【1話 馬鹿げたやつ】
「じゃまだよぉ,気みぃ」
バゴーン!片方の拳が腹に貫通せんとばかりに
深く入り込む。
「ガハ!」
果てしなく一直線上に吹き飛ぶと背後の建物に激突して,そのまま激しく叩きつけられて地に体を伏せたままぴくりとも動かなくなった。
「だめだよ〜そんなに弱いんだから」
奴の名前は和泉賢太郎,爪の先から拳,上腕二頭筋などなど,両腕全体部位鍛錬を極める存在,
肩や大胸筋や背筋もでかい,特に彼は狂ったように右腕を鍛えている。
「よっすよっす,そっちの雑魚は終わったかな?」
「当たり前だな」
奴の名前は関原悠二,足の爪の先から,指先,土踏まずやひらめ筋,膝,脹脛などなど,両脚全体部位鍛錬を極める存在,股関節辺りや腹筋も強く,特に狂ったように右脚を鍛えている
二人は,今回の暗殺対象の男の元に向かって歩みを進めた。
「ほいしょ」
バッゴーン!直撃した瞬間とてつもない破裂音が響いた,強く防御してようが関係なくズザザザー!っと地を摩擦してから吹き飛んだ。
「はぁ」
関原に蹴られ地を擦ったのも束の間,ノックバックして宙に浮くどころか,遥か上空に吹き飛ぶ。
「おーい!」
「なんだ?そっちも終わりか?」
彼は志村一朗,頭のテッペンから,おでこ,後頭部に至る頭全体を部位鍛錬を極めた存在,首も
太い,狂ったように頭振ってる,なんかボコってなってる。
「やぁ,こっちはもう一体も残っちゃいないよ〜」
「じゃあいくか」
こうして三人が歩いてるとまた湧いてくる。
「死ねやぁ!このやろう共!」
「ふん!」
志村の頭突きが炸裂する,バゴーン!突進頭突きで相手を後方に吹き飛ばす。
「ガハ,っぐ!」
だがまだ立ち上がる。
「お,少しは骨がある,なら次はユニークスキルだな」
ユニークスキルとは常人では出来ない固有技術のこと,これは皆が一つずつ保有する。
「喰らえ!金槌の鉄槌ぃぃぃ!!!」
すると頭を背後地面につくほど下げブリッジ体制からおでこ,額の部分で相手をぶっ叩く。
バッゴーン!!!ずどどどどどーん相手の身体は
全身地面に埋まり地中奥深くに貫通して。
「ウガァァァ!」
気絶する。
「ふう」
「そっち終わったかぁ?」
「お!ヤツガレ,喜馬じゃねぇか!」
ヤツガレは左腕を狂ったように鍛えてて和泉の
左腕版,喜馬颯斗,やつは左脚を特に狂ったように鍛えていて,関原の左脚版。
「よっしゃあ,じゃあみんなが集まったようだし,行くか,殺しに」
「お〜う」
「う〜っす」
「よし」
「行くかぁ」
彼らは五体の各所の部位の鍛錬を繰り返し,身体の一部に信念を注いできた者達,通称五本指。
「ふむ,,,あそこに仁王立ちしてるやつ,,,かな?」
そこは道の真ん中,やつはこちらを振り返る。
「うぐっ⁉︎,,,(なんて威圧感なんだ⁉︎)」
「ただの振り返るなんて動作すら破滅的だぜ」
だがしかし前方にいた彼は影すら消えていた。
「あれ,あいつどこに」
和泉の頭に手の平がポン,と置かれた。
「んは⁉︎」
目の前から人影が消える,たった何点何秒と言う
そんな微細な時間,前方からの移動すら目には
追えず残像すら反射神経に捉えることは叶わなかったのだ。
「やぁ,刺客さん」
「んな⁉︎(俺が気づかない速度で背後に?
