アタシの最愛の彼女
アタシにはかつて最愛の妻が居たわ。
そう・・・まだアタシが「俺」と自分を呼んでいたころの話よ。
名前も今とは違ったわね。
ようするに前世の話。
アタシには沢山の姉が居て、アタシは姉達の本を幼少期から親しんでいたわ。
少女マンガね。
成長しても、少年マンガより少女マンガを好んだアタシだったけど、運命の女性に出会ったの。
アタシは少女マンガのヒーローのように、彼女にアタックしたわ。・・・あら、アタックってもう死語よね。
でも、彼女ったらマンガを読まない人だったせいか、アタシのキラキラアタックをスルーしちゃってねぇ。
どうにもならないから、アタシの父親から彼女の父親に見合いの話を持ちかけてもらって結婚したの。
これってお見合い結婚なのかしら? アタシ的には恋愛結婚なんだけど。
アタシと彼女は全然違った。
彼女はマンガなんて全然読まない人だったけど、私の趣味に寛大だった。
食べ物の嗜好も全然違ったけど、彼女は二種類の料理を用意してくれて違うものを食べた。
テレビゲームが発売されて、アタシが夜な夜なゲームに勤しんだ時も、寛容に許してくれて先に寝てた。
え? アタシの片思いじゃないのかって?
そんなこと無いわよ。
だって・・・・・・・・・彼女は私より30年も早くなくなったけど、その時言ってくれたの。
「後添え貰ったら呪う・・・・・・・・・・でも、男なら許す」
ってね。
アタシを他の女に取られたくない、彼女の最後の我が侭でしょ?
前世で彼女を失ったとき、そこそこの年齢だったから特に女が必要だとは感じなかったわ。
でも、生まれ変わって・・・・・・・・魔法使いのまま一生を終えてるべきか迷ったわ。
今でも彼女を愛している。
だから、彼女以外の妻を持ちたいとは思わない。恋人だって、彼女だって、愛人だってお断りよ。
そう思って、思い出したの。
『男なら許す』って彼女の言葉を。
こうして、アタシは今世の恋愛対象を「男」と決めたの。
でも「オンリーワン」は決めない。
それは彼女だけ。
彼らはアタシの、可愛い金魚ちゃんって所かしらね。
またまた申し開き。
主人公に複数の相手がいるようです。
本命が別。故人な上、前世の妻。




