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職員会議

おうち園の裏側に迫ります。

 ここは横浜にある5階建ての雑居ビル。ビルが立ち並ぶ都会です。近くに一幡公園という大きな公園があります。


 1階と2階が楽器店とヤハタ音楽教室。3階が書道、茶道教室。4階は英語教室。5階と屋上がおうち園です。園長先生、赤先生、白先生、青先生はここに、月曜から金曜まで出勤しています。他にパートで来ている先生もいます。

 

 エレベーターで5階に上がると、おうち園のレンガの門があります。目の前に立つと門が横開きに開きました。レンガの門は、自動ドアにペイントしてあるだけでした。

 中に入ると、パソコンやwebカメラが何台もあります。幼稚園というより、事務所に見えます。壁には幼稚園にあるような切り絵が飾っています。天井には「あかぐみ」「しろぐみ」「あおぐみ」と札がぶら下がっています。

 「お疲れ様です」

ドアが開いて、ダンスの先生が入ってきました。金髪で大きな鼻と茶色の目の男性です。

「青先生。お疲れ」

男性は頭を触って、帽子を取るような仕草をしました。髪の毛が黒くなりました。カツラでした。鼻も触ってつけ鼻をとりました。ダンスの先生は青先生だったのです。

「では、青先生も戻ってきたので、緊急職員会議を始めましょう」

赤先生が神妙な面持ちで言いました。

「あ、待ってください。カラコン外させてください」


青先生がカラーコンタクトを外し終えてから、職員会議が始まりました。

園長先生がパソコンを見ながら言いました。

「今日までで、10名の退園者が出た」

先生方はがっくりとした様子です。

「最近、子どもが少なくなったと感じていたのですが、退園していたのですね。理由は何か言っていませんでしたか?」

「近隣に保育園ができたので、移った子が多いようです。またパソコンの故障などで園に通えなくなったりが私の聞いている理由です。ですが、これは表向きの理由でしょう。先生方は一か月やってみてどうでしたか」

「私達は、脱走した子どもを止めたり、トイレなどの生活習慣は指導できません」

「△くんのお母さんは、△が太って来たから、運動をさせたいと転園しました」

「ケンカも勉強のうちですが、休憩時間でけんかが強制終了。手が出せないから加減がわからない。これで集団生活の練習になるのでしょうか?」


「あ、また5名の退園希望者が。これはもう存続できませんな。」

園長はパソコンをチェックします。

「そういえば、私達、おうち園の子どもたちに会ったことがないのよね。入園試験もパソコンで面接だったし」

園長は決めました。

「おうち園の子どもたちに会おう。実際に会って、話そう」


次回はおうちを飛び出します。

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