瞬間移動か⁉︎)」
ブォンと裏拳を放つ,だが,パスっとスカした
音が鳴る。
「んな⁉︎」
「ふむ,あなた右利きですか?左裏拳をu」
「だらァァァ!」
ヤツガレが左腕で攻撃しに来た。
「(合わせるぜ!)」
すると和泉も合わせたように振り向きざまに
右腕でパンチを放つ。
「正拳に左フックですか」
「んな⁉︎」
なんと手をクロスするようにして,左手でヤツガレの左フックを掴み,右手で和泉の正拳まで掴み取った。
「このまま行きましょう!」
「おぅよ!ヤツガレ,お前に合わせるぞ!」
すると二人同時の固有技術を放つ。
「左舷!」
「右舷!」
二人が合わさり同時に叫ぶ。
「大戦艦砲!!!」
すると二人が同時に踏み込み太極拳が如く
重い一撃を放つ,,,が。
「まさかこの程度ですか?」
「んな⁉︎」
なんと両方から放たれた合わさる拳を,,,なんの
防御すらせずに耐えたどころか無傷,ほんの
数mmノックバックしたくらいだった。
「赤子の寝返りですか?本当の極限の拳とはこうです」
するとやつが両腕を引く。
「(は?一体何をし)」
「(押し出し?,,,!)」
瞬間,二人は察知すると腰を引きすぐさま両腕を
ガードの体制に入る,だが。
「踏み込みも引きも浅い!」
瞬間放たれた剛拳はたった一撃で和泉とヤツガレを貫通する,両腕を風圧だけで貫かれながら,身体は数十kmと吹き飛びながら施設の鉄筋コンクリートを数十枚と壊しながら後退して身体は肉片と化す。
「和泉!ヤツガレ!ぐっっって,てててて!ッッッてめぇ!」
「こいつは,絶対ゆるさねぇ」
「俺の仲間に何をする!」
すると一番最初に志村が前に出てきた。
「喰らいやがれ!」
すると物凄い前傾姿勢でラグビーのようにぶっ飛ぶ。
「弾けやがれ!」
「頭突きですか」
ガゴーン!頭と頭を擦り合わせるようにして
動かしてぶつかる。
「あが⁉︎(俺の額が破れた⁉︎)」
「悪くないですが,まだ上がありますね」
「んな!なら喰らえや,金槌の鉄槌ぃぃぃ!」
バゴーン!頭と頭がまたぶつかると,地面に数十mのクレーターを作る,だが。
「うっぐ(姿勢一つすら変えれねぇだと⁉︎)」
「木槌の擬きですか?本当の極限の頭蓋は
こう言うものですよ!」
すると頭を地面に貫通するほどのめり,円に
成るんじゃ無いかと言うほど反る。
「んな⁉︎(まずい!このままじゃやられ)」
バゴーン!!!瞬間とてつもない衝撃波が志村の頭に突っ込む。
「ガハ」
地中深く,4000mは地下に貫通する,志村の頭蓋は陥没して脳にまで到達していた。
「どこまで私を怒らせる!」
「死ね」
瞬間,関原と喜馬が飛ぶように蹴り込む。
「喰らえ」
瞬間回転した関原は右脚で12800度の回転蹴りを叩き込む,喜馬は切るような左足の後ろ蹴りを叩き込む,,,だが。
「テコンドーですか」
バレーやヨガのような軽やかなフォームで,右脚を上げて回転蹴りを右脚で対応して,左脚の蹴りは左脚で対応する。
「んな⁉︎」
「左脚で俺の左脚を受けた⁉︎」
すると吹き飛ばしながら立ち上がる,二人は
宙を舞う,が。
「行くぜ!」
「はい!」
二人はキックポーズに入る。
「オラァ!」
「舐めんな!」
二人の固有技術が今始まる。
「右翼!」
「左翼!」
すると二人は同時に叫ぶ。
「大鳥!!!」
空中飛びキック突進が炸裂した!,,,だが。
「ふむ」
なんとドラゴンフラッグのようなフォームで
両脚を止める。
「なんですかその子供のフットサルが如し蹴りは,本当の極限の脚を見せてあげますよ」
すると軽く飛び上がり。
「ふん」
かかと落としのように下に振ると,衝撃波が,
音の刃が飛び喜馬を真っ二つにする。
「しゅ」
その落とした勢いのまま,14400度の回転を
して関原の頭を叩き潰す。
