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赤い月  作者: 望月蓮
9/36

崩壊の足音

三日ぶりです!おはこんばんちわです( *`ω´)

雲行きが怪しくなってきたこの物語ですが、皆さんにはどう映っているのでしょうか?

本編へどうぞ(=゜ω゜)ノ

暫く、『赤い月』を見ていたがいい加減飽きてきたので、そこら中を占拠している出店を回る事にした未来達。当然の事ながら、『赤い月』絡みのお店が多い。

「ねぇ、未来!あれ行こう!」

凛が指差したのは食べ物を売る出店だった…クレープを売りにしているみたい。

「いいけど……ご飯食べて来てないの?」

「うん!今日は洸が奢ってくれるって言ったからここで食べようねーって話してたんだ!」

「は!?そんな事言った覚えない」

「えぇー……駄目なの?」

上目遣いで洸の事を見つめる凛。それに負けたのか、洸はそれを了解した。

「やったあ!じゃあ、全員分ね!」

「鬼かよ……はぁ、仕方ねぇなあ。良かったらさ、未来も手伝ってくれない?俺らだけじゃ持てそうにない。」

「えっ?あ……うん。いいけど、瑠衣達は?」

先程から瑠衣を含めた、三人が見当たらないのだ。

「んーと…確か、麗が行きたいところがあるらしくて。それについて行ったよ?」

凛が素直に答えてくれる。…ちくっ。何だか胸が締め付けられるような気がした。麗がいるのなら大丈夫だと思うけど。嫌だなぁ……。

「ほらっ、レッツゴー!」

ぼーっとしていた私の背中を凛が押す。そうだ…今はそんな事考えても無駄だよね。

「分かった分かった。」

楽しそうにはしゃぐ凛と、その様子を見つめて笑う洸に促され、目的地へと向かう事にした。


***

未来達がクレープ屋でわちゃわちゃしている頃、奏と瑠衣は麗がどうしても行きたいという場所について来ていた。俺的には未来達といたかったのだが、どうしてもと懇願された為、仕方なくついて来ているのだ。でも、ここで待てと言われ、瑠衣と二人でベンチに腰掛けていた。こんな事になるのなら、一人でも来れたじゃないか。でも、勝手に帰ると怒られそうだし。暇なので、気になっていた事を瑠衣に質問してみる事にする。

「あのさ……もう返事はしたのか?」

突然話を振られて焦る瑠衣。

「……出来てないわ。」

「じゃあ、あの後言えなかったのか?」

笑わずに口角だけを上げ、俯向く瑠衣。

「言おうとしたんだけど…言えなかった。」

何だ…って事は何もないんだな。でも待てよ。それでプレゼント?は?付き合ってるのに近いじゃんか。何なんだよ、俺の周りはリア充ばっかりだな!!

