【4話 コンビ】
「脆弱,脆い,なんと弱い,下等生物どもが」
「ぐは!」
「我が縄張りに侵入したんだ,当たり前の道理で
ある」
間合に入った時点で死が決定付けられるほどの
抜刀/居合術,その速さは,鏡が反射して目に届くまでの微力な遅れがある,どころじゃ無い,鏡の
自分は動き出してる最中,既に敵を切っている,
そんな速さである。
そして殺気に敏感,漏れ出た微力な殺気にすら反応可能であり環境は関係ないしその武器術は,
どんなものすら刀として扱える,クルクルとして固めたこよりでコンクリートを貫通し切断可能。
彼はアマルサー,慕われた先輩であり最高の
友人。
「相棒,お前が居てくれるならいつだって全盛期だぜ」
「へ,馬鹿言ってないでやるぞ」
彼はユフィー,約束の少年,律儀な子供だった
からその名前がついた。
「雑魚が!」
「ウギャァァァ」
「あっはっは!まさか使い捨てのアイテムも
使わないなんてな」
「エリクサー症候群なもんでね,勿体無いと思って舐めプしてしまうものなんだよ」
積み重ねた実績,その独自に構築された喧嘩理論体系は,ステゴロ,徒手格闘ならどんな歴史の
武術と比較しても上澄も良いところになる。
不意打ち,反則,奇襲,騙し討ち,様々な卑怯や嘘,
絡め手や卑怯が組み込まれている,本来は人には使ってはいけない,危険な古流武術をベースとしている。
それは勝つために薬物投与,凶器使用を加味された,言ってしまえば一般を超越したCQC,軍隊式
近接格闘と呼ぶべき代物であった。
無慈悲に殺す無惨な戦術を多数持ち合わせて,
手数に際限は無い,心理操作や環境利用,今持てる全ての要素を駆使してその場で組み上げて戦い圧倒的な格上にも知恵と工夫により勝つことが出来る,それは忍者の遁術か?いいやもっと上。
石橋を壊してまた新たに道を作り続ける,無いなら作れば良いの精神だから停滞が訪れず曖昧にもならない,理想の発達,まぁそんなものでも。
時代と共に高度に発展して様々な分野が型にはまるのだから,天道に存在しない武術はない,存在しなあ武術すら架空的武術として含めてしまうから,正しく究極の総合格闘技複合型バトルスタイルである。
「うははは!うぐ」
バタン。
「おいおいまさか寝返りか?」
「そうさ,はっはっは,しゅ」
「ぐは!」
バタン,敵は倒れる。
「おい何すんだよ!」
「騙すならまず味方から,ってねぇ」
「ニヤニヤしてんじゃねぇ!」
「はは!すまんすまん」
こう言った仲間達だった,こいつらが仲間に
なったのだ,その前には。
「やっぱ,,,ちげぇは,こんな馬鹿なやりかた」
「俺は抜けるぜ,相棒は,,,言うまでも無いか」
「殺すは,邪魔な奴ら全部」
「だな」
こんなふうに抜けたのだ。
「なら見せてみろ,北の最強は残しておいたから」
こうしてタッグが敵に挑む。
「ぐははは!裏切り野郎が死ね!」
頭がバグり脳を解放した高い強度の筋肉と
疲労や苦痛を感じない脳内物質分泌量がバグ
ってる。
「ふん!」
「バカが!」
なんと敵は刀を地面に貫通させた。
「ぐっ,刀が抜けない!」
「死ねや!」
だが。
「ばーか,な訳あるか」
「何⁉︎」
瞬間引き抜いた刀を振り小指を斬る。
「うぐ,クソガァ!」
バゴーン!一撃が入る。
「ふぅ,,,刀を入れてガードしてこれかよ,あざが
もう出来てる,筋断裂は間違いないな」
「死ねやぁ!」
やつが飛んで殴りに来た。
「ふしゅー,,,」
集中に呼吸を整えて間合いを意識する,戦いに
没頭する,極限の集中,余計な思考や感情が消え去る。
「周りがゆっくりに見えて来た」
「うぉぉぉ」
ゆっくりこちらに飛んでくる。
動作や感覚の練度が上がり続ける,動作,感覚が自然なものとなり無駄がなくなっていく。
「なんだこいつ,空中で停止してやがる」
「おぉoooo」
ゾーンに入り,刀を抜刀する。
「さようなら」
光が輝いた,触れた首は光が後から付随した,