「ウブ」
「あ」
カタ,っとそのまま軽やかに地面に着地する。
それは最も非合理的かつ傲慢な戦闘スタイルだ。
左腕の強いヤツガレには左腕で対応して勝つ,右腕の強い和泉には右腕で対応して勝つ,頭が強い志村には頭で対応して勝つ,右脚の強い関原には右脚で対応して勝つ,左脚の強い喜馬には左脚で対応して勝つ。
こう言った相手の一番得意な土俵で戦って,
圧勝する,そんなやつだ。
「,,,」
かたかたかた,静かに足音が響く,そのまま奥に
歩みを進めていくのだった。
「私を倒しにきた来訪者よ,悪くなかったぞ」
また彼は静かに足を前に進めた,静かに来訪を
楽しみに,歩いていた,そいつらはまたまた
現れてきた。
「うはははは!俺は極限体,この身体に傷は
付けられないぜ怪物が!」
極限体とは優れた硬さの総集合体の名前,
[精神的耐久性/忍耐力],[物理的耐久性/耐久力],[技術的耐久性/防御力]この全てが
高水準に発動している。
「オラ来いよ!」
ただでさえ硬い筋肉なのに防御は自身に入る
攻撃の威力を阻害また送迎して受けるダメージを減らす技術的耐久性まで持ち,精神攻撃や
痛みすら硬さを超えられない,,,だが。
「ふ〜ん,極限体,,,ねぇ〜」
瞬間,守りより遥かに強い攻撃が来た,バズ!,,,
ぴちゃ,ぴちゃ,ぴちゃ。
「は?」
両腕を貫通して手刀が腕を貫いて大胸筋の中心を貫いていた,それはまるで槍だった。
「その防御においては理想的なご自慢な身体の
ようだが,,,それだけだ」
じゃぎん,身体から手を引き抜く。
「あ,ぁが」
バタン,一撃で死ぬ。
「極限体,君以外にも居たよ君と同じ同類が,
タフネスでは完璧だろうがただそれだけの君,
スピードでは完璧だろうがただそれだけのガリ,
パワーでは完璧だろうがただそれだけの脳筋」
「回避力では完璧だろうがただそれだけの塵芥,,,
まぁそれを言ってしまえば私は塵芥が山を成したそれだがな,はははっはぁ〜,,,」
「つまらないのは皆同じだから安心して地獄に
行け」
磯貝鞍馬,その身体を言い表すとしたら,,,
完全体としか呼べないだろう。
あらゆる分野に完璧に対応する肉体はもはや
一点突破のそれと同一の分類が無数に重なって
るに等しい,言ってしまえば全身が武器なのだ,
しかもどの武器も他の武器を超越する武器。
本来なら一撃で床に顔面が陥没するようなパンチを放てば代償に拳の肉が剥がれて骨が丸見えとなってしまうだろうし,尚更強くクレーターを
作れるパンチなら,常人が部位鍛錬したぐらいじゃ。
拳から上腕骨にかけて,腕を構成する大まかに
分けて3本,部位ごとに分けて話すと数十本と
全ての腕骨が粉々の粉砕骨折をするほど,そして
それら付随する筋肉全体は筋肉断裂するだろう。
だが彼は,そんな力を代償無しに使えてしまう,
そして連続の戦闘にも関わらず一切疲労が見えないように体力に限界がありません。
「なんだこいつ⁉︎」
「マダラ!勝てねぇよ!」
「引くぞ!」
しかもこれらはショッディ先生のように彼らが特化した環境による連続の戦闘だった。
ショッディと会う前の話だが,五感の者達の感覚器官と対決しても,目には目を鼻には鼻を,,,と
それらの分野すら勝ち越していた。
そんな彼には,友人がいた。
「生まれた頃より我は孤独だった」
それは。
「分かりますよ,なんとなくですがね,加齢による
身体の老化があれば,貴方も楽しくなれますよ」
「そうか」
斑峯琴,その人であった。
「ありがとうよ,なんだか気が楽になったぜ」
「よかったら入りますか?保育園」
「気が向いたらな」
「楽しみにしてますよ,貴方なら次期園長の座も
譲渡してもいい」
「へ,向いてねぇよ,長ぁよぉ」
こうして彼はまた歩んで行ったのだった。