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子どもだけの登園始まり

 GW明けから、おうち園は子どものみの登園となりました。夏服も届いたので、夏服を着て登園する子どもも見られます。夏服は袖なしのスモックです。

親は、パソコンを立ち上げ、おうち園のアプリを起動するところまでが、送り。二時になり、先生に挨拶をして、アプリを閉じるのがお迎えになります。

 おうち園にいる間は、基本的に子どもたちの世界。パソコントラブル以外は親は手を出さないようにと、おうち園の先生方は言いますが、果たして・・・・・・。



<Aちゃんの場合>

Aちゃんは、おうち園の時間をいつも楽しみにしています。入園してすぐに4歳になりました。体も大きく、動きもしっかりしています。パソコン操作もバッチリです。先生の指示もよく理解できています。

 休憩中は、トイレや水飲みを済ませて、寂しそうにぼんやりしています。

 Aちゃんママは、隣の部屋のパソコンで、他のママとおしゃべりをしています。


 休憩は一時間毎に5分に変更になりました。10分だと長すぎる、という声があったからです。



<Bくんの場合>

 Bくんは慎重派。パソコンの操作もおっかなびっくりです。なかなか自分の意見を言えずにいます。先生ボタンも押すのに勇気がいるようで、先生も気づいてあげられていません。

 GW明けから、Bくんのママは外でお仕事に行き、パパは病気療養中で家にいます。

「あ・・・・・」

Bくん足をバタバタさせ始めました。先生が声をかけます。

「Bくんどうしたのかな?」

「おしっこ・・・・」

大変、おもらしです。

「大丈夫よ、きれいにしましょうね。あ!」

画面の向こうで、先生は、はっとしました。ここは在宅園。子どもには直接触れられない。

「パパー」

Bくんパパがのっそり出てきました。



<Cくんの場合>

 よく言えば活発、悪く言えば落ち着きがなく、ケンカ早い男の子のCくん。

こういった子どもは、在宅園より普通の幼稚園の方が向いていそうですが、交通に不便な地域に住んでいる事と、普通の幼稚園より保育料が安かったからと、親の都合でおうち園に通っています。

「このブロックはオレのだ」

おうち園でもケンカはします。

「え?僕のだよ」

画面上でブロックの取り合いが始まりました。

「ここで休憩です」

先生がそういうと、画面が暗くなりました。ケンカも強制終了です。休憩後は、違う遊びが始まるので、ケンカした事を忘れてしまいます。ケンカも勉強の一つではあるのですが、おうち園でケンカするのは難しいです、

「あきた・・・」

Cくんは、パソコンの画面から離れてどこか行ってしまいました。

 休憩後、Cくんがいません。先生が声をかけます。

「Cくんは、どこですか?」

先生は呼ぶことしかできません。



<Yちゃんの場合>

 お母さんの出産の為に、北海道にいましたが、GW明けに横浜に帰ってきました。

Yちゃんは3月生まれ、4月に4歳になった子もいるけれど、Yちゃんはまだ3歳2か月。園では一番小さいです。そんな中、妹が生まれ、赤ちゃん返り中。親子登園期間が終わっても、ママのそばを離れません。

 5分休憩に入りました。Yちゃんのお母さんがYちゃんに言いました。

「Yちゃん、おむつ取ってきて、Yのと妹の分2枚ね」

「うん」

Yちゃんはまだトイレトレーニングができていません。赤ちゃん返りもあるからと、Yちゃんのお母さんも焦ってはいません。幼稚園に行けば、周りの友達に刺激されて、トイレできるようになるかなとお母さんは考えていました。

 しかしその期待は裏切られました。



休憩時間でもないのに、画面が真っ暗になりました。戸惑う子ども達。すぐに回復したからよかったけれど、そういうこともあるので、親は家から出られません。203×年は、家の防犯体制がしっかりしているので、不審者は入ってきません。ですので、子どもだけの留守番も可能と言えば可能ですが、心配なのは変わりません。


脱走したCくんが、手に何やら持って、おうち園に戻ってきました。Cくんは、空いている方の手で、先生ボタンを押しました。

「先生の言うとおりに、おだんご作ったよ。みて~」

Cくんは先生に泥団子を見せました。

 今日のおうち園は屋上での外遊び。ブランコや滑り台などの遊具の使い方を学んだり、砂場でお団子つくりをしたりしていました。


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