それは光を置いてけぼりにして刀の輝きが
勝った。
「ふう」
「おい」
「⁉︎」
首が切られたはずの野郎が倒れてはいなかった。
「んな⁉︎」
刀を横目で見ると,刃が無かった。
男を見る。
「くそ,失念していた,なんだよあの首」
刀が自壊するほどの斬撃は,分厚い首の筋肉を
斬るには至らなかった。
「ははは!まだまだぁ!」
「うぐ⁉︎」
瞬間,相棒が出た。
「オラァ!」
守備戦術で戦いに出た。
「ははは!くそ脳筋!」
「なんだてめぇ!」
瞬間,罠を張っていたのだが。
「んな⁉︎」
力業で圧倒して発動すらさせて貰えぬまま,罠は
破壊された。
「まぁ初めっから単一の罠に嵌めて勝てるかと言われたらそうじゃないよぁ!」
そこから,一通りの手段や方法を試したが,,,
「こいつ,俺の手数や絡め手じゃあ勝てない⁉︎」
喧嘩理論は通用しない存在,環境や罠なんかじゃ意味はない。
「こう言うタイプなら遊ぶに限るな見せろよ
更に!」
「舐めやがって!いつでも倒せるくせして
何故倒さない!」
「何故って?何故じわじわと来やがる!って?はは!ははは!決まってるだろ?」
やつは言う。
「楽しみたい,ただそれだけだよ」
「遊びやがって!」
「飛び礫,砂利風情が舐めるなよ?」
瞬間,相棒は更に早く動く。
「はぁぁ!」
垂直に壁を歩きだす,重力より早く動いているのだ,そして高くから飛び蹴る。
「ふん!」
「空中体術ですかぁ?あぁ!また面白えなぁ!」
それはまるで宙に浮いてるかの様に空中でずっと戦うやり方だった。
「戦闘機に勝てる気か脳筋がぁ!」
「たかが飛行機もどきに俺を倒せるかぁ!」
それから更に戦いは早くなり続けた。
「おらぁ!」
「ん⁉︎」
自身が引っ掛ける高層ビルが破壊された,だが。
「ははは!更に場を広げて馬鹿か!」
爆発的破壊力により吹き飛ぶ瓦礫の上で,飛び,
そして。
「うぉら!」
戦闘する,だが。
「あれ⁉︎消えt」
「背後だばーか,気を抜くんじゃねぇよ」
無音で背後にいた。
「う⁉︎」
だが来た攻撃を避けられなかった,僧帽筋を握り上に引っ張るだけで。
メキメぶちちちち。
鎖骨をぼろぼろにした上,筋肉を引き千切る。
「あっきゃぁぁぁあ!」
「はは」
「死ね!」
瞬間振り返る反動で手刀を顔に叩き込む。
「うぼ⁉︎(何?さっきよりパワーが格段に上昇しやがった⁉︎)」
痛みによりアドレナリンが大量に分泌されているのもそうだがある思いつきを今即興で
試したのだ。
格闘技の試合において,頭を打たれ意識を朦朧としながら敵と戦おうとする,半分気絶しながら,戦闘意思が残留して,レフェリーを掴み掛かったのだ。
だがそれだけじゃあない,寝起きの謎の感覚が
鋭くなる金縛りに近いが体が動くあの現象,
あれをうまく調整して発動したのだ,今は
躊躇なく殺しに行ける上に運動能力が昂っている。
大切なものを失いかけて,初めて受給される爆大かつ言葉では言い表せない漠然とした虚しさ,
底知れない禍々しい怒りは殺意となんら変わりはなく,奥底から泡立つほど煮えたぎっていた。
「殺してやる」
「殺気ビンビンじゃねぇか!興奮しちまうだろ!
滾るだろぉ!」
睨み合う。
「オラァ!」
そのパワーはやつを貫いた,,,だが。
「(心臓がない?)」
「ははは!内蔵を筋肉により動かせるんでな!
しかも!」
瞬間ビッキビキの血管がにぎゅっと変わる。
「(交感神経や副交感神経まで自由に出来る,,,
のか?)」
具体的に言うと筋肉を弛緩して心臓を抑制して,
心臓の鼓動を任意で制止させるなんてことも
出来る,それにより出血を停止している。
「八つ裂きにしてやらぁ!」
「殺す殺す殺す!」
とてつもない底力,どんな逆境すら跳ね除ける
戦士の闘思,,,。
「楽しかったぞ,我の[好敵手/ライバル]であったと,冥土で胸を張ってな,,,くそが」
バタン,最後に立っていたのは相棒だった。