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座右の銘はラブイズオール  作者: げんたろう
6/20

アプリコットちゃんの必殺技

視点が高坂→麗→高坂





「うわー、オレのキャラにソックリなレイヤーさんが居るよ」


白氷騎士役の声優が言う前から、そのコスプレイヤーは目立っていた。



周囲より抜きん出て背が高い。


会場が女性だらけという理由だけでなく、男の平均身長をはるかに上回っている。


その上、顔がいい。

まさしくリアル白氷の騎士。

冷たい銀色の髪に、物憂げな紫の目。・・・アレは自前だろうか?



「あのひと! 料理研究家のうらら先生ですよっ。キャラクターの原案みたときから似ているなーって思ったんですけど、まさかレイヤーさんだったなんて! 超感動!」


女王陛下役の声優が跳ねている。


「え? 芸能人?」

「テレビに出てる料理研究家って芸能人って言うのかなぁ~? つい最近テレビに出て大人気になったんです。写真集も出してて、勿論買いました」

「料理本じゃなくて?」

「あっ。そうそう料理本です。写真がいっぱいついた」


この場合の「写真」とは料理ではなく彼の写真なのだろう。


「そこいらのモデルとか霞みますよねー。 ものすごいセクシー&フェロモンですもん。

ああー。オネエでもいい。抱かれたい!」


「「「オネエ?」」」


「ですよ~。理由が『アタシの男の部分は、亡くなった彼女に捧げているから』なんだそうです。胸キュンですよ!」



再びピョンピョン跳ねた。


「あっ。横の『女王陛下の侍女』やってる子、アプリコットちゃんですね」

「アプリコットちゃん?」

「ハイ。うらら先生のアシスタントで、本名はすももちゃんなんですけど、うらら先生はアプリコットちゃんって呼んでるから、皆そう言ってます」


桃色の髪の女の子がニコニコして銀髪の男を見ている。


「彼女じゃないの?」

「可愛がっているって聞きますけど、違うそうです」


「オレ逢いたいな。壇上に呼んじゃってもいいかな?『そっくりレイヤーさん』とか言って」

「運営の人に確認したほうがいいですよ。事務所に入ってるならあちらが断るかもしれないですし」

「そうかー。あ、でもオレのコスプレしているってことは、オレのファンだよね? あとで楽屋に招待しようかな?」


身の危険を感じるから、同席してねと言ったが、多分コイツを襲うことはないと思う。

(50歳、既婚)





***




目の前に高坂臣が!


抱き付いていい?

首筋齧って舐めていい?

頭から丸飲みしちゃっていい?


アタシがプルプル震えていると「うらら先生、今日はクーデレですよ!」とアプリコットちゃんが囁いてくれたので、正気に戻った。


そ、そうよ! 今日のアタシはクーデレ!

それに高坂臣の性癖はノーマル! だから観賞用で味見用(?)じゃないのよ!


でも・・・・・・・。


金色に日焼けした肌。

少し痛んだ、カラーリングした髪はグレーがかった金髪。

目はカラコンかしら。今日は緑ね。

そして細いけれどもほどよい筋肉の乗ったボディ!


「に、においが・・・いい臭いがする」



いじゃダメかしら?



***



具合が悪いのか、目の前の美形料理研究家は小刻みに震えている。


って本当に料理研究家なのか?

バッチリ決まったコスプレ衣装といい、モデルなんじゃないのか?


男の横に立っている、ちんまりとした少女が「先生! 今日はクーデレです!」とマントを掴んで揺さぶっている。

ピンク色もフワフワした髪に侍女の衣装は、白氷の騎士同様、まんま女王陛下の侍女だ。



「に、においが・・・」



男のセリフに「におい!」とピンク色の少女が鼻をヒクヒクさせる。


「これが先生を惑わす臭いの元ですねっ! いぇい!」


広がったドレスのスカートから、ピンク少女はアトマイザーを取り出すと俺に向けた。



「な!?」

「煩悩消滅!」

「きゃあっ、アプリコットちゃん!?」



控え室に甘ったるい臭いが充満した。



―――――その後。



「アシスタントが失礼しました! 改めて謝罪の場を設けさせてください!」


男が俺の両手をガッチリと掴み、ブンブンと上下に振り詫びをして。

ピンク少女が死んで詫びるというので「迷惑なんだけど・・・」と言うと、彼女はサイフからカードを取り出して俺に差し出した。


「1234です! 慰謝料です! 全財産の55万1287円入ってます! 足りない分は分割でお願いしますっ!」


とキャッシュカードを俺に差し出してきた。

それを見た男が、「じゃあ・・・」と自らのサイフを取り出した。


「20億7000万円くらい入ってます。暗証番号は1919です」

「なんでそんなに普通預金に!?」

「慰謝料は要りませんから・・・・・・」


香水吹きかけられただけで20億円とか、どれだけ暴利なんだ。


「今言った暗証番号、絶対変更してください」


妙な事件が起こって容疑者にさせられては困るので、俺は二人に念押しした。




麗の暗証番号がナニゲにヒワイである。


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