関に向かいます。私が目が覚めたときは、七時半前だったので、今かは行けば、確か間に合うはずです。
「ごめんね、琴葉。なら私行くね。」
「うん。いってらっしゃい。」
私はおねぇちゃんに手を降って送った。
私も支度しよ…
とりあえず、顔を洗おうと洗面所に向います。
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私の名前は柊琴葉です。近くの中学校に通っている中学校二年生です。部活動は剣道部に入っています。趣味は、特にこれと言ったものはないのですが、あげるとすれば読書です。特に恋愛ものが好みです。私自身は、そんな恋愛小説みたいなことはないのですが…
おねぇちゃんは言わずと知れた柊琴美です。おねぇちゃんは私の理想の女性です。家事がなんでもでき(ちょっとばかり、掃除がダメなんですが…)、物事をてきぱきと終わらせる姿はかっこいいと思います。
そして、春から私たちの家に住むことになったのは、鈴さんです。鈴さんは、「私のことをおねぇちゃんって呼んでもいいよ。」っと言っていましたが、私よりも身長は高いものの、さほど変わりません。高校生になれば抜けると思います。もし抜くことができたら、逆に呼ばせたいです。
私は鈴さんが好きではありません。だから、鈴さんがおねぇちゃんと仲良くしているところを見ると、腹が立つ気持ちと、ちょっぴり胸が苦しくなります。
この物語は、そんな私の波乱万丈(?)で、ちょっぴり切ない物語です。