2/3
1.
乾いたアスファルトの小さな歪に出来た水たまりに自ら進んでいく。じんわりと生ぬるい水の感覚がスニーカーの底から染みてきて、お気に入りの靴下が心地悪く湿り始める。
1歩、1歩と進んでから自分のきた道を振り返る。
じわりとアスファルトの上に濡れた足跡が残っている。ゆらりゆらりと目の前の道は陽炎で揺れて、進むことが急に怖くなる。
でもじわりと心地悪い靴下が、不思議と私の足を進めていく。もう一度振り返り、点々と続く自分の足跡を見つめる。
もうだいぶ来た。
進んだだけ、残るのだ。
大丈夫。
そう言い聞かせて私はまた歩き始める。
そうして点々と足跡は続いていく。