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第35話 お兄ちゃんの体にいくつほくろがあるのかとか分かるよ! ちなみに一番えっちな所はおしりの

「未来、俺達は別室で待機だ。さっきの五人が居た部屋だ」

「……! みーちゃんは私が拘束する!」

「やらねえよ? え? やらねえよな? さっきみたいにギャグボール咥えさせられた挙句目隠しとかそんなのやらねえよな?」


 そんなんどこからか零と新が現れて犯されるだろ。絶対に。


「俺達が醜い言い争いでもしない限りは大丈夫だよ。はは」

「フラグって知ってる?」


 まあ、俺が言い返さなければ良いだけだし大丈夫だろう。多分。


「ああ、それと。彩夏ちゃん。俺に代わって樹里と一緒にMCをやってくれないか? 台本はあるから」

「え? ……良いですけど」


 ああ、そうか。飛輝が居なくなるならMC的な役割の人が無くなる。


 この二人なら人気もあるし、テレビに出て実際のMCを見た事もあるだろう。適任と言える。


「……とは言え彩夏の初MCか……気になるな」

「お兄ちゃんのネクコン。もっとシスコンになってよ! 妹にしか興奮しないお兄ちゃんになってよ!」

「あのな? 世の中ではそんな男は犯罪者って言われんだよ」

「大丈夫! 私が訴えない限りお兄ちゃんは犯罪者じゃないよ!」

「そういう問題じゃねえ」

「お兄ちゃんのワガママ! でもそんな所も好き!」

「はいはいありがとな。それじゃ飛輝、行くぞ……飛輝?」


 飛輝が俺たちを見てポカンとしていた。



「……い、いや。お前……俺なんかより何倍も大変そうだな」

「えっ」


 てっきり俺と同じなのだと思っていたが。


「みーちゃん。私達みたいな唯一無二の存在がもう一人いると思ってたの?」

「自分で言うな」

「お兄ちゃんの妹なんて私以外要らないもんね。パクリなんて要らないもんね」

「急にヤンデレるな……というか飛輝、ここに居たら話が進まんぞ。行くなら行こう」

「あ、ああ……分かった」


 時間もあまり無いだろう。飛輝は俺に頷き、別室へと案内して――


「あ、みーちゃん。ちょっと待って」

「……? どうした、零」


 零に呼び止められる。俺は振り向くと……


 零が俺の胸元にキスをしてきた。



「なっ……にしてんだおま――」


(あ、ちょっと待って、みーちゃ――)



