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魔狩り人①

ここは【魔法】という概念が存在する世界エイリーン。


魔族、エルフ族、獣人族、そして人族と言った多種族が各々異なる主義を持ちながらも共存している世界。


その中でも魔族は自分達を最上位存在だと主張する、【魔上主義】を掲げ、他種族を全て下の存在と見なし、快楽と悦楽の捌け口としか認識しておらず、魔族たちは気まぐれに他種族の住処に侵攻、蹂躙していた。


当然、他種族は同族を脅かす存在である【魔族】の猛威を止めるべく結託し三種族共同で対魔族の組織を設立した。


〜ファシディシ村〜


ここは人族が在住している村「ファシディシ」

・・・とファシディシ森が繋がる道の途中。


ファシディシ村近辺の森を住処とする魔族【イエローゴブリン族】が己達の欲求を満たす道具を探す為に森を出て大きな道を歩き、村に向かって侵攻している。


その数は30体程で、このまま侵攻されたらファシディシ村の人間は全員…イエローゴブリン族の欲の行く先として、惨めに蹂躙されるだろう。


しかし、イエローゴブリン族の欲求の為だけの侵攻はファシディシ村に辿り着く事は無かった。


ゴブリン達がファシディシ村に繋がる道を歩いていると、ファシディシ村からフードを深く被った少女が一人現れた。

「あん?お前ファシディシの女か?自ら身売りに来るとは健気な嬢ちゃんじゃねえか」


「あ、あの-...」


少女はボソッと口を開いた。


「おい!こいつかなりの上モノだぞ!」


フードを被った少女に狐目のゴブリンが近寄り顔を覗いた後に胴体に触れた


「肝心の乳は?んほ〜〜!こりゃG以上はありそうですぜ!コイツ!俺のペットにしてええですかい?」


「好きにしろ、お前が触れたせいで価値が下がっちまったからな」


「ぐへへへへ!」


「デロ兄貴だけずるいっすよ〜!」


「そうだ!そうだ!」


下っ端らしきゴブリン達が声を上げる。


「あの…このまま立ってると危ないすよ?」


ゴブリンに胴体を触れらたままのフードの少女が口を開いた。



「あ?なん■■■■」


ズシャシャシャシャシャッ…


狐目のゴブリンが何かを言う刹那 少女の目の前に居た30人のゴブリンの首が一瞬にして斬り飛んだ。

首を無くしたゴブリン達がドサドサと倒れる。

首の切断面から斬られた直後から数コンマ秒差で血が吹き出し少女の目の前の地面が血の海となっていた。


「もうマジキモかったんだけどーー!!」


そんな血の海を目の前にしたフードを被った少女である私は叫んだ。


「この!気安く!人の身体に!さわり!!!!やがっ!・・・てぇっ!!!」


私の胴を触ったゴブリンの背中をガンガンと踏み付けてやっている。


「はいはい良く頑張りました」


「ノラン!次ゴブリン討伐任務を受けたら囮役やってよー!」


「イエローゴブリン族以上に知能が高いゴブリン族はもう狩り尽くしてるから、またゴブリン討伐の依頼を受けても囮作戦は使わないけどね」


「じゃあオーク属の討伐の時に!!」


「アイツらはデブ専だから私の身体は多分眼中に無いと思うし…」


「おまえ!私をデブって言いてえのか!!」


「そこまでは言ってないでしょ?とにかく暫くは囮が通用する任務は来ないでしょうね」


「ちぇっ!ノランだけずるい!」


「強制視点誘導の魔法はあなたしか使えないから」


「私も攻撃役やりたいよー!」


「次の仕事でね」


「あ!言ったな〜!絶対だよ!絶対!指切り!」


「はいはい…」


私が突き出した指にノランが指をまじ合わせ、指切りした。


「ファランさーんもう出てきて良いですよ〜」


道に生えてる木の陰から仕事用の斧を握った一人の屈強な男が姿を現した


「す・・・すごい・・・本当にあのイエローゴブリン族を全滅させてしまうなんて・・。」


「だから、言ったでしょ〜心配しなくていいのにって!」


「ありがとうございます…!報酬は倍額支払わさせて頂きます」


「いいえ・・・そんな」


「やったー!ありがたく頂いますーっす!!」


「ノルン…あなたねぇ…」


「貰えるものは貰っておこうよ!それに…今日の報酬が上がれば欲しがってたアクセサリー買えるんじゃない?」


「そ…それは・・・」


「良いんだよね?ファランさん?」


「ええ…勿論です!」


「ねっ?」


「では、有難く…」


「それに、私は内心貴女方を侮っていました…森のゴブリン族を2人で壊滅させるなんて…出来るはずがない…だから失敗した時には私が足止めしてる間、村の者達には笛で合図出して村から逃げて貰うつもりでしたから」


もし、そうなっていたら、村長は瞬殺されていただろう。 あっさりと倒しておいてなんだけど、イエローゴブリンは戦闘経験のない人間がまともに戦えるような魔族ではないのだから。



「正直、死体を目の当たりにしている今でも信じられないくらいです…娘と同い歳くらいの少女二人で我々では勝ち目が無かったイエローゴブリンを全滅させてしまうなんて・・・」


「なんてたって私達・・・」


「伊達に「魔狩り」やってないからね」


そう、私達は対魔族特化狩人【魔狩り人】なのだから。

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