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転生したよ 2

 お早う諸君。

 

 0歳児の体力・精神力はあまりに低く、睡魔には勝てない。

 

 因みに、おむつプレイの必要があるので、臭いの方は我慢してくれたまえ。

 全力でおむつの交換を要求するために、丁寧にそして中くらいの声で

「おぎゃーぐすん・・おぎゃー」と泣いて「かーちゃん」を呼ぶ。

 

 発声器官はまだ発達していないので、間違って日本語でしゃべろうとしても多分まだ問題ないと思う。

 声はすべて「おぎゃー」に類する音声に変換されるはずだ。

 

 多分というのは、聴聞器官も発達していないらしく、周りの人間が話しかけてくれる言葉は、何を言っているのか分からない。

 何となく母音は分かるような気がする。子音が区別できない。たとえば、「ka」なのか「ma」なのかさっぱりだ・・・

 音の方向は分かる。

 

 目・耳の不自由さを経験し、魔法が使えるようになったら、絶対に強化するべきと改めて認識した。

 

 

 前回も話したが、くどくても何度も注意したいことがある。

 

 俺は他人に話しているように見えるかも知れないが、「ダイアローグ」つまり「対話」をしているのではない。

 自分の考えたことを、まとめ、記憶に深く定着させ、整えようとして、他人に話す振りをして自分自身に話しかけているのだ。

「モノローグ」=「独り言」なので、

もし俺の心を読める天才的な魔法使い(ウイザードリー)(読者様ともいう)や、神様がいらしても、

「こいつ何!!腹立つ」なんては絶対に思わないでね!お願い。

 

 元世界の俺の姿まんまだったらムカツクお願いかもしれないが、

 今は俺ってとってもかわいいベイビーちゃんだから許して。

 

 な~んて言ったのは、神様対策だ。

 

 ふつう、「異世界転生もの」って、神様、精霊、白いぼやけた部屋というか

 超越者というか 何かしらからのコンタクトがあって、チートなスキルとかジョブくれるんじゃないの?

 

「 神様 来て! 僕いい子にするから」

 ・・・

 ・・・

 

 来ない・・・ 

 ま、生まれてきて気づく度にお願いしてみたが 「神光臨」は無い。

 

 お尻の方もすっきりしてもらえたので、現状説明を続けよう。

 その前に、「かあちゃん」に愛想笑いと「はにゃー」と可愛く・・・

 これがお礼の言えない俺のお礼。

 

 意識・知識を持ったままの転生であることは確定なのだが、大事なことは・・・

 1.ヨーロッパ14・5世紀ぐらいの異世界である。

 2.魔法がある。

 

 1.部屋の中の調度品、周りの人種からヨーロッパと思われる。

 父親らしき人が、家から出て行くのにも帰ってくるときも鍬と弓を持っている。

 家で、剣と弓の手入れをしている。

 職業なのか、農民でも危険な状態なのか分からないが、銃器は無さそう。

 半月前に一度来た男の服装がルネッサンス期ぽい。

 その服装は海外ドラマの「チェーザレ・ボルジア」に出て来た感じと似ている。

 なにより、この手の「転生もの」デフォルトなので、14・5世紀と推測。

 

 2.1ヶ月前程、明らかに熱が出て呼吸が苦しい時に、

「かあちゃんが」 何かを唱えて 手をかざした。

 まだ、物の形が白くぼやけて見えない頃だったが、

 明らかに青白い光とともに 俺の頭から 温かい何かが体の中に入ってきた。

 とても体が楽になり、次ぎ起きたときには熱が下 がっていた。

 魔法に違いない。「母の愛」だけとは思えない。

 

 推測はつづくよ。

 

 大事でないわけないが、この家の同居人は父・母・おばあちゃん。

 近づく人間が、男か女か若いか年寄りか が識別できたのはここ半月にすぎないが、この3人がメイン。

 他に識別できた人間は3人いるが、同居はしていない。

 

 人物紹介するね。

 

 俺、男の子 名前はまだ分からん。

 男の子であることは、オムツを替えてもらうときに大事な大事な、

 もう一度あえて言おう。 大事な!

「おてぃんてぃん」を触って引っ張ってしつこくいじっていたら、

「かあちゃん」に叱られたぽい。


「僕まだ聞こえなーい!何を言われてるかわからなーい!」


 暇なんだもん・・・「おてぃんてぃん いじり」は男の嵯峨(・・)さ!

 残念なことに今はまだ、オムツの中に手を入れる程の体力すらないのである。


 

 父親らしい人、25歳くらいの無口な人である。だっこ下手。

 俺は娘二人だっこ経験上、こいつの下手さは慣れではなく、器用さ不足であると思う。

 背は高そうだが痩せている。手はごつい。

 多分農民。家は貧しい。この家は平屋で、主な部屋はこの部屋一つしかない。

 鍬を初めすべての道具もここに持ち込み他に持っていかない。

 暖炉、台所もこの20畳位の部屋にすべてある。

 トイレ・風呂は別なのかな?


親父(おやじ)!俺が 現代知識の基礎チート(・・・) で儲けて楽させてやるよ。

 心配しなくても、実年齢は俺がかなり上だもん」


 

 おっと・・・おっぱいタイムだ。

 

「奥さんええ乳してまん・・・・」いかん!「かあちゃん」なのに・・・


 授乳期のおっぱいは、まさに俺の生命線「これ無しでは生きて行けん」

 また皆にも紹介するが、よく出る乳だ本当に・・・

 0歳児だが知識のある俺が分かっていることは、

 この時期の栄養状態が体作りにとって、とても大事ってことだ。


 乳児の中にはあまりおっぱいを吸わない子もいるようだが、俺は違う!!

 将来を見据えて飲むべし、飲むべし、飲むべし・・・

「おっさんよー明日のニュー(・・・)だぜ」

 

 あと、乳幼児の皆にとっておきの情報だ!

 後で吐いちゃう子やゲップでお困りのアナタ!

 0歳児だが、ビールを中ジョッキじゃないぞ、ビアホールの大ジョッキでも一気飲み記憶のある俺がコツを教えてやる。


「吸う作業中、口の隙間や鼻から空気が一緒にならないよう、液体のみを喉の嚥下作動無しで胃に流し込むのだ。

 嚥下作動 いわゆる「ゴクリ」ってやっちゃうと細い管である食道付近で逆流し、むせてしまう。

 重力により液体を下に流すことを意識して液体すべてが胃に収まるのも認識できないと駄目だ。

 胃の容積と収縮作用の変化で空気が外に出るのがゲップだ。

 だから液体が食道にあるうちのゲップも禁物。

 吐いて詰まらせる子もいるからね。

 そこらがコントロールできるとママに背中トントンしてもらわなくても、豪快にゲフーと一発にまとめて出すこともでき、ママも安心だ!」

 

 よい子の皆は炭酸が入ったビールやエールでも出来るようになるが、

「一気飲みは絶対にメッ!!だからね!真似しちゃ ダメよ~ダメダメ」

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