 胸の中から何かが抜け出した。


「……え? お前、今何した?」

「何って……私とあーちゃんの分身を取っただけだけど。不公平じゃない? 私達だけみーちゃんの心読めるって」

「あれ取れんのかよ!?」

「取れるよ……あ、でもやばいかも。今みーちゃんの顔見るだけでムラムラする」

「いつも通りじゃねえか」

「それもそうだね」


 という事があったが。俺は、飛輝と共に向かったのだった。





 ◆◆◆


「アンタ、なんでここに?」

「いや、一人で見るのもつまんないじゃない? 折角仲良くなったんだし一緒に見ようかなって」


 向こうで一人佇んでいた冬華ちゃんの所に来た。


「……別に仲良くなったつもりも無いんだけど」

「まあそう硬いこと言わないでよ」


 冬華ちゃんの隣へ腰を下ろす。


「ちなみにそっちは勝てる自信あるの?」

「ふん……悔しいけど。ヒュウっちに関しては百花ちゃんより知ってる人なんて居ないわよ」


 本当に悔しそうに。彼女はそう言った。


「奇遇じゃん。私も零ちゃんには勝てると思わないよ。未来君の事に関しては」


 未来君を想う気持ちは負けないけど。


「ふぅん」


 その素っ気ない返事に苦笑していると、舞台に二人が現れた。


 おお、と歓声が上がる。


「飛輝君は解答のため別室に移りました。なので、ここから先は私。【ヤンデレーズ】のじゅりりんと」

「彩夏がMCを務めます!」


 更に歓声が強くなった。


「それでは詳しいルール確認を行います」

「ルールは簡単ですよ! 今からクイズが出されます! お互いの幼馴染であり、お兄さんである方の。その問題が十問出されて、より多く正解した方が勝ちです!」

「それと、相談はナシです。なので一人正解すれば一ポイントだとして、最高で二十ポイントになりますね」

「もし点数が同じならそのままサドンデスに移ります! 同じように問題が出されていって、先に間違えたチームの負けです!」


 へぇ……


「問題の難易度ってどんな感じなんだろうね」

「んー……ヒュウっちが私達の高校とそっちの高校で募ったらしいけど。どれくらい難しいんだろ」


 そんな事までしてたんだ。準備がいいなぁ。


「それと、問題に関してですが。大まかなニュアンスが合っていれば正解となります」

「たとえば、『未来さんが好きな食べ物』というお題だったとして、『チーズINハンバーグ』でも『ハンバーグ』でも正解となります。ただし、『肉料理』といった抽象的な答えは不正解とさせていただきます」


 そうした細かい説明なんかが終わる。すると、幕が上がった。


「うわ、すご。めっちゃ本格的じゃん」

「ヒュウっちならこれぐらいするよ」


 そこには、簡易的なステージが組み立てられていた。


 赤く四角い机の場所に座っているのは向こうのチーム。対して、零ちゃんと新ちゃんは青い机の所に座っている。


 机の前面にはモニターがある。回答を写すものだろう。


「それでは両チームに試合前のインタビューをしてみましょう。百花ちゃん、早希ちゃん。自身の程は?」

「私が負けると思う? 生まれてずっときーちゃんと暮らしてきたんだよ? 半ば強制的にだけど」

「そうだよ。兄ちゃんの持ってるエロ本の数から性的嗜好まで分かるよ」

「そ、そうなんですね……」


 何で樹里ちゃんは少し引いているのかな。それぐらい普通……


 ……あれ? もしかして私の感覚麻痺してる?


「それじゃあ零ちゃんと新ちゃんにも意気込みを聞いてみますよ! 自信はありますか?」

「負ける気がしない。みーちゃんが今何を考えて何を喋ってるのかまで分かるよ」

「私も負けないもんね! お兄ちゃんの体にいくつほくろがあるのかとか分かるよ! ちなみに一番えっちな所はおしりの「という事で! 二人とも自信たっぷりなようです!」」


「……今更だけどアレって異常な気がしてきた。あれで未来君と付き合ってないんだよね」

「え? そうなの? 毎日ヤリまくりじゃないの? あれだけ侍らせて」

「だったら良いんだけどね。未来君まだバキバキ童貞だよ」



 そういえばまだ向こうに誤解されたまんまだっけ。つい勢いで試合を引き受けてたけど。


「へぇ……そうだったんだ」


 まあ、それは別にいい。


「それよりそろそろ始まるよ、冬華ちゃん」



 舞台の上を見る。


「それでは早速一問目に入りたいと思います!」


 てーれん♪とクイズらしい効果音が流れた。


「第一問。未来さん。または、飛輝さんの将来の夢を答えなさい」


「おお、一つ目から飛ばしてくるね」

 確か、未来君の将来の夢は……


 普通の、何の変哲もないサラリーマン。


 って中学生の頃は言ってた。今は分からない。


「まあ、これぐらいなら余裕ね」

「こっちもそうだね」


 零ちゃん達はさらさらと文字を書いている。



 ……あれ? 長くない?


 相手はもうとっくに書き終えている。


「……何書いてるんだろ、二人」



 数文字書いてる訳では無い。一文でもない。



 そうして一分後。二人は何かを書き終えた。


「……え、えっと。それでは早速回答をオープンします!」


 じゃん、と音が鳴って机の前のモニターに写し出される。


 それが前のスクリーンにも。


「……えぇ?」


 いや、とりあえずあの二人の答えは置いておこう。


「え、ま、まずは百花ちゃんと早希ちゃんの答え。『町長』です。これは飛輝君のお父さんが町長だからでしょうか」

「ん。昔からきーちゃんは言ってた。お父さんみたいな町長になるって」

「兄ちゃん言ってたもんね!」


 ……まあ。それは良いとして。


「つ、続いては零ちゃん達のチームですが……その、零ちゃん。これは?」

「え? みーちゃんが答える文だけど」


 そこにはこう書かれていた。


 みーちゃん「将来の夢……か。(ここで目を瞑る)…………(暫しの沈黙の後目を開ける)そうだな。何かのプロフェッショナルになる事だ。詳しい事はまだ決めていないが。零達の横に並んでも恥ずかしくないような、そんな職に就きたい(ここでみーちゃんのキリッとした顔)」


