表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

5


そんな感じで春ちゃんとは何度もデートもどきをした。

春ちゃんとのデートは毎回楽しくて、いつも時間を忘れてしまう。

しかも私の好みを完璧に把握している春ちゃんは、言わなくても私が行きたいと思っていた所に絶対連れて行ってくれるのだ。


そういえば最近はオカマさんな春ちゃんを見ていない。

以前まではオネエ口調の春ちゃんしか想像できなかったのに、今ではイケメン春ちゃんしか出てこないからびっくりだ。

あれだね、慣れって怖いね。


そして、あれほどダメ男に引っかかっていた私は、今誰とも付き合っていない。

なぜなら週末には春ちゃんとのデートもどきがあるからだ。

これは春ちゃんと付き合ってることになるのだろうか。

んー微妙。春ちゃんは何を考えているのか分からないし。


男姿の春ちゃんにもだいふ慣れたけど、代わりにドキドキさせられる。

顔が良いって何しても様になるから腹立つよね。

しかし、私はこの関係をハッキリさせたいのだ。

今日こそは聞くぞ!と気合いを入れて、イケメンな春ちゃんが待っているであろうお店のドアを開けた。



で、どう切り出せばいいのだろうか?

私のこと好き?いや、これは自意識過剰って笑われるパターンだし、自分によっぽど自信ないと言えないわ。

これって付き合ってるの?これは直球過ぎて言えない。

春ちゃんの話を聞きながら、頭の中では悶々と悩んでいる。

何て言うのがベストなのか。

携帯で知恵袋を検索してみようか。


「雫?おーい、聞こえてる?」


「うわぁ!はい好きです!」


あ、しまったなんかびっくりした勢いで告白してしまった。

ちなみに、ポカーンとしても春ちゃんはイケメンだった。

イケメンはこれだから。

そして、我に返った春ちゃんは爆笑し始めた。


「意味わかんないんだけど!」


そういえば主語が抜けてたか。もう一回告白しないとダメですかね?

絶対春ちゃんは何のことだか分かってるのに意地悪に聞いてくる。

これは言うまで聞いてくる面倒なやつだ。

仕方なく、春ちゃんのことですよーと答えたら衝撃の言葉が返ってきた。


「うん、まぁ雫って流されやすいし押しに弱いよね。そういうとこも好きだけど」


いやーでも雫から告白してくるとは思ってなかったわーと春ちゃんは続けたが、聞き捨てならない。

流されやすい?押しに弱い?

計算だったのか!この男!


「雫、俺は5年も片思いしてたんだから責任とってお婿さんにしてね?」


今度ウエディングドレス見に行こうかと言い出す春ちゃんだが、過程を吹っ飛ばし過ぎである。

なんかちょっと告白した筈が重たくなってないか?

あと、片思いってなんだ。そんな話は聞いていない。


でも、春ちゃんの幸せそうな笑顔を見ていたら何も言えなくて、結局流されてしまった。

とりあえず、素敵な彼氏が出来ました?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