「その服、プレゼントなんだろ。」

「うるさいわよ、黙って。麗が急に家に押しかけてきて、着てくれって頼まれたの。断れなくって。」

「あららー、照れちゃって。」

その瞬間、瑠衣の手が俺の腹へとパンチを食らわせてくる。丁度みぞおちの辺りに当たって痛い。

「ごめんなさい……」

「まあ、許してあげる。…それよりも。奏は未来と何か進展はあったのかしら?」

その反撃は予想外だった。ある意味、先程よりも深い傷を抉られた気がするのだが。

「何もないよ……本当に何も。」

「人の事言えないじゃない!…でも、このままでいいの?」

落ち着きを取り戻した瑠衣と目が合った。


***

未来はクレープ屋に設置されているベンチに腰掛けて、何処かに行ってしまった麗達を待っていた。

「もー、我慢出来ない!洸、探しに行ってよ!」

「俺に今、んな事出来ると思ってんのか!?」

それもその筈。洸は凛に頼まれてクレープを買ったのだが、全員分買わされた挙句にそれ全てを持てと命令され、両手一杯に六つのクレープを抱えた状態なのだ。

「洸……駄目?」

本日何回目か分からないお願いをされ、困惑する洸。

「んー……してやりたいけど。あっ、未来お願い出来ないかな?ほら、俺今これだから。」

「う、うん…いいけど。」

そう答えると、凛の顔が一気に明るくなった。

「ありがと!未来。」

「じゃあ、探してくるね!」

凛達に手を振り、駆け出す。明るく言ったけど、本当は凄く心配なのだ。例え、麗が一緒だとしても。あの屋上での一件以来、心が落ち着かない。あの告白が瑠衣の本心だとしたら、と思うと心がざわつく。奏はどうするのか……そして、私は?私は、嫌だ。だって私も奏の事が好きだから。でも、奏が幸せならそれでいいと思う。思うのだけれど……。そうこうしているうちにかなり走っていたようで、気付いたら森の近くまで戻って来ていた。流石にここにはいないだろう。そう思って後ろを振り向く。すると、少し遠い所にあるベンチに腰掛けて何か談笑している瑠衣と奏の姿が見えた。近くに麗の姿も確認する事が出来て安心する。急いで奏の元へと向かった。

「おーい……奏……」

二人の話し声が次第に大きくなって私の耳へと音を運んでくる。

「好きだよ、俺は。」

え……?呆然とその場に突っ立ってその光景を見つめていた。周りに人が多いので、二人の所から私は見えないみたい。

「出来れば…付き合いたい。こんな事思っちゃ駄目かな?」

…………やっぱり私の予感は的中するんだ。そっかぁ。奏は…瑠衣はやっぱり。ふふっ…嘘だ!!…もう、今度こそは許されない。絶対許さない。…瑠衣は、きっと私が奏の事を好きだと知った上で、敢えて邪魔してるんだ。そうだよ。奏は瑠衣に騙されてるんだ。あの子といたら、奏は幸せになれないよ。

「もう、ここにいたの?凛達が待ってるよ!」

無理矢理笑顔を作る。三人とも驚いていて。

「あぁ、すまぬな。これを選ぶのに手間取っていてな。」

「それは?」

麗に問うと、口に手を当てて、内緒だと囁かれた。

「行きましょうか。」

瑠衣の言葉に促され、私達はその場を後にした。


その後、すぐに凛と洸と合流した。奏と麗は、凛に遅いと怒られていた。まあ、一番大変だったのは洸だろうけど。そして、帰途につく。

「今日は楽しかった!月も凄かったし来て良かったよ」

奏が瑠衣に好きだと言ってなかったら、ね。

「まあ、いいって事よ。」

私の言葉の真意が分かるはずも無い洸がニマッと笑った。

「何でお前が得意気になってるんだよ。」

「気にしない気にしない!」

「調子いいんだから…ふふっ。」

瑠衣と奏が笑いあってる。しかし、そんな光景を見ても何も思わなくなっていた。自分自身が成長したのか、それとも。少なくとも、奏を好きな事に変わりは無い。ドキドキしない訳じゃないのにどうして。

「未来!何暗い顔してるの?奏の事見つめたまんまで。」

そう言われてすぐに分かった。意識していなかったけど、凛の言う通り、ずっと奏を見ていたみたい。

「図星?もう未来ったら。本当に奏の事好きなんだね。」

幸いにも小声で話してくれたので奏に聞こえずに済んだ。

「うん、まぁ。でも、絶対に気付かないよ。私の気持ちになんてさ。」

「んふふっ。」

凛がニヤニヤしながらこっちを見てくる。

「何ニヤついてんの?」

「んー?別に。未来が幸せ者だなって思っただけ。」

そ、そうかな?そうは思わないけど。

「でも、私からしたら凛の方が羨ましいよ。洸がいるし、愛されてるーって感じするもん。」

すると、私の言葉が意外だったのかきょとんとする凛

。そして、少しだけ遅れて微笑んだ。

「そうでも無いよ、普通かな。今となっては、何で洸の事好きになっちゃったんだろうって思うし。出会った頃の方がね、まだかっこ良かったっていうか。」

何となく見れば分かるけど。ちらっと洸の方を見ると、奏とじゃれ合っているのが見えた。

「子供っぽいし、事ある毎に好きって連呼されるし、他の女子口説いてたりするし……なんか、腹たって来た。」

そう言えば、凛が洸と出会ったきっかけとか全然聞いた事ないな。どんな風だったんだろう。

「ねぇ、凛。凛って洸といつ頃知り合ったの?」

すると、凛が大きく背伸びをして空を見上げる。

「……私が洸と出会ったのはねぇ、去年の夏だったよ。」


いかがだったでしょうか?

次の話は少し昔にタイムスリップ。あのいちゃいちゃカップルの馴れ初めを書こうと思います。甘々のラブストーリーになればいいなぁ( *`ω´)

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