表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『非正規社員 石田三成』~ショートストーリー集~  作者: 坂崎文明
第二章 安土上洛編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

43/99

天海文書

「この『天海文書』があったから、俺はイエズス会と戦えました」


 坂本龍馬はほろ酔い気分になりながら、着物の懐からボロボロの冊子を取り出した。

 安土城地下要塞の信長の茶室から、少し広めの部屋に移動して酒宴となっていた。

 アンドロイドのステラがお酒の酌をしてくれていた。


「おお、わしが書いた文書の写本じゃな」


 天海は懐かしそうに目を細めて冊子をめくった。


「ちょっと、僕にも見せてください」


 メガネが写本を天海から取り上げて読み始める。

 そこにはメガネたちや信長の戦国時代での苦闘が子細漏らさず描かれていた。


「天海さん、これ、話を盛りすぎでしょ? こんなエピソードあったっけ?」


 メガネは不審げに天海を見つめた。


「メガネ君が忘れてるだけで、克明に書いてるんだけどな」


 天海こと、明智光秀は真面目なのか、ふざけてるのか、なかなか見分けにくい男だった。

 そこが信長の勘生を被った原因だったのかもしれない。基本、生真面目な男なのだろう。


「坂本とやら、お主は最後にイエズス会を出し抜いたそうだな?」


 信長が興味深そうに訊いてきた。


「はい、お陰で近江屋で暗殺されかけましたが、安部清明さまに助けて頂いて生きながらえました」


 龍馬は何とも人懐っこい表情でにこりと笑う。


「そうか、わしと同じじゃな。清明殿もなかなか暗躍しておるな」


「清明殿によれば、本業が陰謀で趣味は暗躍だそうです」


「わはっはっは。それは清明殿らしいな」


 信長は上機嫌でしばらく宴は和やかに続いた。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