黒い布
窓を開け、鋭い冷たさが漂う夜空を見上げながら白い息を吐く。
暗闇を切り裂く光の粒子は暗雲に覆われ、輝きの欠片さえ感じられない。月もなく、ただひたすらに黒いその空間を眺める。
どこまでも、どこまでも広い闇は全てを飲み込むようで、しかし永遠ではない。時の流れの中で姿を変え、明るさを取り戻していく。
『じゃあ、僕は?』
あの空を見上げながら時々想う。
「ねぇ。今、空見てる?
どれだけ離れていても、同じ空を見てるんだね。」
そう言ったあの人は、僕の中で色褪せず、変わらないままだ。
あの人の愛した空は変わっていく。あの人自身も。
僕は、そんな変わりゆくものが恐ろしくてしがみついて、手放す事ができない。
傷が疼くのを感じて窓を閉めた。
あの人は今日も、空を見ているのだろうか…
初投稿です。こんな駄文にお付き合いいただきありがとうございました。
いかがだったでしょうか?一応『失恋』をテーマにかいてみました。頭の中のイメージを文章にするのは難しいですね…
ちなみに、タイトルの『黒い布』というのは、特に意味はありません。なんとなく思い付いたものです。タイトルを考えるのが地味に一番難しかった…
もしよければ感想をいただけると嬉しいです。
では、二度目となりますが、読んでいただき本当にありがとうございました。