アタシの可愛いお城
書いている本人が通常テンションでは書けない話を、お気に入りに登録して頂きありがとうございます。箍を何本か外して書いてます。
今回は少し短めです。
「ありがとう、アプリコットちゃん。アナタが助けてくれなかったら3秒後には高坂臣に飛び掛っていたと思うわ」
声優たちの控え室から出てきたアタシは、ションボリしているアプリコットちゃんにお礼を言った。
「やりすぎましたよね・・・」
「ウウン! あのくらいしないとアタシの煩悩は消えなかったと思うわ。部屋に充満した安っぽい香水の臭い!」
「う★」
もしかして、アレってアプリコットちゃんの私物?
あらやだ。あんな臭いはこの子に似合わないわ。
今日の帰り際にでもお店に寄って相応しい香りをプレゼントしましょうっと。
「ところでアプリコットちゃん」
「はい?」
「アナタの全財産ってアレなの?」
「はい!」
自慢気に返事されちゃったわ。
天涯孤独の女の子の全財産としてはあの金額は不安すぎやしない?
「お給料上げたほうがいいかしら・・・」
「いえっ! 充分ですっ! アパートの更新料を払ったから少なくなっただけで!」
「更新料? あのボロボロボロボロアパートの?」
「・・・・・・ボロが多いですぅ」
だってボロボロボロボロボロだもの(一つ増えたわね)。
「お年頃の女の子があんなあばら家に住むの、感心しないわぁ。
更新料払うくらいなら引越ししちゃいなさい」
「・・・・・・・・・」
その無言は、金額面で引越しは出来ないってこと?
アタシはため息をついた。
「それじゃあ、アタシが可愛いアパートを買うから、そこの一室にお引越しなさい」
「えぇ!?」
「ちょっとお金が溜まりすぎて困ってたのよね。投資しようかと思ってたところだし、不動産でも構わないもの」
この間、生前贈与でお金が振り込まれたのよね。
ありすぎて気持ち悪かったから、丁度いいわ。
「フフっ♪ 買い取ったアパートはアタシ好みにリフォームしちゃおうっと♪
外壁はクリーム色。屋根は臙脂色かしらぁ? ドアは丈夫なものにしたいけど、鉛色なんて無骨よねぇ。最上階はブチ抜きにしてアタシが住んじゃおうかしら」
「う、うらら先生と一つ屋根の下!?」
「あら、嫌なの?」
「大感激です!!」
アプリコットちゃんの顔がキラキラと輝いた。
「入居者は女の子オンリーで、男子禁制。だって、アタシがパックリ食べちゃうかもしれないものね☆」
「ステキです!」
「そうと決まったら、さっそく物件を当たってくれるかしら?」
「お任せを! まずはこの会場前の不動産屋からチラシを頂戴してきます! うらら先生の趣味は熟知しておりますので、バッチリの物件をバッチリリフォームさせていただきます!」
ビシっと敬礼するとドレスのスカートを持ち上げて、アプリコットちゃんは走り抜けて行った。
アプリコットちゃんは本当に有能なのよ。 だから、全部任せて大丈夫なの。
半年後。
「んまー! なんて可愛らしいアパートなの!」
「メルヘンがテーマですっ」
アプリコットちゃんは、都内にレンガのアパートを見つけてくれた。
ドイツの古城をミニマムにしたようなカンジで、ドアはスチール製の頑丈なものを木のドア風にリメイクしてある。
間取り1F2Fは全て2DK。
3Fは全てアタシの住まい。お風呂は190センチのアタシが足を伸ばして入れる扇形のモノ。
ベッドはキングサイズで天蓋付き。
キッチン周りはアタシも口を出したので機能も広さもバッチリ。
さすがアプリコットちゃん。アタシの趣味をよく分かってるわね。
彼女は「とある優良企業の不動産でしたが、交渉して折り合いのつく金額で買取させていただきました」と胸を張った。
「アナタ・・・単身企業に?」
「はいっ! 交渉担当がイヤーなヤツでしたけど、うらら先生の為なら笑顔も大安売りですっ」
「そんなにイヤなヤツだったの?」
「『お前も俺に惚れるんだろ?』的な顔で見られましたので、その人より1000倍素晴らしいうらら先生のことを延々と語っておきました」
あら、アタシをプッシュしてくれたのね!
「ウフフ。それじゃあ、今度味見しちゃおうかしら?」
「食べすぎは身体に毒ですので、味見程度がいいかと思いますっ」
4人目のメイン人物は交渉担当者です。
次登場。
すももは麗以外の男はどうでもいいです。軽く男キライです。
麗信者なので、麗を異性として意識してません。