「……まさかね」

「……示し合わせた? あっちの妹の方も全く同じ回答だけど」

 新ちゃんの方も、みーちゃんの部分がお兄ちゃんとなっているだけで答えは変わらない。


 そう。一言一句違わない。

「……私はそうであって欲しいって思ってるけど」


 全身の鳥肌が止まらない。



 いやいやそんな。超能力じゃあるまいし。


「書いた通りの事をみーちゃんは言うよ。ね、あーちゃん」

「うん!」


 自信満々に零ちゃん達が言った。


「そ、それでは正解発表です!」


 スクリーンの映像が切り替わる。


 そこで、二人の姿が映し出される。フラグは折れたらしい。ちょっと期待してたんだけど。




「そ、それではまず最初に飛輝君! 将来の夢を教えてください!」

「将来の夢か? 町長だ。お父さんみたいな町長になりたい」


 おおっと声が上がる。


「という事で正解! 百花ちゃんチームには2ポイントが入ります!」


 その言葉も同時に、机のモニターの隅に2という文字が置かれた。


「ふふ。やったね、さーちゃん」

「うん! 百花ちゃん!」

 二人は仲良くハイタッチをした。


「負けてられませんよ……未来さん! 将来の夢を教えてください!」


 未来君は彩夏の言葉を聞いた。


「将来の夢……か」


 未来君はそう言って目を閉じた。何かを考えるように。


「…………そうだな」


 そして、目を開けた。


「何かのプロフェッショナルになる事だ。詳しい事はまだ決めていないが。零達の横に並んでも恥ずかしくないような、そんな職に就きたい」



 思わず自分の腕を摩った。鳥肌を鎮めるために。


「ふふん。みーちゃんの事なら何でも分かるんだよ。ね、あーちゃん」

「うん!」


 自慢げに零ちゃん達が言う。


「……れ、零ちゃんチームに二ポイントです」


 会場が静まり返った。

 ……不正だと思いたい。でも、そんな事をする訳が無い。


 そもそも、最後の(キリッとした顔)など未来君が分かっててするはずが無いんだよ。


「……えっと。向こうにも回答が見えるように……とか出来ますかね?」

「あ、はい。ちょっと待ってくださいね。……見えてますか?お二人共」


 四人の回答が向こうにも見えるようにしたらしい。



 未来君の顔がボッと赤くなった。


「……おい、零。新。この答えはなんだ?」

「え? みーちゃんの回答だけど」

「意味が違ぇだろうが! 誰がそこまで書けって言った!? というかキリッとした顔って言うな! クソ恥ずかしいだろうが! 帰らせろ!」


 いやまあ。そりゃそうなるでしょ。


「え? てか待って。本気でこれ書いたの? お前ほんとに何者? 飛輝、俺の思考向こうに送ったりしてないよな?」

「現代技術じゃ無理だろ。……事前に示し合わせでもしたのか?」

「だとしたらもっと短い文にするわ。それに最後のも意識的にやらんようにするわ」


 飛輝君の言葉を未来君がそう返す。


「というか、零。まさかとは思うがこれからもそんな風に書く訳では無いよな?」

「え? 書くけど」

「……やめろ。絶対に。もう普通に書け」

「えー。そんなの完全試合じゃないじゃない」

「そんなの要らん! 俺が周りから冷たい目で見られる!」

「もー、しょうがないなあ、みーちゃんは」


 ……と。そうした後にスクリーンが戻される。


「え、えっと。時間も押してるので次行きましょうか」

「そ、そうだね。……それじゃあ二問目は…………!」


 彩夏ちゃん達が驚いた顔をした。





「……ふ、二人の。一番の黒歴史を教えてください」

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